私ってよくばりなので、高野渉をおーちゃんと潤くんの二通りで妄想しております
時間が足りない進まない・・・
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妄想ドラマ 『スパイラル』 (3)
次の稽古日、渉が早めにスタジオBに行くと、沙織が鏡に向かって一人で台詞をつぶやいていた。
開いているドアに持たれてしばらく見ていると、いくつかの言葉が耳に飛び込んできた。
美菜が演じるヒロインの台詞だ。
「どうして、そんな練習を?」
声をかけると沙織が驚いて声の主を見た。
渉だと分かって少しホッとした様子だ。
「あの、誰にも言わないで、お願い」
「言わないけど・・・」
納得がいかない様子の渉を見て、沙織は事情を打ち明けた。
「沢渡さんに、いつでも美菜ちゃんの代役が務まるようにしておいてって言われてるの」
渉は言葉がなかった。
沢渡とは一昨日話をしたばかりだし、第一この舞台は美菜のために用意されたものだ。
「美菜ちゃんって、最近精神的にちょっと不安定で突然の体調不良とかあるらしいから」
「突然の体調不良?」
「具体的には教えてくれなかったけど、例えば過呼吸症候群とかパニック障害とか?」
「昨日話したけど、全然そんな風じゃないし、大丈夫だと思うけど」
「もちろんそうでなくちゃね。お客さんは美菜ちゃんと渉君を観に来るんだから」
明るく言ったその先は、心の中でつぶやいた。
( 残念だけど私の出番があるとは思ってないよ )
それから、渉を見てにっこり笑った。
「渉くん、この近くに美味しいラーメン屋さんあるの知ってる?今日、恭子ちゃんとか山川さんたちと
行こうって話になってるけど一緒にどう?私がおごるよ。口止め料」
「うん、今日はこのあと仕事入ってないから行こうかな。おごりならチャーハンと餃子も」
「食べすぎて太ったらまずいでしょ」
「なんだ、口止め料ケチるの?」
「高野渉を太らせたらファンに怒られちゃう!」
「大丈夫、食べた分だけ動く」
「無理だとは思うけど美菜ちゃんにも声かけてみるね」
「うん」
「こう見えて渉君よりは美菜ちゃんと仲良くなってるよ私。出番は少ないけど
いい舞台作りたい気持ちは同じだから。
美菜ちゃんも少し肩の力抜いてみんなと付き合えると楽になるのにね」
沙織はガッツポーズをしてみせると女性の控え室に行ってしまった。
沙織は2年前のミュージカルで共演した仲間だ。
その時も沙織はムードメーカーだった。
ガラス細工のようにどこかはかなげな見た目と違って、明るく気さくな人柄が人気だった。
渉と歳が同じで、その上人見知りしない性格なのですぐに打ち解け、
友達以上の気持ちになりかけたところで舞台が終わった。
その後は去年の渉の舞台を沙織が見に来てくれて、次に会ったのは今度の舞台の顔合わせだ。
今は沙織に特別な感情は持って無いけれど、また一緒に仕事ができることは嬉しかった。
仕事に対する姿勢が自分と似ていると思う。
それに比べ美菜には戸惑ってばかりだ。
この前のことが急に蘇った。
美菜の唇の感触まで鮮明に覚えている。
舞台の演出では二人がキスしたところで暗転になる。
それも本当に唇を合わせることはない。
大半の客席の位置からはキスしたように見える角度で、顔を近づけるだけだ。
それなのに美菜はどういうつもりだったのだろうか。
役に感情移入しすぎただけなのか。
二人を呼びに来た川崎のノックで渉が我に返って体を離すと、
美菜は何事もなかったようにドアを開け帰っていった。
あれから渉の心には美菜に早く会いたい気持ちとわけのわからない不安が入り乱れていた。
再び美菜に触れると、自分の心の奥にふつふつと湧いてきた感情を誤魔化せなくなる予感がしたから。
---------つづく-------- 4話へ
1話から読みたい方はこちら
あー眠い。
睡眠時間は足りているはずなのに眠い。
にのちゃんと一緒だ!
光は浴びてるから朝から炭水化物をガッツリ?
夜もガッツリ食べたいんですけど。
太るじゃん
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時間が足りない進まない・・・
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妄想ドラマ 『スパイラル』 (3)
次の稽古日、渉が早めにスタジオBに行くと、沙織が鏡に向かって一人で台詞をつぶやいていた。
開いているドアに持たれてしばらく見ていると、いくつかの言葉が耳に飛び込んできた。
美菜が演じるヒロインの台詞だ。
「どうして、そんな練習を?」
声をかけると沙織が驚いて声の主を見た。
渉だと分かって少しホッとした様子だ。
「あの、誰にも言わないで、お願い」
「言わないけど・・・」
納得がいかない様子の渉を見て、沙織は事情を打ち明けた。
「沢渡さんに、いつでも美菜ちゃんの代役が務まるようにしておいてって言われてるの」
渉は言葉がなかった。
沢渡とは一昨日話をしたばかりだし、第一この舞台は美菜のために用意されたものだ。
「美菜ちゃんって、最近精神的にちょっと不安定で突然の体調不良とかあるらしいから」
「突然の体調不良?」
「具体的には教えてくれなかったけど、例えば過呼吸症候群とかパニック障害とか?」
「昨日話したけど、全然そんな風じゃないし、大丈夫だと思うけど」
「もちろんそうでなくちゃね。お客さんは美菜ちゃんと渉君を観に来るんだから」
明るく言ったその先は、心の中でつぶやいた。
( 残念だけど私の出番があるとは思ってないよ )
それから、渉を見てにっこり笑った。
「渉くん、この近くに美味しいラーメン屋さんあるの知ってる?今日、恭子ちゃんとか山川さんたちと
行こうって話になってるけど一緒にどう?私がおごるよ。口止め料」
「うん、今日はこのあと仕事入ってないから行こうかな。おごりならチャーハンと餃子も」
「食べすぎて太ったらまずいでしょ」
「なんだ、口止め料ケチるの?」
「高野渉を太らせたらファンに怒られちゃう!」
「大丈夫、食べた分だけ動く」
「無理だとは思うけど美菜ちゃんにも声かけてみるね」
「うん」
「こう見えて渉君よりは美菜ちゃんと仲良くなってるよ私。出番は少ないけど
いい舞台作りたい気持ちは同じだから。
美菜ちゃんも少し肩の力抜いてみんなと付き合えると楽になるのにね」
沙織はガッツポーズをしてみせると女性の控え室に行ってしまった。
沙織は2年前のミュージカルで共演した仲間だ。
その時も沙織はムードメーカーだった。
ガラス細工のようにどこかはかなげな見た目と違って、明るく気さくな人柄が人気だった。
渉と歳が同じで、その上人見知りしない性格なのですぐに打ち解け、
友達以上の気持ちになりかけたところで舞台が終わった。
その後は去年の渉の舞台を沙織が見に来てくれて、次に会ったのは今度の舞台の顔合わせだ。
今は沙織に特別な感情は持って無いけれど、また一緒に仕事ができることは嬉しかった。
仕事に対する姿勢が自分と似ていると思う。
それに比べ美菜には戸惑ってばかりだ。
この前のことが急に蘇った。
美菜の唇の感触まで鮮明に覚えている。
舞台の演出では二人がキスしたところで暗転になる。
それも本当に唇を合わせることはない。
大半の客席の位置からはキスしたように見える角度で、顔を近づけるだけだ。
それなのに美菜はどういうつもりだったのだろうか。
役に感情移入しすぎただけなのか。
二人を呼びに来た川崎のノックで渉が我に返って体を離すと、
美菜は何事もなかったようにドアを開け帰っていった。
あれから渉の心には美菜に早く会いたい気持ちとわけのわからない不安が入り乱れていた。
再び美菜に触れると、自分の心の奥にふつふつと湧いてきた感情を誤魔化せなくなる予感がしたから。
---------つづく-------- 4話へ
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あー眠い。
睡眠時間は足りているはずなのに眠い。
にのちゃんと一緒だ!
光は浴びてるから朝から炭水化物をガッツリ?
夜もガッツリ食べたいんですけど。
太るじゃん
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