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単焦点レンズ設計②

2011年03月07日 23時46分15秒 | 眼鏡技術

各単焦点レンズの特徴を説明します。

 
  
レンズ=基本
  
レンズ前後面の設計=レンズ第1面 第2面 (凹レンズの場合)
  
    
①球面レンズ
  
レンズ 球面設計の為、レンズのどの部分で測定しても同度数。
  
レンズ前後面の設計 カーブ+カーブ
  
メリット レンズ中心部と周辺部が同度数の為、上下左右視した場合の見え方が同じ。
  
デメリット 度数によってはレンズの厚みが出てしまう。
  
  
②非球面レンズ
  
レンズ 球面収差を軽減するため非球面設計を導入。
  
レンズ前後面の設計 フラット(非球面設計は90°180°方向)+カーブ
  
メリット 非球面設計なのでレンズが薄く仕上がる。  
  
デメリット レンズ中心部と周辺部(周辺部では度数が低下する)では度数が異なる。
  
  
③両面非球面レンズ
  
レンズ設計 非球面設計の弱点であるレンズ周辺部の歪みを内面設計により改善。
 
レンズ前後面の設計 フラット+カーブ(内面設計を付加 360°全方向)
  
メリット 乱視が強いほど効果を増すレンズ、歪みも少なくレンズも薄い。
  
デメリット 非球面レンズと比べるとレンズは厚い。
  
  
まず最初に球面レンズのデメリットとされている球面収差。
  
球面収差を眼鏡で感じるには、強度数と頂間距離をかなり放さなければ解りません。
  
これは球面レンズが「悪物である」と設定したレンズメーカーの仕掛けです。
  
目から5cmも放して眼鏡掛けますか?
  
球面レンズはレンズのどの部分も同じ度数。
  
360°同じ見え方です。  
  
しかし非球面レンズは違います。
  
球面収差を軽減すると言うのは名ばかりで、レンズ自体を薄くする事が目的でした。
  
レンズを薄く設計してみた結果、球面収差も軽減される事が判明したのです。
  
先にも述べた通り、球面収差は眼鏡レベルでは殆ど感じません。
  
むしろ意図的にレンズ周辺部の度数を変化させた事により、装用時の違和感が感じやすい非球面設計レンズ。
  
非球面レンズを使用し、違和感を訴える方が多いのはこの為です。

では度数比較ではどちらが優れているのでしょうか?

非球面レンズの起源は強度凸レンズによる球面収差を緩和させるために開発されました。

眼光学的に見ても強度凸レンズで非球面効果は有効ですが、凹レンズではあまり効果はありません。

又、非球面レンズ装用後に球面レンズを装用すると掛けれないと言った声を聴くことがありますが、これは「慣れ」の問題であり眼光学上、なんら問題はありません。
  
球面レンズは中心部も周辺部も同じ見え方、視界が広いレンズです。
  
両面非球面レンズは球面レンズと非球面レンズの良い所取りをしたレンズ設計。
  
非球面設計により薄さを、内面設計により視野の広さを確保したレンズです。
  
見え方を重視するのであれば 両面非球面>球面>非球面
  
薄さを重視するのであれば 非球面>両面非球面>球面
  
なぜ非球面レンズが1番薄いのか?
  
両面非球面レンズには内面設計が採用されています。
  
非球面レンズに内面設計を張り付けるイメージになるので、レンズは厚くなってしまいます。
  
単焦点レンズを選択するにはこの他にも、フレームカーブやプリズム効果も考えなければなりません。
  
結論として違和感の出やすい非球面レンズは極力避け、両面非球面と球面レンズを当店では薦めています。
  
薄型加工(凸レンズ)をすれば球面レンズでも十分薄く仕上がります。

単焦点レンズ設計①はこちらをご覧下さい。