整然と並べられたギヤマンの品々は、
いずれも個性が強くて似通うものを
なるべく隣りあわせない配置。
つづいても二つほど
その次から陳列されるものは
趣きもフォルムもまったく
違う品を展示している。
眼を飽きさせない工夫された間隔で連なるの。
一品ずつが重厚な存在感を放って
引けを取らないその中に...
ひときわ可憐なギヤマンの花よ輝ける。
フォルム、絵付け、存在感...大輪の器だわ。
花エナメル彩の
テーブルセンター、
1880年代フランス謹製。
丸み、膨らみ、曲線...すべてが女性的よ。
透ける影まで美しく・・・
光りが落とした物の影、
その形から浮かびあがった紋様の...
輪を掛け回転しているようでしょう。
静物から生まれた動く影の幻
しっかり取り付けられた留め具。
ガラスの縁...金縁...うねる襞。
ありあまる可憐さに
すっかり惹きこまれてしまい、
しばしこのギヤマンから離れ難かったわ。
テーブル上を装飾する品として・・・
中央に一つ
置かれるだけでも、
その室内空間はさぞかし...
花々しい雰囲気に満ちたことでしょう。
エナメル彩
削り彫りする細工ではなく、
色付きガラスパウダーを融かして
焼成しガラス表面に模様なりを描きだす技。
その鮮やかさを
このギヤマン作品で、
よくよく篤と観られたことは...
瞼の裏にも思い描ける一生の目福よ. .。+ °
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