QUADRAの岩佐バンマスから、数日有るリハーサルや撮影日程の中で、一日だけ急遽自分が行けなくなったから・・っていう理由で戴いた映画の「演技指導」というお仕事。演技指導と言っても、サックスが吹けない女優さんに、あたかも生で吹いている風な演技を付けるという専門職である。
中学校の吹奏楽部で花形サックス奏者の女の子の前に、突如、天才サックス奏者の転校生が現れ・・って言うストーリー。若手監督による意欲作という。
前日(この日、僕は新宿でライブだった)に、岩佐氏より仕事内容や、撮影で当て振りをするクラシック曲の譜面やモノホンのクラシック奏者の演奏動画をメールで頂き、それを見て勉強。「演奏する演技」をする女優さんの指の動き諸々をチェックしなけりゃいけないという事は、譜面が僕の頭の中に入っていなけりゃいけないと言う事だ。って事は、暗譜しなけりゃいけないわけで、夜中に仕事から帰って来て慌てて暗譜。まぁ、15小節くらいなので、頑張って暗譜した。意外と良い曲で楽しかったりして。(笑)
撮影当日、現場である埼玉県の中学校に午前中に到着。担当の方に連絡して迎えに来て頂く。いきなり、炊き出し現場に通され、カレーライスをご馳走になる。所謂、ロケ弁現場に遭遇だ。化学実験室だったけどね。(笑) 面白いのは、音声さんは音声さん、カメラさんはカメラさん、メイクさんはメイクさんで部署ごとに固まって和気藹々と食事している事。ま、自然の成り行きだよな。来てみて分かったけど、結構、スタッフが多く、かなり大きなプロジェクトの様だ。前日、岩佐氏が演技指導に行った時は某有名女優(某金融会社のCMでブレイクした方)が先生役で居たらしく、バレンタイン・デイのチョコを貰ったとか。羨ましい!
廊下にはカメラが走るレールが敷かれたりしている。まさに撮影現場だ。控え室では主演の女の子達が楽しそうにお喋りしている。アルト・サックスが机の上に置かれている。昼休み後の本番が近づき、そのアルトを手にした子を僕が教えるわけだ。おぉ~!さすがに主演女優さん。中学生ながらかなりの美貌!・・と、まぁ、僕は彼女の顔を見てる場合ではない。指を見なけりゃ。(苦笑)
限られた時間内で様々な演技指導をさせて頂いたのだけど、彼女は全くの未経験者で、2週間ほど前に岩佐氏のレッスンを受けたばかりだと言う。にもかかわらず、今日までに運指を覚え、メロディーも覚え、咥え方もそこそこ形にはなっている。僕が教えた事に対しても、なるべく吸収しようとしている所に、この若さでプロ根性を見せて頂き、感心しきりだった。
仕事自体は、撮影自体に特にトラブルも無く、あっという間に数テイクで終了。OKテイクをキープして、更に良いテイクを撮ってみたり、微妙な違いを何度もモニターチェックして良し悪しを判断する所など、我々が通常やるレコーディングと凄く似通っていて興味深かった。カットがかかり、僕の仕事も終わり帰宅の途に就こうとすると、先程の主演の女の子が挨拶にやって来た。他の子達も(子役の男の子も)やたらと礼儀正しい。子供の頃から仕事してると、ちゃんと教育されてるんだなぁ。ダメ人間の僕も何だか清々しい気持ちになる。(笑) あのエリカ様も実は礼儀正しかったりしてね。ちなみに、僕の大学の大先輩であるキダ・タローさんは、楽屋でお会いしたらメチャクチャ礼儀正しかった。番組では偉そうなんだけど。(笑) やはり挨拶は大事やね。
今回、この仕事をさせて戴いて、ハリウッド映画の「モ・ベター・ブルース」や「バード」というジャズ映画を思い出した。特に「モ・ベター・ブルース」でトランペッターの役で主演したデンゼル・ワシントンには、演技指導をしたテレンス・ブランチャードが彼のその努力に舌を巻いたと言う。運指はもちろんの事、ブレスやハイノートを吹く時の姿勢や態勢まで本当にリアルだ。実際に演奏する我々だって、自分の演奏に当て振りするのは難しいと思う。アドリブだしね。でも、それを努力でやってのける、役者魂に僕は驚愕する。だって、その楽器が好きでもなんでもなくても、役のためにのめり込めるんだから!
中学校の吹奏楽部で花形サックス奏者の女の子の前に、突如、天才サックス奏者の転校生が現れ・・って言うストーリー。若手監督による意欲作という。
前日(この日、僕は新宿でライブだった)に、岩佐氏より仕事内容や、撮影で当て振りをするクラシック曲の譜面やモノホンのクラシック奏者の演奏動画をメールで頂き、それを見て勉強。「演奏する演技」をする女優さんの指の動き諸々をチェックしなけりゃいけないという事は、譜面が僕の頭の中に入っていなけりゃいけないと言う事だ。って事は、暗譜しなけりゃいけないわけで、夜中に仕事から帰って来て慌てて暗譜。まぁ、15小節くらいなので、頑張って暗譜した。意外と良い曲で楽しかったりして。(笑)
撮影当日、現場である埼玉県の中学校に午前中に到着。担当の方に連絡して迎えに来て頂く。いきなり、炊き出し現場に通され、カレーライスをご馳走になる。所謂、ロケ弁現場に遭遇だ。化学実験室だったけどね。(笑) 面白いのは、音声さんは音声さん、カメラさんはカメラさん、メイクさんはメイクさんで部署ごとに固まって和気藹々と食事している事。ま、自然の成り行きだよな。来てみて分かったけど、結構、スタッフが多く、かなり大きなプロジェクトの様だ。前日、岩佐氏が演技指導に行った時は某有名女優(某金融会社のCMでブレイクした方)が先生役で居たらしく、バレンタイン・デイのチョコを貰ったとか。羨ましい!
廊下にはカメラが走るレールが敷かれたりしている。まさに撮影現場だ。控え室では主演の女の子達が楽しそうにお喋りしている。アルト・サックスが机の上に置かれている。昼休み後の本番が近づき、そのアルトを手にした子を僕が教えるわけだ。おぉ~!さすがに主演女優さん。中学生ながらかなりの美貌!・・と、まぁ、僕は彼女の顔を見てる場合ではない。指を見なけりゃ。(苦笑)
限られた時間内で様々な演技指導をさせて頂いたのだけど、彼女は全くの未経験者で、2週間ほど前に岩佐氏のレッスンを受けたばかりだと言う。にもかかわらず、今日までに運指を覚え、メロディーも覚え、咥え方もそこそこ形にはなっている。僕が教えた事に対しても、なるべく吸収しようとしている所に、この若さでプロ根性を見せて頂き、感心しきりだった。
仕事自体は、撮影自体に特にトラブルも無く、あっという間に数テイクで終了。OKテイクをキープして、更に良いテイクを撮ってみたり、微妙な違いを何度もモニターチェックして良し悪しを判断する所など、我々が通常やるレコーディングと凄く似通っていて興味深かった。カットがかかり、僕の仕事も終わり帰宅の途に就こうとすると、先程の主演の女の子が挨拶にやって来た。他の子達も(子役の男の子も)やたらと礼儀正しい。子供の頃から仕事してると、ちゃんと教育されてるんだなぁ。ダメ人間の僕も何だか清々しい気持ちになる。(笑) あのエリカ様も実は礼儀正しかったりしてね。ちなみに、僕の大学の大先輩であるキダ・タローさんは、楽屋でお会いしたらメチャクチャ礼儀正しかった。番組では偉そうなんだけど。(笑) やはり挨拶は大事やね。
今回、この仕事をさせて戴いて、ハリウッド映画の「モ・ベター・ブルース」や「バード」というジャズ映画を思い出した。特に「モ・ベター・ブルース」でトランペッターの役で主演したデンゼル・ワシントンには、演技指導をしたテレンス・ブランチャードが彼のその努力に舌を巻いたと言う。運指はもちろんの事、ブレスやハイノートを吹く時の姿勢や態勢まで本当にリアルだ。実際に演奏する我々だって、自分の演奏に当て振りするのは難しいと思う。アドリブだしね。でも、それを努力でやってのける、役者魂に僕は驚愕する。だって、その楽器が好きでもなんでもなくても、役のためにのめり込めるんだから!
ひとつの作品を作るのに、どれだけの人が関わり、支えているのか…大変な事ですね。。。
作品の中ではパーツに過ぎないのですが、最後に流れるテロップの中にスタッフとして名前がなるのは嬉しい事ですね。