2010年5月21日、シリア日本人会の旅行に参加。バス2台で、ダマスカスの北東56kmにあるマアルーラに向かいました。マアルーラは標高1650mの山の崖に築かれており、人口は2,000人ほど(2005年)です。町の名はアラム語のマアラ「入口」に由来します。
山頂でバスを降り、ギリシア・カトリックの聖サルキス(聖セルジウス)修道院を見学しました。ここにはイコンが飾られていました。近くの展望台からは、谷間に沿って延びているマアルーラの町並みが見え、谷間に緑が広がっている様子もわかります。(写真-1)。
写真1
洞窟(墓穴)をいくつか見学した後、坂道から山の割れ目に入り、町の方に下りていきました。岩間を抜けると、マリア像や崖上に作られた建物が現れました。青壁が目につきます。
岩間に続くギリシア正教の「聖テクラ修道院」脇の洞窟には、パウロの弟子であった聖テクラの遺骨が安置されています。私たちが訪ねた時はミサの最中でした。
写真2
修道院に続いて、アラム語の普及に努めている「研修センター」を訪ねました。マアルーラと近隣の二つの村では、イエスが布教活動に用いたアラム語が受け継がれ、現在も使われています。しかし、都市部への移住による人口減や学校教育(アラビア語)の普及とともに、その数は減少しているそうです。
坂道を下り、レストランに向かう途中、教会の鐘の音とともに、モスクからアザーンが聞こえてきました。シリアでよく見かける「イスラム教とキリスト教が当たり前のように共存している」光景です。
レストランは、外国人や地元の観光客で混雑し、トイレには長い列ができていました。昼食後、シリア砂漠を通り、マルムーサに向かいました。
マアルーラから約30km北東にAnnabkの町があり、その東側の山の斜面には500段を超える階段があります。入り口には、「Deir Marmusal Al-Habashi」と記されています。エチオピアの王子が建てたといわれる「マルムーラ修道院」です(写真3)。
写真3
何度か休みながら階段を上り切ると、マルムーサの教会に着きました。広場から見渡すと、何処までも続く砂漠や、入り口から蛇行しながら続いている一本道を崖の上まで上っている様子を一望できます。
一休みした後、狭い入り口から教会の中に入り、パウロ師の講話を聞きました。壁には、イタリア政府の援助で修復が進められたフレスコ画があります。
ここの修道院は6世紀頃、教会は11世紀頃建てられ、一時栄えていましたが、1830年代には廃墟と化しました。20年ほど前、イタリア人イエズス会士が修復を開始、修道院として復活しました。
その後、修道院はモンクたちのグループにより運営され、洗濯や配膳などの作業をすることで、誰でも、無料で滞在することができるそうです。修道院への荷物は、入り口と結ばれたロープウェイで運ばれます。
ここで、夜空の星を眺めたり、自然散策をしたり、読書や瞑想にふけったりしながら、数日間を過ごしてみたいと思いました。
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