「ガジュマル(榕樹)」は、クワ科の常緑高木です。沖縄ではいたるところで見られ、潮風に強いので、「防風用生け垣」や「庭園樹」「街路樹」などとして用いられてきました。光沢のある葉は濃い緑色をしており、花は、枝の先にある径8mmほどの実の中に収まっています。果実が熟すると赤褐色になり、野鳥が好んで食べ、糞とともに種が運ばれます。
幹から多数のひげ状の「気根」を出し、そのまま下に伸びたり、自らの幹や他の植物の幹に絡みついたりしながら地上に達し、根の成長を続けます。気根が絡みついて、元の木々を殺しながら成長していく、「絞め殺し」もよく見かけます。岩肌に抱きついて成長したり、岩石を抱き込んだまま巨木になったりしている場合もあります。
「気根」を出し、
下に伸び、
地表に達し、新たな根となる
岩を抱き込みながら成長する
5℃くらいの低温に耐え、日陰でもよく育ち、挿木で殖やすことができ、「健康」「幸福」などの「花言葉」があります。最近は、「観葉植物」として人気があり、小鉢などに植えられたものが、園芸店等に並んでいるのをよく見かけます。
「沖縄そば」の製麺には、小麦粉と塩水、鹹水が使われますが、古くから、ガジュマルなどの樹木灰を水に入れた上澄みが、鹹水として用いられてきました。灰汁は「琉球染め」にも利用される身近なアルカリとして一般に用いられてきました。
ガジュマルは、幹から気根を伸ばして「独特な樹形」を作り、数mの大木になり、木陰はひんやりとして、「厳かな雰囲気」を漂わせます。沖縄では、古くから、ガジュマルの大木には、「キジムナー」という妖精が棲みつくと言い伝えられています。多くの幸福をもたらす「多幸の樹」であるとも言われます。
堂々とした風格を漂わせているガジュマルを見ると、「沖縄の大地にしっかり根を張って」生きている、「たくましい生命力」を感じ、心が安らぎます。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます