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2010-07-03 11:55:05 | 活弁見聞録

ズレ:「ここのところすっかり芸術路線づいてた北野監督久々の原点回帰的バイオレンスムービーでカンヌの評価は今ひとつてな前情報を仕込んでから見てみるとなかなかどうして、さすがビートたけし師匠とスタンディングオベーションしたくなるくらいのお見事なノワールコメディじゃねぇか。
 バイオレンスシーンは欧米ものに比べればさして障りとなるほどのものでなく、むしろ鶴田浩二・高倉健先生から菅原文太・小林旭先生にいたる邦画の任侠~実録路線の素養や出演者ご一同の他作でのプロフィールに関する知識がないとこの作品の行間に溢れる娯楽要素がうまく伝わらないってあたりにカンヌ不評の原因がありそうだぜ。
 極道のフィルターを取っ払って見れば企業の思惑が交錯する経済ドラマとしても通用する秀逸な構成で、元請けの横暴に左右される下請けの悲哀やらそこにつけこむ行政のたかり体質やら会社の歯車として摩耗する社員の様子やらが象徴的に描き出されて、叶うことなら銃弾一発でカタをつけてみたいものよと溜飲を下げた御仁もいらっしゃるかもなぁ」

 

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