つれ:「予告編の印象と主役のキャスティングからブロスナン・ボンドの頃の007的な軽妙なノリかと思いきや、くすぐりどころが少ないスパイものの王道的展開に改めて原題のノーベンバーマンをググってみるとどうやら原作はシリアスなスパイものっぽいから軽さ控えめの仕上がりになったのかねぇ。
イギリス情報部員とIRAてぇ原作まんまの組み合わせじゃどうにも007のパクリっぽいと思ったのか今更IRAでもなかろうとロシア絡みのCIAエージェントに翻案したのかは定かならねど、イスラム原理主義系テロの原点とも言うべきチェチェン紛争を背景にしてるだけにその辺の換骨奪胎も作風に影響してるんじゃないかぃ。
痛快娯楽アクションと見ればいささかダークな設定が引っ掛かるしハードボイルドサスペンスと見ればあちこち尺合わせ的な展開が気になるしで、悪の組織と大立ち回りを演じてたジェイムスボンドの頃と比べて近年の国際紛争の複雑化はスパイ映画も作りにくくしてるのかもしれないねぇ」