つれズレ愚抄

つれ：「さすがにアカデミー主演女優賞、この作品に描かれたジュディ・ガーランド晩年と実年齢も近くミュージカル映画シカゴでも大いに存在感を示しただけに作中の歌唱はすべて自前てぇレニー・ゼルヴィガー丈の演技には圧倒されるばかりだねぇ。
　不遇のうちに若くして世を去った落魄の最晩年と幼くして一躍スターダムにのし上がった少女時代を対比しつつ進行するストーリーからはスタァ稼業の悲哀と子役の過酷な境遇がヒシヒシと伝わって、往時よりは改善されてるとしても芸能界を目指す厳しさにたじろぐようじゃないかぃ。
　一方で作品には登場しないものの名前は出てくる同時期の超一流子役シャーリー・テンプル嬢の大使まで歴任して天寿を全うした栄華にも思いを馳せつつ、虹の向こうに…と名曲を切々と歌い上げられちゃ人の運命の織り成す綾に号泣を抑えるのが容易じゃなかったよ」