つれズレ愚抄

つれ：「犯人引渡条例はポシャッたのに、香港のデモはなお激化してるんだねぇ」

ズレ：「中国返還後の積もり積もった鬱憤がここぞとばかりに炸裂してるんじゃねぇか」

つれ：「中国全土の中じゃ恵まれてる方の地域だろうに、それでも英国統治時代の栄耀栄華には及ばないのかねぇ」

ズレ：「そういう不満を煽って一国二制度の転覆すべく、中国政府が裏で工作してる目もありそうだぜ」

つれ：「満を持した人民軍の戦車部隊が突入してくるんじゃ、天安門の二の舞になっちまうよ」

ズレ：「一般市民とすりゃその可能性も踏まえて、迂闊に煽動に乗っからないよう自制するに如くはあるめぇよ」

つれ：「それを他山の石として、日本の一般国民も迂闊に日韓対立の尻馬に乗っからないよう自制するのが無難かもねぇ・・」

つれ：「ここんとこ頻繁に打ち上がってる三代目の短距離花火は、なにもトランプさん公認って訳じゃないだろうにねぇ」

ズレ：「アメリカに届かなけりゃ眼中にないのを逆手に取ってトランプさんが認めてると言い張る臆面無さは、外交下手返上に向けて日本も見習った方が良さそうだぜ」

つれ：「射程に入る日本とすりゃ、対韓強硬姿勢の流れもあってかいかなる飛翔体も罷りならんと強気に出てるみたいだよ」

ズレ：「そこをあんまりイキると自衛権の否定になって日本の首が絞まっちまうんじゃねぇか」

つれ：「他国の実弾演習を非難するなら、他国の脅威となる自衛隊の訓練も自粛しろなんて言い出す衆が出てくるってのかぃ」

ズレ：「そんな話が出る前に、本邦もトランプ容認の御相伴に与ってこの機会にミサイル発射練習を繰り返したらどうでぇ」

つれ：「米国謹製品を消費してまた買い足すなら、トランプさんは容認どころか大歓迎だろうけどさ・・」

つれ：「ポツンと一軒家ブームに乗っかってか、総務省さんの懇談会は過疎てぇ単語の言い換えを検討するんだってさ」

ズレ：「今どき言霊信仰じゃあるまいし、言葉を変えたところで過疎が解消される訳じゃないだろうによ」

つれ：「或いは過疎って言葉を無くすことで過疎の現状も見えないようにしたいのかねぇ」

ズレ：「マイナスイメージを払拭するてな言い分は、都合の悪い事実を隠蔽するの言い換えなんじゃねぇか」

つれ：「あたかも前向きなムードを醸しつつ、而してその実態はもう過疎地は切り捨てるてぇ宣言を目論んでるのかぃ」

ズレ：「田舎暮らしが注目されてきた時期にそんな話が出てくるのは、おカミとしちゃ一軒家や限界集落の面倒は見切れないてぇ意思表示かと勘繰りたくもならぁな」

つれ：「差別用語を禁制にしても差別自体はなくならないみたいなもんで、過疎って言葉を封印するほど過疎に拍車が掛かりそうだねぇ・・」

つれ：「原爆慰霊式典となると、やっぱり核兵器禁止条約の話が出てくるねぇ」

ズレ：「唯一の被爆国なら当然に批准すべしてなぁ、感情的には大いに説得力があるからなぁ」

つれ：「とはいえ現実的にはアメリカさんの核の傘に入りながら核兵器禁止とは言い難いとこだよねぇ」

ズレ：「近時の国際情勢を鑑みれば、むしろ唯一の被爆国だからこそ核武装の権利があると主張する方が平和祈念に資するかもしれねぇぜ」

つれ：「日本の核武装容認発言や三代目への及び腰からするとそういう気にもなるものの、イランさんに対する矢鱈な強面を見るにそんなことを言い出した途端にトランプさんの強硬な掌返しがあるんじゃないかぃ」

ズレ：「何より国内的にこそ改憲以上に核解禁の方が難しいだろうけど、少なくともトランプさんとの取引に臨むにはそれくらいのあざといカードは持っててもいいんじゃねぇか」

つれ：「核のある北と違って、核がない半島の南は呵責ない防衛費負担の取り立てを喰ってるみたいだしねぇ・・」

つれ：「進次郎先生とクリステル嬢の御成婚には、先の美女と野獣ペアに勝るとも劣らない衝撃が走ったんじゃないかぃ」

ズレ：「いきなりの記者会見が総理官邸ってなぁ恐れ入るばかりでぃ」

つれ：「女性層の集票マシーンとも目されてただけに、進次郎ロスが起きそうだよねぇ」

ズレ：「どっこい知名度抜群のオモテナシ奥様を擁したからには、ご本人の選挙は後顧の憂いなくますますテッパンだぜ」

つれ：「ほぼ約束されてる総理の座も、国際派のファーストレディを戴いていよいよ盤石だろうねぇ」 

ズレ：「大統領制だったら間違いなく日本のクリントン夫妻と呼ばれるとこだわな」

つれ：「或いは御祝儀として憲法改正論議に急遽大統領制が浮上するかもよ・・」

つれ：「解説にいらした樋口選手以来悲願の日本選手メジャー制覇の瞬間には、深夜も構わず快哉を叫んだご同輩が多いだろうねぇ」

ズレ：「戸張節の名調子どおり、３番ホールの４パットに嘆息して眠りに就いた方を除けば古手のゴルフファンには堪えられない冥途の土産になったんじゃねぇか」

つれ：「試合展開は緊迫してたし弱冠二十歳にして渋野選手の思い切りいい勝ちぶりは鮮やかだったし、寝苦しい真夏の夜の夢としちゃこれ以上ない見応えだったもんねぇ」

ズレ：「ルーキー故の無欲の勝利とか４パットでむしろ振っ切れたとか勝因はいろいろと分析されるだろうけど、アウェイの観衆まで味方に付けた笑顔の立ち居振る舞いが圧巻だったわな」

つれ：「カタカナを読み上げたような優勝スピーチで感動を呼ぶあたりも、ゴルフに限らず日本人が海外で活躍するためのノウハウを示していただいたような感じじゃないかぃ」

ズレ：「まだ日本じゃゴルフ草創期だった４２年前からバブルで国内ゴルフシーンが爛熟しても縁がなかったメジャーに、トーナメントやゴルフコースが淘汰される今の時代になってようやくまた手が届いたってのも何やら暗示的だぜ」

つれ：「バブル崩壊以降低迷してる日本の政治経済シーンにも、そろそろメジャーの夢が見られる人物に登場して貰いたいねぇ・・」

つれ：「梅雨明け十日は本来暑さのピークとはいえ、お江戸界隈は度し難い暑さになってるねぇ」

ズレ：「７月はほとんど陽射しがなくて体が馴染んでないとこにこの激射日光はキツ過ぎるぜ」

つれ：「大層凌ぎ易かった梅雨寒と均せば平年並みになるのかしれないけど、なんだか先延ばしにしてた借金を一気に追い込み掛けられて首が回らない気分だょ」

ズレ：「数字的には帳尻が合っても、季節は季節なりでないと夏野菜の不作とかの高利も付いてくるしよ」

つれ：「それにつけてもこんな暑さの中でオリンピックてなぁ、つくづく尋常の沙汰じゃないよねぇ」

ズレ：「猛暑対策にも不測の借財が嵩むようだと、マジで首が回らなくなるかもなぁ」

つれ：「五輪のうえに火の車も加わっての東京七輪ともなりゃ熱いのは当然かぃ・・」

つれ：「夏場になると非戦の誓いを新たにすべく何かしら太平洋戦争絡みの作品が封切られるのが定番になってるなか今年のお題となった大和建艦ストーリーは進行中の漫画が原作だそうで、不沈戦艦と謳われつつ轟沈を宿命づけられてたてぇ設定には目から鱗が落ちるようだょ。

　三大バカ査定の筆頭に挙げられるほどの戦艦大和が戦後長きに亘って反戦啓発の材料になるてなぁいわば人は死して名を残すのバリエーションみたいなもんだから、その効果まで鑑みれば兵器としては無用の長物だった大和に大枚を投じた甲斐はあったのかもねぇ。 　

  時あたかも新国立競技場の威容が姿を現すに及ぶと五輪施設の濫造が往時の大艦巨砲主義と重なる趣もあるだけに、ネーミングライツ売却やらで早くもお荷物化が懸念されてる五輪艦隊が負のレガシーとならないことを祈るばかりじゃないかぃ」

つれ：「双方ホワイト外し合戦で、日韓貿易対立はいよいよ全面抗争の趣だねぇ」

ズレ：「実弾こそ飛び交わないものの、事態はもはや戦争状態ニ入レリと銘すべきだわな」

つれ：「日本政府とすりゃそこまでのヨミも覚悟もなく始めたんじゃないのかぃ」

ズレ：「緒戦でガツンとカマせば何とかなるなるてな僥倖頼みはパールハーバーの二の舞で、韓国さん奮迅の抗戦がミッドウェイのようでオタオタしてるんじゃねぇか」

つれ：「大東亜戦争には大義があろうとも、負けりゃ太平洋戦争として日本が賊軍になっちまうみたいなもんかねぇ」

ズレ：「日本から仕掛けての負け戦となれば、アヘン戦争に敗れた末期清朝のように列強から食い物にされそうだぜ」

つれ：「安倍一強の内弁慶でなまじ勇ましさに目覚めずに、眠れる獅子を決め込んどいた方が良かったかもねぇ・・」

つれ：「梅雨寒から一転してお約束のように災害級の猛暑が続くけど、予定どおり時限解消の話が出てた復興庁はそのまま存続ってことになるそうだよ」

ズレ：「未だ東日本大震災の復興を遂げたとは言い難い状況じゃ当然の結論だろうよ」

つれ：「そもそも時限設置にしたのは、その間にはケリがつくとでも思ってたのかねぇ」

ズレ：「五輪招致の際のハシャギようからすると、本気でその前には片付くと考えてたっぽいやな」

つれ：「五輪までにはどうにもならないのは明らかなんで、あんまり声高に復興五輪とは言わないようになったのかぃ」

ズレ：「復興どころか今は施設の整備や運営の段取りを間に合わせるのが精一杯なんじゃねぇか」

つれ：「開催自体が災難なアップアップ五輪にならないことを祈るばかりだねぇ・・」