つれズレ愚抄

つれ：「３０年ぶりの決選投票で政権交代することなく、ひとまず石破首相の続投が決まったねぇ」

ズレ：「まさしく薄氷の勝利だから、足下を探りつつおっかなびっくりの政権運営になりそうだわな」

つれ：「野党協調はならずとも、各党はそこに付け込んで主張を通す好機到来だねぇ」

ズレ：「どっこい薄氷なのは野党も同様で、ここぞとばかりに人気取り政策を押し通してたら政権奪取は遠くなるばかりだぜ」

つれ：「旧民主党政権の失政に懲りてる国民とすりゃ、喉元過ぎても熱さ忘れず甘言を弄されるほど眉に唾つけちまうってのかぃ」

ズレ：「与党批判はほどほどに国民の将来に資する施策と見れば石破さんを盛り立てるくらい、政策実行能力を示すのが政権への近道にもなるってもんよ」

つれ：「敵に塩ならぬ票を送るほどの度量を見せれば、自ずと声望は高まるかもねぇ・・」

つれ：「富士山がようやく初冠雪すると同時に木枯らし１号が吹いて、霜月ともなればさすがに寒くなってくるねぇ」

ズレ：「とはいえ沖縄方面は季節外れの大雨に見舞われてるし、まだバカ陽気は続くのかもしれねぇぜ」

つれ：「台風の雨には慣れっこでも、この時期の豪雨には往生なさってるだろうねぇ」

ズレ：「世界のニュースを見るに、アジアからヨーロッパ各地でかつてない大水害に難儀されてるみたいだわな」

つれ：「そんな状況で大統領に返り咲いても、トランプさんは気候変動をフェイクと言い張るのかねぇ」

ズレ：「あらゆる自然災害がアメリカだけに集中でもしない限り、変節するこたぁないんじゃねぇか」

つれ：「そうなってもなお、移民が災害を持ち込んだとか怪気炎を上げるんじゃないかぃ・・」

つれ：「長引くてぇ予想に反して１日でケリがついた関ヶ原同様、米大統領選はスンナリともしトラが本当になったねぇ」

ズレ：「バイデンさんの突如降板でウォーミングアップもなしにマウンドに立ったハリスさんじゃ、４年前から打ち気満々のトランプさんを封じられなかったのはやむを得めぇよ」

つれ：「トランプさんを批判してきたハリスさんだけに、トランプさんみたいに選挙結果をゴネることなく率直に兜を脱いだしねぇ」

ズレ：「とにかくトランプさんに決したからには、他の問題はさておき大風呂敷どおりウクライナやガザの出入りを手打ちにして貰いたいもんでぃ」

つれ：「そっちこそスンナリとはいかなそうだから、どこぞの新首相と同じく就任した途端の掌返しもあるんじゃないかぃ」

ズレ：「そうなりゃ同病相憐れむってもんで、シゲルドナルドは存外にウマが合ってシンゾードナルドの再来になるかもしれねぇぜ」

つれ：「ゴルフ部だった石破さんも安倍さんのヨイショットにあやかるべく、トランプさんとのラウンドに向けて特打に精を出してるかねぇ・・」

ズレ：「アメリカ社会の分断が指摘されてる昨今だけにトランプさんみたいな大統領が出現して内戦に至る経緯から描かれるのかと思いきや設定はいきなり内線末期から始まって、さしずめサイゴン陥落やチャウシェスク政権壊滅に立ち会うような戦場ジャーナリストのロードムービーっぽいストーリーになってるぜ。

　今の戦場取材手法がどんな様子になってるかは定かならねどこの映画での扱い方は第二次世界大戦からベトナム戦争の頃を彷彿とさせる趣で、若手フォトグラファーが過酷な状況の中で次第に成長して逞しく活動する描写は年配の日本人なら漏れなくサムライフォトグラファー沢田カメラマンの生涯を思い起こすんじゃねぇか。

　シビルウォーの意味するところは戦争による市民生活への悲惨な影響ってことらしく刺激的なシーンが続くものの、ウクライナ戦争やガザ紛争が続いてる現実の前ではなおフィクションとしてヌルめに表現されてると感じるくらいで作品の内容とは別につい暗澹たる気分になっちまうわな」

つれ：「道交法改正で、自転車の酒気帯びやスマホ使用が厳罰化されたんだってさ」

ズレ：「乗って走れば車両なんだから、自動車並みになるのは自然な成り行きだわな」

つれ：「バランスを取らなきゃ転んじまう自転車の方が危ないくらいだよねぇ」

ズレ：「運動エネルギーはスピードを二乗した半分なのに、押して歩けば歩行者ってのが危険性の意識を鈍らせてるんだろうよ」

つれ：「歩行者優先感覚かどうか、速度はそのままに左右も確かめず道路を突っ切る自転車はまま目にするしねぇ」

ズレ：「モペットなんて曖昧なもんも出回ってきたとなると、交通安全を図るには自転車の免許制も検討するようじゃねぇか」

つれ：「歩きスマホでも危ないシーンがあるとなりゃ、スマホの持ち歩きも免許制にして歩行安全を図ったらどうだぃ・・」

つれ：「タレント的にも御活躍だったから、楳図かずお先生の訃報に愁傷を覚えた方は多いだろうねぇ」

ズレ：「漫画の内容も御本人のキャラクターも大層印象深い巨匠だったからなぁ」

つれ：「作品人柄共に際立ってるって点じゃ、サルバドール・ダリ画伯にも匹敵するんじゃないかぃ」

ズレ：「彼方鮮明な抽象画なら此方克明な恐怖漫画で、どちらも一目見たら忘れられねぇやな」

つれ：「人物描写自体にはむしろ愛嬌のある先生独特の画風を見るに、何でも無いシーンからも恐怖感が湧いてくるよねぇ」

ズレ：「シュールなギャグに徹したまことちゃんも、突然漂流教室に変わりそうな気がして身構えちまったぜ」

つれ：「漫画文化の奥行きを広げた立役者として、楳図先生にも文化勲章を差し上げたかったねぇ・・」

つれ：「ワールドシリーズがドジャースの圧勝なら日本シリーズはベイスターズが２連敗からの４連勝で２６年ぶりの日本一と、今年のプロ野球は最終盤で大いに沸かせたねぇ」

ズレ：「大洋ホエールズ以来の生え抜きで前回の日本一は選手だったハマの番長が監督になって球団の窮状を救ったオーナーにビールを浴びせるなんざ、いかにも日本人好みの泣かせるドラマだわな」

つれ：「シーズン３位から頂点に立つのは１４年ぶり２球団目だそうで、劇的な下剋上はクライマックスシリーズならではの醍醐味だよねぇ」

ズレ：「とはいえシーズン優勝の影が薄くなるのは諸刃の剣だろうけどよ」

つれ：「以前パリーグが採用してた２シーズン制よりは、順位戦の方が緊迫感があって興行的にも旨味がありそうだよ」

ズレ：「短期決戦が盛り上がるのには、タイパ志向の今となっては年単位のシーズンが長過ぎるって面もあるんじゃねぇか」

つれ：「だからって春と夏のトーナメントだけで大観衆を集める高校野球のような訳にはいくまいに・・」

つれ：「国連の女性差別撤廃委員会さんが皇位継承にまで言及したのには、与野党同舟で反発してるねぇ」

ズレ：「２千年来の伝統に国連がとやかく言うのは内政干渉だてなぁ、至極ごもっともな日本人共通のスタンスなんじゃねぇか」

つれ：「既に三度勧告してる選択的夫婦別姓導入が進まないのに業を煮やした国連さんの勇み足かねぇ」

ズレ：「言われた方とすりゃ、西欧の価値観を唯一の善として押し付ける上から目線に聞こえるわな」

つれ：「あちらからは未だにサムライ・ゲイシャ・フジヤマだけの後進国に見えてるってのかぃ」

ズレ：「よもや国連さんにしてそんな時代錯誤はあるまいけれど、こういうことがあると或いはUNRWAさんにもそんな勇み足があったのかと勘繰っちまうぜ」

つれ：「イスラエルさんなら申し入れにとどまらず、不満には実力行使を以て抗うお国柄だからねぇ・・」

つれ：「漫画家からはちばてつや先生が初の文化勲章てなぁ、クールジャパンの看板にして遅きに失した意外な感じじゃないかぃ」

ズレ：「いみじくも先生自ら仰るように、漫画を文化として発展させてきた先達の積み重ねが今ようやく顕彰されたってことだろうよ」

つれ：「かつて漫画が軽んじられてたなんて信じられないくらい、お気に入りの作品をバイブルとしてる方は多いだろうにねぇ」

ズレ：「斯く申す当方だって今は亡き手塚治虫先生の作品群は四書五経も同然で、今でも鉄腕アトムのストーリーは鮮やかに思い出せるぜ」

つれ：「文章と画が相俟って、内容がより深く印象に刻まれるからねぇ」

ズレ：「活字離れは言われて久しいけれど、動画からメタバースまで進展しても漫画離れって話は聞こえてこねぇやな」

つれ：「ボブ・ディランさんも文学賞の対象となったからには、漫画家さんがノーベル賞に輝く日も遠くないかもねぇ・・」

つれ：「今年のハロウィンはほとんどニュースにならないほど平穏だったらしいよ」

ズレ：「先んずれば人を制すで、巷がハロウィン気分になる前から路上飲酒禁止条例で厳戒シフトを布いたのが奏功したようだわな」

つれ：「渋谷新宿がダメなら他の所で盛り上がりそうなもんだけどさ」

ズレ：「高校野球は甲子園ってくらいに、ハロウィンで騒ぐなら渋谷でないとてぇ聖地になってたんじゃねぇか」

つれ：「人出がさらに人を呼ぶスケールメリットの逆コースで、今年は繰り出す衆が少なそうとなれば仮装で出掛ける気恥ずかしさが出て一気に冷え込んだってのかぃ」

ズレ：「古来お祭り騒ぎが群衆の不満を発散させてたてぇ効果を思うと、封じ込まれたストレスがどこに向かうかはちと心配だぜ」

つれ：「トクリュウ強盗がハロウィンの仮装で押し込んでくるなんてなぁ金輪際願い下げだょ・・」