8月6日夜に行われた東京五輪・陸上男子400メートルリレー決勝で、日本代表チームはバトンミスで途中棄権となり、彦根市出身の桐生祥秀選手(日本生命)は、第3走者としての雄姿を見せることなく、大舞台を終えた。
「攻めた結果。誰も悪くない」と仲間をかばう桐生選手に、家族や同級生らからは人柄をたたえ、次の目標に期待する声があがった。
桐生選手は2016年のリオデジャネイロ五輪400mリレーに第3走者として出場し、銀メダルに貢献。今大会は個人で100メートル代表を逃し、リレー1本の出場となった。
まさかの結末から一夜明けた7日午前、父の康夫さんは「コロナ禍で現地に行けないつらさがある中、私自身、実際に走りはしないが、参戦している気持ちだった」と、テレビ中継を自宅で見守った心境を振り返った。
一歩も走らなかった桐生が、うなだれる多田修平選手、山県亮太選手に駆け寄って肩をたたき、周囲への感謝を述べる姿に「昔から愚痴は言わない、人を責めない、批判しない息子だった。チームの士気を上げる言動を常に考えてきたと思う。人としての成長を感じ、うれしかった」と親心をのぞかせた。
また、リレーのみ出場となった桐生は「攻めてこうなった結果」と冷静に振り返りつつ「実際、世界でリレーでも個人でも離されているというのは結果的にも記録的にも出ている。それを深く受け止めたい」と敗因を分析し、「世界に離されている」と課題を口にした桐生選手に、康夫さんは「新たな目標に向かって、早く気持ちを切り替えて欲しい」と願い、「選手たちをSNSなどで非難することだけは止めて」と訴えた。
桐生選手の母校、彦根市立南中学では、保護者らにメールで本番の応援を呼びかけ、校内の壁には陸上部員がちぎり絵で作った「Trust Yourself(自分を信じて)!」のメッセージも貼り出していた。
小磯浩司教頭は6日夜、「これまでの頑張りはみんな知っている。元気な顔で彦根に戻って、次の高みを目指す姿を後輩に見せて欲しい」とねぎらった。
彦根市立南中学時代、桐生選手とともに陸上部でリレーを走った同級生の会社員北村岳史さんも6日夜にテレビ観戦。「桐生にバトンが渡ってさえいれば……」と声を絞り出した。
「僕が予選でもっといい走りをしていたら、多田、山県さんに心の余裕があったはず」と大粒の涙を流す姿に「中学時代も、第1走者で緊張していた僕に『心配せんでも俺が抜かしたる』といつも声をかけてくれ、本当に抜いてくれた。男から見てもかっこいい。そういうやつです」。
桐生選手の母校、彦根市立南中学では、保護者らにメールで本番の応援を呼びかけ、校内の壁には陸上部員がちぎり絵で作った「Trust Yourself(自分を信じて)!」のメッセージも貼り出していた。
小磯浩司教頭は6日夜、「これまでの頑張りはみんな知っている。元気な顔で彦根に戻って、次の高みを目指す姿を後輩に見せて欲しい」とねぎらった。
彦根市立南中学時代、桐生選手とともに陸上部でリレーを走った同級生の会社員北村岳史さんも6日夜にテレビ観戦。「桐生にバトンが渡ってさえいれば……」と声を絞り出した。
「僕が予選でもっといい走りをしていたら、多田、山県さんに心の余裕があったはず」と大粒の涙を流す姿に「中学時代も、第1走者で緊張していた僕に『心配せんでも俺が抜かしたる』といつも声をかけてくれ、本当に抜いてくれた。男から見てもかっこいい。そういうやつです」。
桐生選手には、敢えて暫く連絡しないという。「地元に戻ってきたら、いつも通り仲間で会いたい。少し休憩して、3年後を目指して欲しい」と。。。
<読売新聞より>
<読売新聞より>