伊吹山のイヌワシの子育てを多くの人に見守ってもらおうと、米原市は3月28日から米原市役所3階の市民交流エリアで、子育てのようすを撮影した動画のライブ配信を開始した。
↑写真:滋賀夕刊新聞より
<滋賀夕刊新聞より>
カメラマンのマナー違反などで生育環境が脅かされていることから、野生動物の調査研究会社の「イーグレット・オフィス」(米原市下板並)が設置したリモートカメラの映像をリアルタイムで公開することで、イヌワシの保護につなげたい考え。
イーグレット・オフィスによると、滋賀県内の山岳地帯でのイヌワシのつがいは伊吹山の1ペアを含む4ペアしかいない。伊吹山ではふ化して巣立ったイヌワシは同社が調査している37年間で7羽しかいないという。現在、伊吹山のペアが卵2個を交代で温めている。
イヌワシが減少している背景には開発による自然環境の悪化のほか、伊吹山では一部のカメラマンが巣に近づきすぎて親鳥が巣に戻れなかったり、シカの死がいで餌付けするなどの違法行為やマナー違反があるという。
このため同社は巣の周辺の監視と多くの人が見ているという「見守り効果」を期待し、リモートカメラを設置。米原市も同社の趣旨に賛同し「イヌワシ子育て応援プロジェクト」と題して、米原市役所の市民交流エリアと伊吹山文化資料館でライブ映像の配信を開始。
4月1日から米原市の公式ウェブサイトからも映像を見られる。(https://www.city.maibara.lg.jp/ibuki_camera/19277.html)
ふ化して巣立つ7月初め頃まで配信するが、米原市はこのプロジェクトを来年以降も継続させるため、クラウドファンディングを行う予定。またカメラマンが生息場所に立ち入らないための啓発看板の設置などを行う。
同社CEOの須藤一成さんは「普段はあまり見ることができないイヌワシとその子育てを見て、イヌワシが暮らしやすい自然環境に関心を持ってもらい、その保護につながればいい」と話している。
イーグレット・オフィス
米原市下板並348−1