彦根市の近江鉄道鳥居本(とりいもと)駅が開業90周年を迎えたことを記念し、彦根市民や近江鉄道社員らが10月30日、「駅舎クリーン作戦」と銘打って駅周辺を清掃した。
彦根市民有志でつくる「鳥居本お宝発見隊」が企画し、近江鉄道と共催した。地元の人や社員ら3歳〜80代の55人が集まった。
鳥居本駅は1931年(昭和6年)3月に開業。腰折れ屋根が特徴的な駅舎は、2013年に国の登録有形文化財に指定された。大勢の乗客と貨物を運んで栄えていたかつてに比べると、現在は朝夕の通学通勤時間帯以外の利用者が大きく減少したという。
それでも地元の人にとって大切な存在であることに変わりはない。発見隊の高橋邦男副代表(71)は「高校3年間乗っていた思い出がある。近江鉄道はわれわれの足。守っていかんといけない」と話す。
近江鉄道によると、普段は無人駅で駅員が定期的に見回るくらいなため、日常的に手入れされていない。
50人以上が集まって駅周辺を清掃することはなかなかないという。参加者たちは、機械を使わずに草刈りや窓ふきなどを約1時間半かけて手作業で行い、日ごろの感謝を表した。
鳥居本中学1年の小嶋奏大さんは週に一度、塾に通う時に利用する。中学でチラシを見つけ、自ら清掃に参加した。
「できるだけきれいにしたい」と駅舎周辺の草を丁寧に刈っていた。
<中日新聞より>
<中日新聞より>