米原市の番場地域の住民らが、これまでほとんど販売していなかった地元産の米の試験販売を始めた。
米は、地元の誇りである国史跡・鎌刃城にちなんで「鎌刃城米」と命名。新たな特産品にするのと同時に、地域の悩みの種である耕作放棄地の増加を食い止めるきっかけになればと意気込んでいる。

↑写真:中日新聞より
きっかけは、今年10月に米原市内で開かれたトレイルランニング大会。
上位入賞者への景品として番場産の米を贈ると、「おいしい」と好評だった。米の販売を企画した市民グループ「番場の歴史を知り明日を考える会」の泉峰一会長は「自分たちは番場の米しか食べたことがないから分からなかったが、地域外の人が食べてもおいしいんだと初めて知った」と話す。
会によると、約150軒の世帯が暮らす番場地区では、かつてはほとんどの家で米作りをしていたが、現在は10軒ほどにまで減った。土地の構造上、機械が入りにくい場所が多く、琵琶湖から離れた位置にあるため水管理も難しいことが原因と考えられるという。
戦国時代、織田信長と浅井長政の攻防の舞台ともなった鎌刃城。城内に備蓄されていた米2000俵を、信長が徳川家康に与えたとの記録が残っており、泉さんは「家康も番場の米を食べたかもしれない」とニヤリ。
地域外に番場産米のファンができ、米作りを手掛ける人が増えれば、一石二鳥だと思い付いた。
米はコシヒカリで、全て酒居槙也さんが手掛けたもの。酒居さんは「番場の水田がこれからも受け継げられるよう、仲間が増えれば」と願う。1kg1000円で、限定27袋のみ販売。販売者に味や価格の妥当性などを尋ねるアンケートを実施し、来年以降の参考にする。番場資料館で土日の10:00〜16:00の販売予定だが、希望があれば平日でも対応する。
問い合わせ:泉さん(090ー5047ー0153)
<中日新聞より>