会社に働き始めたある朝、車の中からある男子高校生に目を惹きました。
その子の歩き方はキチッとしていて遠くからでも一目で分かるぐらいでした。
信号待ちで立っている時もキチッと立っていました。
遭遇する場所は大体は決まっていたので（几帳面な子なんだな～）って思っていました。
時々遭遇する場所が変わる時はこちらが遅く家を出たり早く家を出たりでこちらが原因の事が多く、時計代わりでもありました。
この場所を歩いてるって事はこの先の大きな通りからバスに乗って何処かの高校に通学してるんだな～って思っていました。
ところがある日、バス通りを過ぎた所で遭遇したのです。
（あれれ？って事はこの先を大分行った先にある高校？）あそこまで毎日歩いていたんだ！と感心しました。
きっと直接行くバスが無く（乗り継ぎするなら歩こう！）と思って歩いているのかな～と思いました。
本来高校生は自転車通学は許可されてるので歩きは珍しいと思います。
毎日この子を見るのが楽しみになりました。
本当にキチッと歩き、キチッと信号待ちをしてまた歩く！
髪の形も昔ながらの髪型でした。勿論黒髪です。
そうこうしているうちに、ある日高校がもう近いのに会えなさそうな日があり、どうしたのかな～って心配していたら高校が過ぎてしまい私はがっかりしていました。
ところがびっくり！高校を過ぎた所で遭遇したのです。
私は車で追い越してから振り返ってもう一度見ました！
やはりあの子でした！
この先には河川敷にバスが通っています。
そこからバスで何処かの高校に通っているのかな～？って思うしか考えはありませんでした。
そうしたら、数日後河川敷を過ぎ、橋を渡ってるあの子を見ました！
この橋から4～500メートル行くと又高校があります。
もうここの高校しか考えられず、本当にびっくりと感心が交差しました。
この子は何キロ歩いてるんだろう？
最初見た所から凄い距離だよな～！！
この子のお父さんとお母さんに会ってみたいな～って心底思いました。
私の勤めてる会社は定時退社が4時半なのでボ~~っと窓の外を見ながら車に乗っていたらあの子を発見！
（あ～今丁度帰宅時間だよな～頑張れ！）って思いながら車で追い越しました。
そんな事が2，3度有ったある夕方、信じられない所でこの子に又会いました。
隣の町から私の町に入った所でこの子が又歩いて帰ってる途中に遭遇したのです。
この子は私と同じ町の子だったんです。
この子は自宅から高校まで自分の町から２つの町を歩いて通り抜けその上大きな橋を渡り又新しい町を通り高校まで通っていました。
距離ならおそらく6キロぐらいだと思います。
雨の日も冬の吹雪の日も。
本当に立派だな～って思いました。
2年間ぐらいそんな楽しい朝でしたが卒業と共に会えなくなりました。
あれから10年経ちました。
きっとしっかり仕事をされてる事と想います。
会ってみたいな～！
そんな事をふっと思った朝でした。
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