実はハマナスは太平洋側の南限は茨城県の鹿島です。
ここ海浜公園はその南限よりも北に位置しますが、薔薇の原種とされる8原種のうち3原種が自生しているのです。
以下、ハマナスについての「海浜公園」の看板広告を掲載いたします。
「日本におけるバラの歴史は、約1300年前(奈良時代713年)に書かれた「常陸国風土記」に登場するのが国内最古の記述とされています。常陸国は現在のここ茨城県に位置し、「茨城郡」のくだりにある“茨(うばら)”の記述は、茨城県の県名や県章の由来となっています。現在、全世界で3万品種を超えるバラの基をたどると、概ね8種の原種バラにたどり着きます。そのうちの3種(ノイバラRosa multiflora、テリハノイバラRosa luciae、ハマナスRosa rugosa)が日本からヨーロッパに渡り、多くのバラの樹形や耐候性を形づくる祖となりました。国営ひたち海浜公園は、この3種のバラが自生する貴重な環境にあります。」
下北半島では、ハマナスの実を数珠繋ぎにしてお盆にお供えとして用いられていたとか。
近世ヨーロッパでは、南米チリ原産と言われますローズヒップ(イヌバラ)が重宝されたのは、ある時代、オレンジの入荷が跡絶えた時から始まりました。それは主にビタミンCの有用性のためでした。
中国では、周王朝の紀元前4世紀に栽培がはじまったという記録があります。
その後、徐々に中央アジアからトルコ、ギリシャを経てローマに至って今日の薔薇の種類の起源となったという話があります。
また東洋医学では、ローズヒップの花(ハマナス)を「マイカイカ」といい血の巡りを高めることで血流を良くし、美肌効果や冷え対策にも良いとされています。
ここ「海浜公園」近くの少し内陸部に「中根後野地区」に、14500年前の縄文早々紀の遺跡があります。おそらく関東地方では最古の文明遺跡です。
そこから考えられる一つの仮説は、縄文文明が定住化のはじまりと考えられるなら、ハマナスがその文明の伝播と共に世界中に広まって行った可能性ももしやあるかも知れません。
yatcha john s. 「 ハマナス∶薔薇の起源 」
Photo は上からハマナス、ハマナスの実、ノイバラ、テリハノイバラ。