ただ馬が合うだけじゃないの !
私が大学生の頃は、学生運動花盛りの時代でした。テレビで安田講堂などの事件を見ていたのですが、高校生の時、マルクスに触れました。もっとも結果的にはサルトルの思想に傾倒していたのですが。
変な教授との一回目の出会いは、キャンパスのベンチで洋書を読んでいたら、のぞき込んできたおじさんがいて、「これ3回読んだ。君は何者だね?学生でこんなの読んだのを見たことない。」、二回目はセクトの学生に絡まれていた時、その先生たまたま通りかかりそう、その僕の反論を聞いて、僕の意見に「そうだ。いいpoint だ。」、後はずっとマルクス思想の展開。去って行ったので、その学生に聞いてたら、「君知らないの、マルクスの権化だよ。あれにあっちゃ、敵わないな」といって退散。
それから縁があって、聞きましたら、岩波文庫のマルクスの翻訳をしたとのこと、後でわざわざその本を見せてくれて、「yiyin (仮称)君、これ訳すのに苦労したよ。」、「ドイツ語からですよね?」「それと、フランス語、イタリア語、ロシア語、ポーランド語」。後で聞いたところによりますと、昼、アルバイト、二時間の仮眠の後、訳されたということです。三宅選手と競いあった重量挙げの選手だったそうです。道理で、学生運動の連中には、論理でも負けないし、このキャンパスには連中を一歩でも入れない、と息巻いていました。
卒業式の時は部長で、卒業証書を渡される時、涙ぐんで、「君に直接渡せるのが嬉しい」と声をかけて、普通ではしない、手を差し出されました。固く笑顔で握ったのを覚えています。
写真は水戸弘道館の前にあります水戸三の丸小学校の満開の梅です。昔、先生が訪れた時のままです。偕楽園では、人に聞こえるほど大きな声で、ロシア語の民謡や唐詩選を中国語で歌っていました。帰りに、蕎麦屋で、南蛮蕎麦を食べて「うめえな」。と駄洒落。なぜならその店の名前は「梅井庵」。
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