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オーロラへ

2023-12-02 06:39:14 | イルミナ
オーロラへ

『2万年後の銀河』

第十部 
「イルミナ」

第6話 
オーロラへ

あらすじ 

 ミーターの体は4年間で完全に復旧し、無事に同じく修理されたファー・スター2世号に戻された。
 イルミナは当然無事だった。彼女の本体は、ターミナスの帝国辞書編纂図書館の地下からのコントロールなので、受動機さえあれば、どこにでも移送されるからだ。
 イルミナはミーターが時々白昼夢を見、独り言を喋り出す癖を発見する。ミーターの体の全体がまるでアルカディアの思い出で満たされているように。イルミナはミーターの白昼夢の内容を知っているにもかかわらず敢えて尋ねるのであった。
 思い出の一つは、その時が必ず来る事を50年も待っていたアルカディアのある晩のことであった。
 アルカディアとペレアス・アンソーアの再会の出来事であった。

 場面は、ミーターを乗せたファー・スター2世号のなか。シンナ星に軌道上にいて、時にミーターは地表探索を重ねる。再度の銀河横断に対しての並々ならぬ決意が滲み出ている。
 シンナ星から見上げる眩(まばゆ)い極光になにかしらの兆(きざ)しを感じるミーターだった。
 ただ時たまイルミナのちょっかいが耳障りだが、それでも面白いと感じる。
 イルミナのアンソーアについての感想が際立つ。
 ミーターは、それでも「音痴」という言葉から何かに気がつく。
 ミーターはイルミナにオーロラへの進路を指示する。

96
(尚もミーターの白昼夢はつづく)
「アルカディア、僕だって遠慮する場面ぐらいはわかってますって。」

イルミナ ミーターさん、なに独り言、いってるのよ!わたしよ!アルカディアじゃ、ありません、イルミナよ!あなた、もうボケが入ったんじゃないの!イオスの温泉浸かりすぎでね!ミーター、起きてください。またアルカディアの夢、見ていたんでしょう。フライト・プランを教えて。

ミーター な~んだ、イルミナか。

(ミーターの白昼夢の癖は病的か?アルカディアとアンソーアの会話を思い出す)
「アンソーア。二人の人生って、第一ファウンデーションと第二ファウンデーションの確執を埋めるためだけの人生だったのかしら?二人の宿命だったのかしら?でもこれでよかったんですよね。二人頑張ったわ!ねえ、そうでしょう。」

 「そうだね、アルカディア、大変な人生だった。そのせいで僕はだいぶ歳より老けて見えるだろう。でももう解決した。ドースさんのお陰でね。人間型Rを何体か第二ファウンデーション員の替え玉にしてね。もう僕たちの役目は終わった。少しはくすぶっては行くだろうが。
 そして今、やっとこういう風に二人で会える。こんな星の下でね。」

 「これでセルダンプランは元通りになったのかしらね?
 ねえ、アンソーア、この銀河の下で二人だけで乾杯しましょうか?手に手をとって。
 あらっ、ミーターの姿が見えないわね、ミーター!」

ミーター なんだ、イルミナか?行き先は決まってる。オーロラ!その前に、アルカディアと彼女のおばあさんベイタの思い出の星カルガンに行ってみる。それにミュールの謎解きは、またこの銀河の復興にも役立つに違いないからさ。

イルミナ な~んだ、はないでしょう。フライト・プランがなければ、何処にも行けないわよ!

□ 作品紹介 ⇨
『ダニールの地球探索』

https://note.com/yinyi/n/nff447ec428e1

 

by yatcha john s.

我らは銀河の子

2023-11-16 18:29:43 | イルミナ
95第5話「我らは銀河の子」
ミーターの大冒険 
第二部 
イルミナ 
第5話 

我らは銀河の子

あらすじ 

 ミーターの体は4年間で完全に復旧し、無事に同じく修理されたファー・スター2世号に戻された。
 イルミナは当然無事だった。彼女の本体は、ターミナスの帝国辞書編纂図書館の地下からのコントロールなので、受動機さえあれば、どこにでも移送されるからだ。
 イルミナはミーターが時々白昼夢を見、独り言を喋り出す癖を発見する。ミーターの体の全体がまるでアルカディアの思い出で満たされているように。イルミナはミーターの白昼夢の内容を知っているにもかかわらず敢えて尋ねるのであった。
 思い出の一つは、その時が必ず来る事を50年も待っていたアルカディアのある晩のことであった。
 アルカディアとペレアス・アンソーアの再会の出来事であった。

 場面は、ミーターを乗せたファー・スター2世号のなか。シンナ星に軌道上にいて、時にミーターは地表探索を重ねる。再度の銀河横断に対しての並々ならぬ決意が滲み出ている。
 シンナ星から見上げる眩(まばゆ)い極光になにかしらの兆(きざ)しを感じるミーターだった。
 ただ時たまイルミナのちょっかいが耳障りだが、それでも面白いと感じる。
 イルミナのアンソーアについての感想が際立つ。
 ミーターは、それでも「音痴」という言葉から何かに気がつく。

95

イルミナ ミーターさん、音痴ってこの世の中には実在するのね。アンソーアさんの歌は聴けたもんじゃないわねぇ!ミーターさん、あなた、また思い出しているのね。そういうの「追憶の鍵」を開けているっていうの、知ってた。

ミーター イルミナ、控えろ!アルカディアは、目を瞑って、聞いているじゃないか。
 それにしてもイルミナ、君は僕の頭の中も読めるのか?いや聴けるのか?恐れ入った能力じゃないか!あれから何年過ぎたんだろう。アンソーアさんがアルカディアの館に再訪した夜から。

イルミナ さっき言ったでしょう。私は「心理スキャン備え付け最新鋭イルミネーショナー」って。あなたのいまの白昼夢とやらも、お茶の子サイサイなんですよ。
 それにしても、アンソーアさんは音痴だわ!

 強いて誉めろと言えば、う~そうね、ここシンナの地表から私たち二人が見上げる天空かしら!シンナの星空って、銀河一かも知れませんね!オーロラと横たわる銀河が交差しているの。ずっと観ていたいわ。

ミーター イルミナ、僕の追憶はターミナスのアルカディアの館のあの夜のことで、ここシンナのことじゃない。
 で、その音痴な歌っていうものの歌詞は分かるのか?スキャン・アップしてくれないか?

イルミナ 分かったわ。今出すね!

(ターミナスのプライマリーで歌われる『我らは銀河の子』)
「冷たい銀河の風に打たれても
僕らは怯まない
なぜって 
僕らは高邁な理想に燃えているから
セルダン先生のあとを追いかけて
たとえボロなスペースワゴンだって
へいちゃらさ

優しい銀河の風に打たれて
僕らは涙する
だって僕らは銀河の子 
我らの命 愛 夢 勇気は銀河の塵でできている
ドーニック先生から教わった織姫と彦星
貿易商人は三年に一度も
恋人に会えなかった

熱い銀河の風に打たれて僕らは戦う
なぜって銀河はそれを望んでいる
ファウンデーションはきっと大銀河を復興し
希望が愛に変わる
宇宙の果てまで紫(モーブ)に染まる

美しい銀河の風に打たれて女たちは踊る
オルフェウスの琴の音に心が溶かされた
ニンフのエリディケのように
たとえドースが R であってもセルダンを助けてアンドロメダまで行っちゃうよね」

ミーター 「音痴」、「交差」か?

https://youtu.be/3U39Gymkcxw

yatcha john s.




アルカディア 追憶の鍵を開けて① 

2023-11-14 18:14:02 | イルミナ
94第4話アルカディア 追憶の鍵を開けて①
ミーターの大冒険
第二部 
イルミナ 
第4話 

アルカディア 追憶の鍵を開けて①

あらすじ

 ミーターの体は4年間で完全に復旧し、無事に同じく修理されたファー・スター2世号に戻された。
 イルミナは当然無事だった。彼女の本体は、ターミナスの帝国辞書編纂図書館の地下からのコントロールなので、受動機さえあれば、どこにでも移送されるからだ。
 イルミナはミーターが時々白昼夢を見、独り言を喋り出す癖を発見する。ミーターの体の全体がまるでアルカディアの思い出で満たされているように。イルミナはミーターの白昼夢の内容を知っているにもかかわらず敢えて尋ねるのであった。
 思い出の一つは、その時が必ず来る事を50年も待っていたアルカディアのある晩のことであった。
 アルカディアとペレアス・アンソーアの再会の出来事であった。

 場面は、ミーターを乗せたファー・スター2世号のなか。シンナ星に軌道上にいて、時にミーターは地表探索を重ねる。再度の銀河横断に対しての並々ならぬ決意が滲み出ている。
 シンナ星から見上げる眩(まばゆ)い極光になにかしらの兆(きざ)しを感じるミーターだった。
 イルミナのちょっかいが耳障りだが、それでも面白いと感じる。
 イルミナはミーターのデイドリームの性癖に嫌みを言う。しかも夢の中身までも干渉する。
 イルミナのアンソーアについての感想が際立つ。
 ミーターは、それでも「音痴」という言葉から何かに気がつく。

94
イルミナ ミーター、教えてくれない。たまにあなた、ニヤニヤして、思い出しているようで、そうやってボオッとしてることが多いわね。ちゃんとその理由はわかってますけどね。取りあえず、聞いてみようとして。
 わたし、こう見えても心理スキャン備え付け最新鋭イルミネショナーですから、あなた、顔がなくても、ちゃんとわかるんですからね。

ミーター 何が最新鋭だって? 4年前のあの事件じゃ、こっちはもう停止寸前だったんたぜ。お陰で熱いお湯に浸かったり、こんな時間の無駄になってるんだ!

イルミナ あれは、しょうがなかったのよ。あれは宇宙潮流のデータがターミナスのデータではもう古くなっていたのよ。今ではシウェナや、カルガンの航宙技術の方が進んでいるんですから。あっ、いけない。またカルガンって口走ってしまったわ。ミーター!ミーター!また思い出しているのね。やっぱりアルカディアのことねぇ!

(ここから長いミーターの記憶中の白昼夢が入ります。)
「ミーター、今日のちょうど50年前の夜から初まったのよね! ちょうど今日よね! 行くわね! 『追憶の鍵を開けて』の続編やっと書けるわ。何しろ今まで公務で必死だったんですから。ベイタおばあちゃんのカルガンの話から100年目ですよね!

 トントントン。

 なによ、ミーター、聞いているの?」

 「ミーター アルカディアお嬢様、ちゃんと聞いてますよ。
 お嬢様、窓に何か当たったみたいですよ。
どうしたんですか?お嬢様、突然階段から降りて行って。危ないですよ、もう歳なんですから。」

 アルカディア「アンソーアさん。そうだと思った。ちゃんと一階の玄関の鍵を開けたわ。ようこそ我が家へ。今はこの家、ミーターと二人だけですけど。お入りになって。アンソーア。二階の窓に木枝を当てたのがあなただってすぐわかったわ。あなたも大事な公務を終えたのですね。
 お入りになる前に、あなたがターミナスの人間かどうか、確かめられたら、どうぞお入りになって。」

 アンソーア 「アルカディア、久しぶり! 
 歌えるよ。あれから毎日、『我らは銀河の子』の練習は、欠かさなかったからね。
 ニュートンから歩いて来たんだ。途中、夕方からずっと以前のお宅のラベンダー畑にいたんだ。あの薫りで、もう一度昔の僕に戻れたような気分だよ。
 今回はちゃんと一階の玄関からお邪魔しましたよ。玄関の鍵を開けてくれてありがとう、アルカディア!」(白昼夢中断)

イルミナ ねぇ、ミーター! 寝ているような、泣いてるような!

ミーター イルミナ、もし僕が人間だったら「泣いている」と思うよ。
 ところで、あの奇跡のベイタさんの思い出のカルガンまで、どこくらいだい。
アルカディアの遺言の一つなんだからね。
 
https://youtu.be/_HXT5wSN4VA

yatcha john s. 『ミーターの大冒険』 オーロラへ 4 

「アルカディア 追憶の鍵を開けて① 」

□ シリーズでお読みになりたい方はこちらからどうぞ。
⇨ https://ocean4540.net


甦りのミーター 甦りのファー・スター2世号 

2023-11-11 09:34:09 | イルミナ
93第3話甦りのミーター 甦りのファー・スター2世号 
ミーターの大冒険 
第二部 
イルミナ 
第3話 
 
甦りのミーター 甦りのファー・スター2世号

あらすじ

 ミーターの体は4年間で完全に復旧し、無事に同じく修理されたファー・スター2世号に戻された。
 イルミナは当然無事だった。彼女の本体は、ターミナスの帝国辞書編纂図書館の地下からのコントロールなので、受動機さえあれば、どこにでも移送されるからだ。
 この4年間が彼と、この天の川銀河にとってきわめて重大なことになる。その理由については、読者の皆さんにはこの時点では取りあえず、伏せさせて頂きます。勿論ご理解されておられる読者は、大勢おられますこととは思いますが。

93
イルミナ ミーター、ミーター、目が覚めた? ファー・スター2世号にご帰艦おめでとうございます。4年ぶりですね!

ミーター なんで、俺はここにいる?
 君はイルミナか?君は無事だったのか?ファー・スター2世号もあの時のままだ。今となっては君を咎めやしないが、よくもファー・スター2世号は無事だったとは。

 ここは銀河のどこなんだ?

イルミナ イオス星の4パーセークにあるシンナ星の軌道上に浮かんでるわ。ドースさんが、寝てるあなたをここに連れてくれましたよ。
 ミーターさん、この船も無事ではなかったの。修理でミーターさんが外に出たあと二度目のバーストが来て、この船体は大破してしまったの?
 でもドースさんと彼女のグループのロボットたちが来て、修理してくれたのです。その修理に、ラベンダーの液体を使ったのには驚いたわ。ミーターさん、なんで、ラベンダーなの?
 
ミーター イルミナ、俺の体もラベンダーのお風呂で直ったんだ。毎日10時間以上も浸かってさ。異常な熱さの温泉なんだ。それには訳があるって、レオナルドさんは言ってた。むろん、ラベンダーと言えば、アルカディアの農園しか考えられないけどね!その温泉というのは、薄紫色のとても薫りのよかった。お陰で生き延びた。体調もいい。

イルミナ ミーターさん、おかしいわよ。ロボットの癖して、「生き延びた」とか、「体調がいいとか」、まるで人間みたい(ヒューミン)な表現なんだから。

ミーター イルミナ、今なんて言った? 君、「ヒューミン」と言うのは、シリウス星系の共通語では、二つの意味があるって知ってて言ったのか?

イルミナ 「二つの意味」って?

ミーター 一つは、「人間モドキ」。
 二つ目は、「不死の従僕」。

イルミナ まあ!ミーターって、通訳・翻訳の天才!!

https://youtu.be/AKgjOCuW_MU

yatcha john s.

写真は、ダニール・オリヴォーの借り姿・宰相時代のエトー・デマーゼル。あるときはトランターのジャーナリスト、チャッター・ヒューミン。ハリ・セルダンを陰に日向に助ける。


冷凍の星の地下温泉

2023-11-04 18:53:12 | イルミナ
92第2話冷凍の星の地下温泉
ミーターの大冒険 
第二部 
イルミナ 
第2話
冷凍の星の地下温泉
アルカディアが81歳で亡くなった。
 ハニスの直感とミーターの柔軟性のある論理思考が冴え渡る。「微細心理歴史学」、「極素輻射体」、「ロボット第零法則」の真実理解までも到達した。アルカディア家の全財産で、彼女の遺志を継ぐ3人組の一人のオリンサス・ダムは、銀河帝国辞書編纂図書館の改造の任務の完了直前に心臓病で他界した。そこに居合わせた第2ファウンデーション員のムン・イ・コンパーが図書館改造を完了させる。そしてファー・スター2世号も完成させた。
 しかし3人組の一人のジスカルド・ハニスは、国会議員になるものの、二期目で彼の党「銀河再生党」が大敗し、その党も政府のブラノとコデルらによって非合法化された。ハニスは再起を謀ってイフニア星で地下組織として活動し、コンパーと連絡をとりあっていくことになる。彼は、「無謬の直感力」の青年と「証古学」を極めているという青年、二人を探し出すことにまず専念する。
 いよいよミーターは完成されたファー・スター2世号に乗り込む。
 ミーターはファー・スター2世を一気に加速させ、ジャンプを繰り返し、目指す地球(アタカナ)に到達しようとしていた。
 ターミナスから発進したファー・スター2世号にはヴァーチャル・リアリティーの若い女の子が投影され、ミーターに親しく語りかけてきた。「ターミナス帝国辞書編纂図書館」そのものと自己紹介してきた。彼女は、その図書館の「イルミネーショナー」と自らを紹介する。
 が、突然の事故が勃発した。ミーターを乗せるファー・スター2世号がセーシェル星系の恒星ベテルギウスの超新星爆発によって大破し、ミーターも宇宙空間に放り出されたのだ。
 そこに、ガイア星から修理のためイオス星に向かっていたR・レオナルドが、ミーターを見つけ拾いあげる。ミーターは、そこで4年間、温泉に浸かり修理を受けることになる。
92
(全文 レオナルドからのガイア星の首領ドムへのハイパースペース通信)
「ドム君、君には他のガイア人にはない優れた面がみられる。でももう少し指導したかったが、十分指導できないままで、わたしが離れなければならなかったことを、わたしとしては残念に思っている。でも君はその任務を難なく完遂できると確信している。何よりガイアは故郷の星のニフの心、ベニサラであることを忘れないように。
 わたしは度重なる故障でこのように、ここ冷凍の星イオスに着かなければならなかった。ここで40年の故障の修復を受けることとなる。
 初めての修復になるのだが、第零グループのロボットの修復には温泉に浸かるということに驚いている。ロボットが古代のニフ人の風習によって蘇られるとは、何なのか?
 もうひとつ驚いていることがある。ある機械型ロボットを超希薄スペースで漂流中に発見した。彼の名前は『ミーター・マロウ』という。彼は翻訳・通訳ロボットであり、ほとんど機能不全の状態であった。彼をイオスに連れて行くこととした。彼は『アルカディア』と連呼している。ここに着いてから分かったことだが、この翻訳・通訳ロボットは、ターミナスのアルカディア・ダレルの家令ロボットらしい。
 もうひとつ君に頼みたいことがある。ガイアである家から双子の女の子が産まれる。その双子に注目して貰いたい。その二人が23歳になったら、その一人を何らかの方法でここに連れて来て貰いたい。彼女らの名前は、ベニス、そしてサラ。連れて来るのは妹のベニスだ。その理由については極秘としておく。」