60第3話12858年前
ファウンデーションの夢
第六部
アルカディアの遺言
第3話
12858年前
あらすじ
「ファウンデーションの夢」の最終部になります。次作「ミーターの大冒険」を橋渡しする部分になる。
アルカディアは81歳で天寿を全うしようとしていた。暦はターミナス443年。
アルカディア農園はほぼラヴェンダーの畑。第二期のポエニッツ仕様のラヴェンダーのエキスがもうひとつの主役。
アルカディアは全身全霊をかけて14歳から共に歩んできたミーター(ミーター・マロウ アルカディアの命名でダレル家が名門マロウに繋がることを重んじたから。)に訥々と遺言を語る。
ハリ・セルダンとガール・ドーニックによって導かれた銀河復興の希望をミーターに賭けるアルカディアの切実さと真摯さとが最後の息までもその輝きがラヴェンダー畑に染み渡る。
彼女はまず、「反ミュール」の現象から話しはじめる。それは耳馴れぬ言葉「ヤマブキ」という故郷の星にあった黄色い花であったという。
そして四つのグループの結束で、500年目にあたるもうすぐに銀河復興が来る。その復興を成し遂げるのが、他ならぬミーターの使命なのだ、と打ち明ける。そしてその目的達成のためには、おそらく歴史消滅の元凶だったかも知れない「不死の従僕」に会うように促す。
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アルカディア ねえ、ミーター、もう少ししゃべらせて。
今、あのオリンサス・ダムが、私が最後に頼んだ、大仕事を彼は、今、仕上げている最中よ。彼には驚いているわ。なにしろ私より元気なんですからね。その仕事というのは、帝国辞書編纂図書館の建て直しよ。その記録を一点に絞ろうとしてくれているの。図書館の全ブック・フィルムのバーチャル機能化ですから。その目的の一つは、照射レンズの焦点の結束点を12858年前に合わせることなの。それというのは、その時以前の人類、銀河の記録が消えていてたどり着かないのよ。これを探るのが私の使命の一つだわ。それがわかれば、銀河回復の秘訣がわかりそうなの。ターミナスとしても最後の大仕事だわ。手掛かりは「児童のための知恵の書」だけなんですから。
もちろん、ハッキリ言って第二ファウンデーション や R・ドースさんに纏わる問題ねえ!そしてその奥に、あの「不死の従僕」の影が見え隠れしているのよ。
ミーター、あなたね、あの不死の従僕を探し出して、彼に直接会って聞いて貰いたいの。
ミーター アルカディー、それは気違いじみたご依頼ですね!まずその「不死さん」が何処にいるのか、知ってるのかい?
アルカディア そうだわね!この広い銀河のどっかだわねえ!
ミーター そんなところだと思った。やれやれ!
yatcha john s.
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