133第6話アンテンニン庭園のルピナス
ミーターの大冒険
第五部
オーロラ
第6話
アンテンニン庭園のルピナス
あらすじ
ミーターとイルミナを乗せたファー・スター2世号は、ターミナスの図書館と18000年前の航海日誌にない謎の天体に遭遇する。
そのとき、突如その天体から通信応答を求めて来た。
それは、ガイアの長老ドムからであった。彼の自己紹介は「わたし/わたしたち/ガイア」であった。ミーターはあらかじめおおよそのことは了解していたように質問していった。
ドムは、二人が求めている故郷の星の正確な名前が「地球」であることを明かす。
ドムは、ミーターがダニール・オリヴォーの地球探索の際に、「時間をも感応できるようになった」という表現にさらなる詳細を聞きたいことを察知して陳述を続ける。
人類の歴史消滅がこの時点から歴史復活のフェーズに転換した、と理解してもよい。
ガイアの誘導で、ファー・スター2世号はオーロラの恒星系に無事にたどり着く。
二人の目の前には、オーロラの揺らめく極光が怪しく波打っていた。
イルミナはミーターに促されて、オーロラの基本情報を語る。ミーターは待ってましたとばかり、自説を展開する。
イルミナは、膨大なデータを何億回も検索して、様々な手法を試し、ミーターとの会話からもヒントを得て、手がかりを抽出する。それが、アンテンニン庭園であった。
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イルミナ ミーターさんの推理力には舌を巻きますね。それにいよいよ鋭くなってきているようですね。
ミーター まあな。それでも、イルミナのお世辞には負けるよ。
イルミナ、きみのドローン探索で、何か分かったことあるのか?
イルミナ 地表の実質の支配者はイヌみたいね。地表に何万もの縄張りをつくって、互いに競いあってるみたい。この具合では、分裂したままで、覇をとなえるグループは出てこないと思うわ。ミーターさん、地上に降りるのは、よした方がいいわよ。友好的イヌなんていう感じじゃないわよ。
ミーター そうはいかない。地球や銀河復興の手がかりを見つけなくてはならないからね。でも、実際、この広い陸地のどこに降りたらいいものだろうか?イルミナ、それについてのいいアイデアか情報は見つからないのか?
イルミナ 今膨大なデータを検索しているところです。しばらくお待ちください。
ミーター イルミナ、これなんか、どうだい。
イオス星の地下温泉の天井画を、今、思い出した。え~と、レオナルドさんが教えてくれた天井画の名前!え~と。...
イルミナ 分かったわ、ミーターさん。「アンテンニン山地の裾野にひろがるルピナスの園」!きっとそうね!
ミーター まさしく、アンテンニン谷のルピナスの絶景。その画の説明がきが銀河聖語で「想像力、幸せ、やすらぎ、ルピナス」と書いてあった。レオナルドさんは、ドースさんの手書きで、トランターのマイコゲンの大聖堂が朽ち果てるのを痛んで、そこに転写した、と言っていたんだ。
イルミナ まあ!データがあったわよ、ミーターさん。ガール文書の裏書きに滲み文字でルピナスの花汁で浮き上がったわ。こんな手を込んだ仕組みって、訳ありねぇ!以下、述べるわね。
「これは EOS の郊外にあるアンテンニン山地の裾野のアンテンニンの庭園で、ふるさとの星の記憶を忘れないように、昔のガイドブックや写真から再生されたものである。 ご覧ください。それは、 失われた世界、自動人形などと共に。」
ミーター 凄い!またしてもクリーンヒット。
じゃ、俺がたまに白昼夢を見て、その中に出てくるイメージって、その場所のことなんだな。道理で、ターミナスにいた時には見なかったものが、イオス星以来見るようになった。
ありがたい、イルミナ、きみのおかげでまたもや高いハードルを越えられた。ルピナスの花園か!
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