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ファウンデーションの夢 第六部 ベイタ・ダレル 第11話 300年目の晩餐会

2023-03-31 21:21:57 | ベイタ・ダレル
44第11話300年目の晩餐会
ファウンデーションの夢 
第六部 
ベイタ・ダレル
第11話

300年目の晩餐会

あらすじ

 死んだと思われていた、オナム・バーの愛娘ジータ・マネルラ・バーは生きていた。マネルラは、彼女の星、シウェナにジータ・ベリス・マロウを招き入れ、おまけにトランターから、パルヴァー家の娘、ジータ・ウォンダ・パルヴァーを一緒に連れて来た。ジータ・ウォンダ・パルヴァーは、パルヴァー家の初の女の子であった。
 ジータ・ベリス・マロウは、二つあったペンダントの一つをトランターから来た女の子に渡す。
 このことは、いよいよ第2ファウンデーションの出る幕が近づいて来たとの予感を与える。

 ジータ・マロウの娘ロアには、極めて聡明な娘ベイタがいた。

 ベイタとミュールの壮絶なる物語は、ファウンデーション設立から300年後に起こる。ベイタの物語はこうして始まる。

 ベイタの両親がガール・ドーニックの農園を再び買い取り、住み始めた。ベイタもモーヴ(ターミナスの首都)からしばしば泊まりに来ていた。
 近くには、朽ち果てたガールの屋敷があった。

 ベイタはコッソリと、そのガール屋敷の地下深くにあった『故郷星探査報告書』を手に取るのであった。

 そこにはファウンデーション設立当時、ガール・ドーニックの秘密の特別任務の記録が記されてあった。後に、アルカディアが、ジスカルド・ハニスからそれを譲り受ける。その内容の繙きについては続いて読者の努力に委ねます。

 時代は、ターミナスも徐々に往時の精彩を欠いて来たインドバーの世襲政権のもと、時代の暗雲に気付いていた数名の人々がいた。
 一人は心理学者、エブリング・ミス。もう一人は貿易商人のランデュ・ダレル、そしてベイタ・マロウもその一人に加えなければいけない。
 
 ベイタ・マロウはトラン・ダレルと結婚し、トランの出身星ヘイブンに赴く。そこで、トランの叔父のランデュに新婚旅行にカルガン行きを勧められる。ハネムーンは数日で今後の銀河を揺り動かす大事件に移行する。

 ミュールの宮殿から道化師がハネムーン中の両人に助けを求めて来た。

 その道化師はボボと名乗った。彼らは早々宇宙船の格納庫に戻る。

 そこに第三者がまた登場する。
 二重スパイ!?

 そのハン・プリッチャー大尉は、すでにミュール(ボボ)によって、洗脳されていた。

 さらにミュールはトラン・ベイタの宇宙船でターミナスまで同乗し、モーヴ市に降り立ち、ファウンデーション軍の宇宙戦艦軍に喪失感を与え、ハリ・セルダンの出現する時間霊廟に集う人々を降伏感へ誘導し、一日に、完全占領してしまった。

 最後の救いの砦であったファウンデーションの遊軍、独立貿易商人協議会連合の星々も、戦意を喪失。ミュールの圧倒的な感応力の前ではなすすべもなかった。ヘイブンに一時避難したベイタ夫婦とボボとエブリング・ミスは、トランターに赴くことになった。ランデュはボボの存在に何かを察するようになったが、ランデュは残った。

 トランターでは、旧ストーリーリング大学付近の自称コンポレロン人たちの農村共同体が300年祭の催し物の準備で忙しくしていた。そこの村長、リー・センターは彼ら4人を丁重に向かい入れてくれた。

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ウォンダ お父さん、しっかりして、私がついてますから。こういう時にお母さんが元気だったらよかったのにね。
 
リー・センター まさしくその通りだ、ウォンダ。なにもかも揃いすぎてる。
 時も役者も、宇宙はじまって以来だ!
 丁度セルダンの三百年祭と毎年の祭りも重なった。ターミナスからのお客様の歓迎会を兼ねてね。
 出し物はプリマドンナのお前の披露だ。今晩だけは、毎年恒例の「星界の涯」ではなく、「宰相デマーゼル」だな。
 ネオトランターからも絶世の貴婦人もいらしている。ターミナスからはセルダン(縁)ゆかりのベイタ・ダレルさんばかりでなく、心理歴史学者、それに驚いたことに、あのランデュの甥っ子も来てる。
 この時が今まで隠して来た我がグループの最初の仕事となる。
 気が狂うほどだ!
 第1ファウンデーションの歴代英雄のご子孫のベイタさんが我が屋敷にね。

ウォンダ 大袈裟ね。しっかりして。セルダンの名にかけて!
 とうとういらしたわね。

・・・

リー・センター ダレル夫妻。こちらが私の娘、ウォンダ・センター。こちらがネオトランターのヴェナ・ビリさん。
 
ベイタ・ダレル リー・センターさん。この方(ヴェナ・ビリを指して)、ターミナスの我が家にある肖像画の先祖様のセルダンの奥さんだったドース・ママとそっくりですこと。
 驚いたわ!それにお嬢様のそのドレス、私の三色のペンダントと同じデザインだわ!
 
ウォンダ ベイタさん。驚くのは、こちらですよ。母のペンダントと何で、同じものを?

リー ベイタさん。私も驚いている。妻のペンダントを大変気に入った若者が昔いた。不時着して妻に看病された男、独立貿易商人協議会のランデュ・ダレルがいた。その甥っ子がトランさん、あなただったんですね?
 
ベイタ トラン、あなた、ランデュ叔父さんが若い頃、ここに来たのを何故内緒にしたか、分かったわ!
 叔父さん(ランデュ・ダレル)が私に最初に会ったとき、じっとこのペンダントを見ていたわ。私の美貌でなく!
 
ウォンダ お父さん。私も気が変になりそう!

yatcha john s. 「三百年目の晩餐会」



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