69第1話アルカディアの亡骸は?
ミーターの大冒険
プロローグ
第1話
アルカディアの亡骸は?
あらすじ
アルカディア・ダレルは81歳で亡くなった。歳から弟のように一緒に過ごしてきた翻訳・通訳ロボットミーターを遺して。ラベンダー農園のほぼ中央にアルカディアの館があった。その悲報を聞いて駆けつけてくれた二人。ジスカルド・ハニスとオリンサス・ダム。足の不自由なオリンサスを背負ってきたのか、ハニスは館に着くや床に倒れていた。
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ハニス 一瞬、遅かったみたいだな、ミーター君!すまん。オリンサスさんの足のせいでな。
ミーター ハニスさん!それにオリンサスさんまで!
ハニス ミーター君、これから一人ボッチで辛いなあ!
アルカディアさんは最後に何かいってたかい?
ミーター 沢山言ってました。オリンサスさんの面倒を頼むとか、ハニスさんに頼れとか。後でゆっくりアルカディアから言われたことはお話するつもりです。
ハニス ところで彼女の亡骸(なきがら)をどうする?歴代の女系先祖様らが眠るラベンダーのみはらしの丘か?それとも不思議なベリス岬の洞窟のなかかな?
ミーター そのどっちでもありません。初めはアルカディアは、お母様方が眠るラヴェンダーの丘にと言ってたんですが、何か気がついたらしくイオス星に運んでもらいたいと考えを替えました。もうじきイオス星からドースさんがやって来ます。ポニェッツ仕様のラベンダーのエキスをターミナスからイオスへ運ぶ船に一緒に乗せるよう言われました。
ハニス う~む、イオス星へねえ!
さもありなん。
「有限とは、弱さと優しさに包まれた無限」、すなわち「再生」。
ミーター 何ですか、ハニスさん?
ハニス いやね、イオス星の標語だよ!なにせ、データ収集はジャーナリストの本義だからね!ここだけの話、それにイオス星とくりゃ、ロボット。
ミーター ハニスさん。なんでそんなことまでご存知なんですか?僕と同じロボット?!
ハニス まあ、つまりはもうじき「ガールの500年」が近い、ということよ。
俺は、ミーター君、あの鬼才ジャーナリストのジョウル・ターバーの弟子を自負しているんでねえ。なんちゃってね!
yatcha john s. 「アルカディアの亡骸は?」『ミーターの大冒険』プロローグその1
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