131第4話スペーサーのオーロラ
ミーターの大冒険
第六部
オーロラ
第4話
スペーサーのオーロラ
あらすじ
ミーターとイルミナを乗せたファー・スター2世号は、ターミナスの図書館と18000年前の航海日誌にない謎の天体に遭遇する。
そのとき、突如その天体から通信応答を求めて来た。
それは、ガイアの長老ドムからであった。彼の自己紹介は「わたし/わたしたち/ガイア」であった。ミーターはあらかじめおおよそのことは了解していたように質問していった。
ドムは、二人が求めている故郷の星の正確な名前が「地球」であることを明かす。
ドムは、ミーターがダニール・オリヴォーの地球探索の際に、「時間をも感応できるようになった」という表現にさらなる詳細を聞きたいことを察知して陳述を続ける。
人類の歴史消滅がこの時点から歴史復活のフェーズに転換した、と理解してもよい。
ガイアの誘導で、ファー・スター2世号はオーロラの恒星系に無事にたどり着く。
二人の目の前には、オーロラの揺らめく極光が怪しく波打っていた。
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イルミナ まずオーロラの意味合いには、様々の説がある中でも、おさらいすると、人類の故郷の星、最古の星、地球から宇宙に旅立った第一陣のことを考えますと、「夜明け」の意味が一番ふさわしいわね。
彼らは、「スペーサー」と呼ばれ、50もの植民惑星を形成していった、というのね。彼らは、ミーターさんのようなロボットや、科学技術を駆使して極めて功利的な環境と生活を手に入れていったらしい。それが彼らの寿命を飛躍的に延ばした。それから病原菌を極度に嫌い、極度の個人主義に陥った。
地球からの後続の第二波の人々、彼らはセッツラーと呼ばれ、ある時期までは、断然スペーサーがセッツラーを圧倒していた。
その後、ある契機から、セッツラーの勢いがスペーサーに勝り、スペーサーと絶交状態が続き、セッツラーはシリウス星系から徐々に天の川銀河の中央域に進出し、とうとう天の川銀河全体に波及していった。今では、25000個の惑星に住みついた。
そうこうしてるうちに精力的なセッツラーは、スペーサーの存在を忘れていった。
スペーサーの誇りは、唯一銀河帝国のトランターの、マイコゲン地区に細々と残り、やや形態は変化したが、その伝統を残している。
ミーターさん。今まで説明したところまでは、二人がようやくたどり着いた大雑把な情報ね。
ここから先は、ミーターさんに任せた方がいいわね。
ミーター 俺の番かよ。参ったなあ、確率50パーセントの域を出ていない蓋然性の仮説なら、言ってもいいがなぁ!
イルミナ どうぞ、お願いいたしますね。ミーターさん、見て、目の前にはオーロラ星がミーターさんの謎解きを待っているように見えるわ。
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