SSF 光夫天 ~ 詩と朗読と音楽と ~ 

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晩秋初冬の詩 「短日」

2015-12-14 11:36:16 | 「尾崎喜八を尋ねる旅」
穏やかな空で、週がスタート。

千里中央方面の空は、東南東の方角で、
この時期、太陽がこの辺りから、昇って来る。(大阪府豊中市)

もうすぐ『冬至』

正午の太陽の高さが最も低くなる・・・



「短日」 ~ 自註 富士見高原詩集(尾崎喜八)より ~

枯葉のような旅の田鷸(タシギ)が

ちいさい群れになって

丘のあいだの冬の田圃におりている。

こんな日には風景一帯に

真珠いろの寒い光がぼんやり射し、

どこからともなく野火の煙がにおって来る。

こんな日には又よく銃の音がひびいて

田圃の田鷸を電光形に飛び立たせる。

そして思わぬ処から 旋風の渦のように

舞い上がる花鶏(アトリ)の大群がある。


【自註】
日の短かい高原の冬の田圃に、この季節にだけ見られるタシギとアトリの下りているのを書いた。タシギは春と秋とに日本を通る旅鳥で、アトリは十月頃から渡って来て五月には姿を消す冬鳥である。いずれも翼の力が強くてその飛び方はすこぶる速い。しかしそれぞれ大小の群れになってひっそりと餌をあさっている彼らを、荒寥とした冬景色の中で見出すのは思ひもかけぬ喜びである。俳人ならばこんな風景をどう詠むだろうか。




田鷸(タシギ)

シギ科の鳥。全長27センチくらい、茶褐色で斑紋があり、くちばしはまっすぐで長い。日本では旅鳥か冬鳥で、水田や湿地・河原などでみられる。《季 秋》(デジタル大辞泉の解説より)

花鶏(アトリ)

アトリ(獦子鳥、花鶏、学名:Fringilla montifringilla)は、鳥綱スズメ目アトリ科アトリ属に分類される鳥類の一種。ユーラシア大陸北部の亜寒帯で繁殖し、冬季は北アフリカ、ヨーロッパから中央アジア、中国、朝鮮半島に渡りをおこない越冬する。日本には冬鳥として秋にシベリア方面から渡来する。主に日本海より山形県、富山県等に飛来し、それから各地に散らばる。渡来する個体数は年による変化が大きい。(ウキペディアより)

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