水沢司法書士・行政書士事務所

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市役所の対応がおかしい

2017年12月05日 | Weblog
10月に入ってから、複数の被後見人の方が亡くなりました。
近しい親族がいる方々だったり、当初から相続人不存在の方だったので、スムーズに親族と連絡を取ったりして事を運ぶことができました。

しかし、中には近しい親族はいないが相続人はいるという方が何人がいます。
要するに、行き来のない兄弟姉妹やその子らが相続人というケースです。

前々からやらなきゃとは思ってはいたのですが、今回の件で特定を急ごうと思うようになりました。

被後見人の緊急時に「施設で看取りをするのか、救急搬送するのか」等の意思を事前に求める施設が多くなってきましたし、
結局のところ、後見人に医療行為の同意権がないため、いざというときに、病院で「延命するのかしないのか」医師が判断に窮してしまうことが多々あります。

「親族はいるんですけど連絡が分かりません。後見人も医療行為に同意できません。」
じゃあどうするの?これじゃああまりにもお粗末すぎます。

職務上請求を使って第三者の戸籍を集めることができますが、私は極力使わないようにしています。
後見業務の場合は、役所のHPから申請書を印刷し、登記事項証明書と親族関係説明図、一部の戸籍コピー等を入れて、一般請求という形で請求しています。

大方の役所では、「被後見人の推定相続人特定のため」という請求理由で問題なく戸籍が交付されますが、中には、
「被後見人に子がいないことの証明書が入っていない」等と電話をしてくる役所があります。
そういう役所に対しては、「親族関係説明図」付けてるじゃん・・と思いながらもしぶしぶ指示に従って、子がないことの証明書すなわち取得した戸籍等の数通をFAXなり再送なりで提出しています。

先日、高崎市役所では、
「被後見人が生存している間は、抄本しか交付しない」
などと言ってきました。
対象の方は大正生まれです。そのため、次の代襲相続人を特定しておきたいという思いから、あーだこーだ文句を言い、
上席を求め対応を変えてくれるよう交渉しましたが、まあ高崎市の言い分もわかるという思いで、応じることにしました。
大正生まれの方が亡くなったら、再度戸籍謄本を取らなければならない。市役所ボロ儲けですね。

要注意役所というメモ書きに、高崎市を載せることにしました。


そして、上越市役所。
同じように、被相続人の推定相続人の特定のため請求した所、
「被相続人が生存してるんですよねぇ?だったら取ろうとしている戸籍に載っている人の同意書が必要ですねぇ」
と言ってきました。

同意書を貰おうにも連絡先が分からないからそれを特定するために請求してるんだよと思いながら、
「被後見人危篤時の医療行為同意について事前に推定相続人に確認しておきたいから」と説明したところ、

甲高い女性の声で、
「うんでもそれはぁ、みなさんそうされてますからねぇ。みなさん亡くなってから相続人特定されてますからねぇ。今回は応じられませんねぇ」


はあ?正当理由がないということですか?
「うんそうですねぇ」

じゃあ職務上請求なら応じるんですかと問いただした所、まあ職務上請求ならということで、「じゃあ職務上請求送りますよ!」と回答しましたが、
どうしてもこの職員の対応に納得ができない。

あまりにも個人情報個人情報、とバカの一つ覚えのように振る舞う役人が多すぎる。
個人情報保護ばかり気にして、適切な医療を受ける権利、生存権を侵害してるんじゃないの?

18時を過ぎてから、上越市のHPの市政に関する問い合わせフォームで、問い合わせをすることにしました。
経験上、電話でいくら文句を言い上席を出してもらっても対応が変わらないことが多いので、こういうときはHPから問い合わせです。
一般企業では相当ダメージが出ることがあるようです。
内容証明なんてよっぽどじゃないと出しません。

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お世話になります。東京の司法書士です。先日市民課に戸籍の郵送請求をしました。
内容は、当職が成年後見人として就任している被後見人の方に子も親もいないため兄弟姉妹が推定相続人となるケースで、推定相続人の氏名住所特定のため、兄弟姉妹の戸籍を郵送で請求したものです。なお、現在被後見人は生存しています。

そうしたところ、市民課の🅰さんから、「被後見人の生存中は、戸籍を取得される方の同意書が無ければ出せない」と言われ、職務上請求に切り替えるよう指導を受けました。
被後見人の生存中に、推定相続人特定のため第三者の戸籍を取得することは正当理由ではないということが理由のようです。

被後見人は高齢のため、いつ危篤状態に陥り亡くなるか分かりません。
危篤状態になった場合、成年後見人には医療行為の同意権がありませんので、医師が延命するか否か判断に窮してしまうことがあります。施設や病院によっては、そうなる前に予め推定相続人に医療行為についての同意書をもらうよう後見人を通して依頼してくる箇所もあります。

当職が今回戸籍を請求したのは、あらかじめ推定相続人を特定し、「延命するか否か」の問い合わせを推定相続人の方に事前にしておきたかったからです。

🅰さんにその旨伝えた所、「被後見人が亡くなった後に戸籍を請求し親族を特定するのが常識であって、後見人が被後見人の死亡前にあらかじめ親族を特定するために戸籍を取得することは正当事由ではない。被後見人が危篤になって親族の連絡先がわからないために適切な医療行為を受けないで死ぬのはしょうがないことだ、みんなそうなんですよ」という旨の回答を受けたことに愕然としました。

当職の戸籍請求のどこに正当事由がないのでしょうか?上越市としての正式見解をお示し頂きたくご連絡した次第です。

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と送った所、翌朝9時前に、秘書課からメールが届きました。


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司法書士
 水沢 聡 様

上越市役所秘書課 **と申します。
当市ホームページからの問い合わせ、ありがとうございました。
確かに頂戴いたしました。
お問い合わせいただきました件につきましては、市民課が担当して
おりますので、大変恐れ入りますが、内容を確認し、担当課からご
回答を差し上げたいと存じます。
よろしくお願いいたします。
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いや、それじゃあ意味が無いんだよな。同じ課から連絡貰ったって、対応変わらんでしょー。
と思っていた頃、市民課から電話。

「ご請求いただいたとおり、戸籍を発行させていただきます」


ああ?どういうこと?
「お問い合わせいただきまして詳細な事情がわかりました。法務局に問い合わせた所、正当事由であり応じて構わないとのことでした。」云々。

いや、🅰さんには口頭で事情説明していますよ、それを🅰さんは一蹴されたんですよ。🅰さんは一体何者ですか。

「ええ・・あの・・・非常勤職員です」


Oh・・・・・・。

ちゃんと指導するようグチグチグチグチと文句を言いました。

上越市さんありがとうございました。