<17日> 伯母の住んでいた家
今回の帰省の第一目的は、このたび老人ホーム(特養施設)へ
移ることになった伯母の引越しを手伝うこと。
この日、10時からという約束で伯母が一人で暮らしていた家に
集まったのは、女性ばかり6人・・・
一番近い身内が姪の私達、親戚の叔母が一人、あとの3人は他人。
何故そのようなメンバーになったか、そして、そこで
垣間見えた伯母の人生、それが今回のお話です。
暗い話も多く長くなりそうですから予めお詫びしておきます
伯母は亡くなった母の姉なのですが、片親も違い年齢も離れていて
ほとんど一緒に暮らしたことは無かったと想像されます。
昔は色々あったのでしょう、私にはよく理解できていない事情から
幼くして子守などの女中奉公へ出されたとか。
それから苦労の連続だった伯母と、
(本人は怒るかもしれませんが)苦労らしい苦労もせずにきた母と
微妙な軋轢があったことは私達も感じてはいましたが
それでも姉と私、二人の姪をとても可愛がってくれました。
伯母は奉公先でも相当苦労したらしいのですが、運良く出会った
赤の他人のご夫婦のお世話になり、そこのお宅で家族同然に
暮らしていました。(昔は似たような話が多いそうです)
その夫婦が親代わりとなってくれて、ある家の後妻として嫁ぎました。
(これにも何か事情が?でも全く分かりません)
優しい家庭だったそうですが、たった5年でご主人が
舅・姑・先妻の息子を残して亡くなってしまいます。
親代わりの家では帰ってきても良いと言ってくれたらしいのですが
残された家族を見捨てられず結局そのまま・・・その後
舅さんが亡くなってからは女手一つで一家を支えてきたそうです。
そんなに苦労して育てた"なさぬ仲"の息子は、一度は伯母と
同居しようと呼び寄せたこともあったのですが嫁とうまくいかず
伯母が新潟で一人暮らしに戻ってからは徐々に疎遠になり
最近ではほとんど連絡もよこさない有様。。
ほとんど病気知らずで健康な伯母も足が弱り危なっかしいので
周囲が案じるようになっておりました。
そんな時、昔伯母の親代わりとなってくださった家の
一番下の娘さんが、運良く介護関係の仕事をしていたために
伯母のため生活介護のヘルパーさんを派遣し、さらには
今回移ることになった老人ホームを見つけて下さったのでした。
その方は歳が離れているので伯母のこともよくご存知ないのに
「親が『この人を身内と同じに面倒見なさい』と言い遺したから」と
親身になって世話をしてくださったのです。
疎遠の息子にも連絡をとり、ホームに入る許可や
入居費用が足りなければ払うという話までつけてくれました。
(電話のたびに不快な思いもなさったそうです。。)
私達は親戚でも息子の存在ゆえに手が出せずホームの当てもなく
心配するのみでしたから本当に助かりました。
老人ホームを嫌がっていた伯母も足のことや認知症の進行のため
流石に諦めているとのこと。
プロでもあり、他人なのに親身になってくれる人の勧めとあっては
諦めざるをえなかったのが本音かもしれません。
そんなわけで17日、一時入所の介護施設にいる伯母本人には
いつが引越しか内緒にしたまま、ホームへ持っていく荷物を
まとめるために有志(?)6名が伯母が借りていた家に集まりました。
最初にも話しました「他人」は、そのお世話をしてくださった方、
その兄嫁にあたる方(伯母と姉弟のように暮らしたというご主人は
残念ながら先年亡くなってしまいました。それでも奥様が続けて
気にかけて下さるとは・・・有り難いことです)、そして
介護の仕事で今まで伯母の世話をしてくださった方、の3名です。
「血」の縁には恵まれなかった伯母ですが、これだけ
心配し世話をしてもらう人に恵まれて・・・
ある意味では幸福な人と言えるのでしょうね。。
女性の一人暮らし、衣類などが山のようにあり、片付けは一苦労。
伯母には気の毒でも施設の部屋にそんなにたくさん持っていけません。
新しそうなものや伯母が気に入っていたようなものを選び
半分いえ3分の2以上は恐らく処分になるだろうと
大きなビニール袋に詰め込んでしまいました。
伯母と一緒にホームへ行く荷物としては、箪笥・サイドボード・
テレビ、そして衣類と小物。
さすが6人もいると運送屋が来る2時前に、持っていく荷物を
何とかまとめることができました。
さて、残った荷物、特に袋詰めした不要な衣類はどうしようと
話し合った結果、今回は来られなかったけれど"例の息子"が
後始末をすると言っていたらしいので、そのまま残しておくことに。
いくら要らなさそうな衣類でも私達が勝手に処分するのも
おかしな話ですから・・・まあ、いかに大変だったか
少しは想像して欲しい、という気持ちもありますが
今までの経緯からも期待薄かもしれませんね。。
まとめた荷物は無事出発!
伯母本人のお引越しは19日。
朝9時に一時入所している施設へ迎えに行くことになりました。
18日は一日お休みかな?ふぅ~