木の葉の中に木の葉を隠す

BBLTと呼ばれている政局問題４点セットに加え，新たに小泉チルドレンの中根議員の暴行疑惑問題や，皇室典範問題なども登場してきて，ついに「政局問題６点盛り」という，まるで居酒屋のお刺身状態になってきました。

逆に，これですべて中途半端になるのでは？

疑惑や問題が一つであれば，その問題に野党が集中します。したがって，疑惑も合間にできない場合があります。
しかし，こうも疑惑や問題が多発していれば，野党の突っ込みどころも逆に難しくなってしまい，それぞれの問題の本質まで追究することが困難です。
そして，何よりもこれらの問題について徹底的に調査し，報道することで，国民の知る権利の一翼を担うべき報道機関も，あきらめたのか，６点盛りの本格的な報道を事実上放棄し始めてきました。

推理小説のトリック用語の中に「一番よい隠し方は木の葉の中に木の葉を隠す」という言葉があります。これは，犯人が何かのトリックを図る場合，絶対に見つからない場所は，同じものがたくさんある場所に限る，というものです。
これを今の自民党に当てはめると，「多くの疑惑や政局をうやむやにするには，他の疑惑に紛れ込ませるしかない」という状態であるといえるのではないでしょうか。
事実，いろんな話が一気に出始めてきたために，耐震偽造問題なども忘れている部分も多いのではないでしょうか。

推測ですが，この６点盛りによって，次の問題がうやむやになってしまうのではないでしょうか。
１　アスベスト対策が遅かったのではないかという問題
２　伊藤公介議員の証人喚問
３　安倍晋三議員と飯塚秘書の証人喚問
４　ヒューザーと森派との関係（政治献金問題）
５　ヒューザー，木村建設以外の企業の耐震偽造，建築手抜き問題
６　耐震偽造マンション住民に対する支援策について（なんとなく税金投入してお茶を濁すか？）
７　堀江容疑者と武部幹事長他自民党幹部の責任問題について
８　アメリカの牛肉輸入を決定した経緯について（最終判断の根拠は何だったのか）
９　防衛省昇格問題
１０　他の官庁における談合比率について
１１　天下り問題
１２　防衛施設庁の特権意識について
１３　社会保険庁解体問題
１４　新人議員に対する教育問題，責任問題（新人議員の粗相に対する責任は誰が取るのか）
１５　三位一体改革について（税源と権限をどの程度委譲するべきか）
１６　今年から実質増税が始まったこと（ビックリするのは６月頃の話）
１７　消費税増税以外の各種増税問題（知らぬ間に検討委員会が発足されるかも）

ひとまずこれくらいでしょうか。これらのことは，時間的物理的に追求が困難であるばかりか，きっと，すねに傷のある野党各党は，このいくつかは故意に忘れるかもしれません。
いずれにしても，これらが「木の葉の中」に隠れようとしています。どうか皆様，忘れることなく，今後も注目し続けてください。

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