あれは,あれで良いのかなPART2

世の中の様々なニュースをばっさり斬ってみます。
ブログ界の「おか上彰」を目指し、サボりながらも頑張ります!

勝手に鬼怒川温泉再生プラン(その2)

2006年02月26日 22時32分26秒 | 経済全般
前回に続きます

第3 客層にあわせた温泉街を形成すること
1 オールマイティな客層にあった温泉は「スーパー銭湯」のみである

  各地域の温泉には,必ずメインの客層があります。
  そして,多くの温泉の場合,こない客層の開拓に躍起になります。
  しかし,なぜその客層はその温泉に来ないのでしょうか。理由は極めて単純で,「その客層の人は,その温泉に魅力を感じない」ということです。
  しかも,来ない客層の開拓のために,町並みや施設などを改装してしまうと,逆にこれまで来ていた客層が魅力を感じなくなってしまい,結果逆に客が減ってしまうというスパイラルに巻き込まれるおそれがあります。
  むしろ,客を増やすのであれば,「メイン客層をもっと増やす」という戦略に限るでしょう。また,これを実践することで,メイン客層はリピーターになり得ます。
  鬼怒川温泉の場合,メイン客層は「会社等の団体客」と「実年ご婦人世代」ではないか思われます(正確なことは温泉組合が把握しているでしょうが。)。
  だとすれば,この客がもっと喜ぶ温泉街や温泉旅館,施設を構築すればよいのです。
  なんてことはありません。基本的には,今ある資源を有効利用すればよいのです。一から作る必要は必ずしもありません。メインの客層が馴染んでいるわけですから。
  ちなみに,産業再生機構は,「オールマイティな客層を目指す」再生プランを構築しているようですが,個人的には「それで失敗したから再生機構の支援を得ているのでは」とちょっと疑問を感じます。

2 昭和の温泉街は必ずしも否定しない
  確かに,客層にあわせて,温泉街も改造する必要がある場合もあります。
  例えば,若い女性客が多い湯布院温泉などは,温泉の飲食店などもこぎれいにするなどしています。
  では,鬼怒川温泉もすべてこぎれいにする必要があるでしょうか。答えは「NO」です。
  前述の客層を前提とした場合,むしろ「昭和の風情のある温泉街」の方が,客のニーズにマッチしている可能性が高いです。また,特に会社の団体客の場合,かなりの確実で,二次会,三次会で「スナック」に行きます。各旅館内にもありますが,旅館は高いから等といって,外に飲みに行きます。そんなときに,風情のあるスナックや居酒屋は客受けがよいのではないでしょうか(もちろん,前述のとおり明朗会計にするべきであることはいうまでもありません。)。
  最近では,何でもかんでもきれいな温泉街に改造することがはやっていますが,必ずしも有益であるとは言い切れません。
  少なくとも,鬼怒川の場合は,今ある観光店などをうまく活用する方が大事といえます。

3 全天候型観光拠点も考える
  とはいえ,温泉に行く以上,もう一つ考えなければならないのは,「周辺の観光地」です。
  鬼怒川温泉の場合,日光が近いこと,また東武鉄道をはじめとする各種観光施設(東武ワールドスクエア日光江戸村日光さる軍団など)が豊富にあります。これがあるから,鬼怒川温泉に来る観光客は多いのです。
  しかし,これらの場所は自動車で行かなければなりません。もちろん,バスも出ていますが,時間的制約や料金の問題もあります。
  さらに,雨や雪の場合,とたんに行くところ,やることがなくなってしまいます。
  鬼怒川温泉の場合,弱点は,「雨雪に弱い」ことです。
  じゃあ具体的に何,といわれると,実は結構難しいですが,例えば草津温泉の「大滝の湯」みたいな大規模公衆温泉を作るなど,あくまでも温泉にこだわる施設を考えてみてもよいのかもしれません。

第4 まとめ
  鬼怒川温泉再生の要は,何も難しい経営理論や,外資の注入,さらには税金投入による街全体の再開発ではありません。
  今何があり,何が足らないか,そして「客が何を望み,何をすれば喜んでくれるか」を考えるということが大事なのです。
  「そんなこと,当然やっているよ」と温泉関係者からお叱りのお言葉を頂くかもしれませんが,残念ながら,1利用者としては,満足度はまだまだ低いです。
  もっと,多くの声を聞き,時には,タブーといわれている「お互いの旅館同士で,利用者的立場から意見を出し,議論しあう」ということも大事かもしれません。
  もちろん,行政の基盤整備や鉄道会社のフォローも忘れてはいけません。

以上,ほとんど戯れ言に過ぎませんが,鬼怒川温泉に多くの客が集まり,かつてのような勢いを取り戻してほしいと本気で思います。

頑張れ,鬼怒川温泉,頑張れ東武鉄道,頑張れ栃木県!!

勝手に鬼怒川温泉再生プラン(序章)
勝手に鬼怒川温泉再生プラン(その1)

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勝手に鬼怒川温泉再生プラン(その1)

2006年02月26日 22時19分28秒 | 経済全般
前回を踏まえ,具体的に「勝手に鬼怒川温泉再生プラン」を提案します。

メインテーマ
第1 増やすべき客は「一見さん」ではなく「リピーター」であること
第2 メインは「温泉」であること
第3 客層にあわせた温泉街を形成すること

まず,この3点を提案します。

第1 増やすべき客は「一見さん」ではなく「リピーター」であること
1 鬼怒川温泉は「都心から気軽に行ける温泉である」こと

  私も今回は東武鉄道の特急を使いましたが,これを使えば,都心から2時間くらいで鬼怒川温泉まで行けます。そして,東武鉄道の努力によって,この特急や快速列車の本数はかなり増えてきました。
  つまり,良い温泉であるならば,都心からみんな気軽に行ける温泉になります。電車のアクセス如何では,日帰りプランも十分成立します。
  そして,気軽にいけるということは,「何度も行ける」温泉でもあるということです。
  とすれば,「何度も行きたくなる温泉」を目指さなければなりません。
  鬼怒川温泉の場合,このような地の利を最大限活用しなければなりません。

2 温泉の売りはなんといっても「お湯,お湯,そしてお湯」
  有名どころの温泉の特徴は,なんといっても「豊富な湯量」です。極論ですが,良いお湯ならば,掘っ建て小屋の温泉にだって人は集まります。
  したがって,まず「お湯」にこだわるべきです。
  実は,今回の温泉,最大の不満点は,この「お湯」でした(そんなわけで,宿泊した旅館名は伏せました。)。
  正直,鬼怒川温泉の源泉は,決して豊富な湯量ではありません。
  では,これをどうフォローするべきでしょうか。
  答えは,単純です。「適正表示」,これにつきます。
  別の温泉場では,正直に「沸かし湯」とうたっている宿もありますが,客は入ります。なぜなら,ちゃんと温泉でないと宣言していることと,沸かし湯だけれど「豊富な湯量」があること,さらにはちょっと行けば公衆の温泉があることを明示しているからです。
  鬼怒川温泉の場合,各旅館にそれなりに温泉が出ているわけですから,例えば,「温泉のお風呂」と「沸かし湯のお風呂」を分けて,ちゃんと明示することで「豊富な湯量」と「衛生的なお湯」をアピールすればよいのではと考えます。

3 ガイダンスの充実(看板,パンフレット,料金の明示)
  今回鬼怒川温泉に行ってもう一つ困ったことがありました。それは,「駅を降りた後,目的地の温泉に行くにはどういったらよいのか分からない」ことでした。駅前にホテルガイドの看板もなければ,パンフレットもなかったのです。
  まあ,今駅前は工事中ということがあるのでしょうが,これを割り引いて考えても,ガイダンス機能が弱いのは致命的ミスといえます。
  分かり難い場所にもう一度行こうという気になりません。
  また,駅からバスが出ていましたが,ホテル送迎バスと駅でも宣伝していたし,どこにも料金表が出ていないので,「無料」かと思って乗ろうとしたら,「チケットは?」といわれ,そこで初めて有料であることを知りました。どこかに書いてあったのかもしれませんが,電車降りてから看板どおり行ったルートには何も書いてありませんでした。
  さらに,旅館には「体験座敷遊び」のポスターがありました。この企画は,実は温泉復興に大きく役立つナイスプランだと思ったのですが,私は頼めませんでした。理由は「料金がどこにも書いていない」からです。
  もちろん,プランがいろいろあるわけでしょうから一律いくらとならないことは分かりますが,せめて「**円~」くらいの記載があってもよかったのではないかと思います。
  確かに,昔の温泉旅館には,「料金不明確」なのがむしろ当然,という場所が多かったです。温泉街のスナックによったら,お新香だけで1万円だった,という経験をしたことがある方も多いのではないでしょうか。
  しかし,今の時代,不明確なところに人は集まりません。しっかりとした情報公開とガイダンス機能は極めて重要です。
  そして,これらは特別に費用はかかりません。つまり,わずかな経費で実現可能なことなのです。 
  以上のことから,行政,鉄道会社,旅館及びお土産屋のすべてが,「明確化をめざす」ことをするべきといえます。

第2 メインは「温泉」であること
1 お客は「温泉」を求めてやってくる

  これは鬼怒川の話ではなく,別の温泉の話なのですが,例えば「夕食食べ放題プラン」とか「カニプラン」など,夕食を豪華にしたり,または激安プランを売りにする温泉が出ています。
  食事については,温泉を選ぶ上で結構重要なポイントなので,こういうプラン自体は別段否定する気はなく,むしろうれしい限りといえます。
  しかし,食事だけしたいのであれば,最初から温泉に行かず,別のホテルとかに行きます。なぜなら,同じようなプランをホテルでやっているし,しかもホテルの方がおいしくて安い場合が多いからです。
  つまり,利用客として,最終的な判断ポイントは,「料理」ではなく「温泉」です。
  そして,「この地域の温泉に行こう」と決めた場合には,次のその地域内での温泉を決める際に,料理は一つの判断基準となるのです。
  しかし,残念ながら,「この地域の温泉に行こう」と思わせることを忘れて,一生懸命小手先だけの企画に走る温泉が多いです。
  鬼怒川温泉の場合も,まず「鬼怒川温泉に行こう」と思わせることを忘れてはいけません。

2 改めて言うが「お湯,お湯,お湯」
  では,どうすれば「鬼怒川温泉に行こう」と思うでしょうか。
  一つは,「都心から近い利便性」,そしてもう一つは,先ほどもでた「お湯」です。
  しつこいですが,これだけは忘れてはいけません。

3 過去の栄光は一度捨てる
  先ほども書きましたが,最近の従業員の質は高くなってきました。しかし,正直まだまだ殿様商売をしているなあ,というのが実感でした。
  もっとも,かつての従業員の質は,お世辞でも良いとはいえず,中には「客を見て接遇を露骨に変える」仲居がいたことも事実です。しかし,そんな殿様商売をしていたからこそ,客が減ったといえるのです。
  外資系のホテルでは「Guest is all right(客は常に正しい)」と従業員指導しているところが多いです。
  鬼怒川温泉でも,今一度客の視点に立ったサービスとは何か,考え直してみるとよいのではないでしょうか。
  そして,そういう視点から「必要なサービス,不要なサービス」をチョイスすることができます。
  これこそ,「お金のかからない経営改善」の典型例だといえます。

長くなりましたので続きます。
勝手に鬼怒川温泉再生プラン(序章)
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勝手に鬼怒川温泉再生プラン(序章)

2006年02月26日 21時29分56秒 | 経済全般
この土日に,命の洗濯を兼ねて,ブログでもブックマークしている「ぴえるさんと愉快な仲間達」と共に,鬼怒川温泉に行って参りました。

いやあ,やっぱり温泉はいいなあ

大きなお風呂でのんびりとして,その後おいしい夕食に舌鼓,さらに部屋に戻ってからひたすら飲む,普段の嫌なことをすべて忘れてしまうのが温泉の醍醐味です。
今日(日曜日)は残念ながらあいにくの雨となってしまったためにあえなく撤収し帰路につきましたが,しかしながらストレス解消にはもってこいでした。

とまあ,ここまでは温泉談義なのですが,実は鬼怒川温泉は,今大変なのです。
もともとバブル崩壊から過剰投資の返済の見込みがたたなくなったことに加え,足利銀行の経営破たんに始まり,新規融資が抑制されてしまったことから,各温泉とも資金繰りに窮してしまい,結果倒産する温泉や,産業再生気候による支援を得ている大手温泉など,鬼怒川温泉は全体的に厳しい状態にあります。
もちろん,栃木県も黙っているわけはなく,鬼怒川温泉への観光客増加のために,基盤整備や観光行政の増強など様々な対策を講じているほか,唯一の交通機関ともいえる東武鉄道も,JRと提携して新宿からの直通特急を3月18日から開通させるなど,さまざまな鬼怒川温泉再生プランを実行しています。

確かに,過去に数回鬼怒川温泉には来ていますが,以前に比べると旅館の従業員の質が向上したり,また旅館の内装や町並みがこぎれいになった感じがするなど,経営努力や行政の理からの入れ方はかなり伺えます。
しかし,各温泉とも足並みがそろわなかったり,あるいは再生プランが空回りするなど,まだまだ再生への道筋はほど遠いという感じがしました。

そこで,私は別に経営コンサルタントでも何でもありませんが,利用者的な視点から見た「鬼怒川温泉再生プラン」を提案したいと思います。
あくまでも利用者的視点によるものです。したがって,「そんなこと,当然プラニングしているよ」とか「そりゃ無理な話だ」なども多々あると思いますが,その点は戯れ言としてとらえてもらっても結構です。
ただ,「鬼怒川温泉はいいところなんだ。絶対にいい温泉として立ち直ってほしい」という思いだけが伝われば幸いです。

書き始めたら長くなってしまったので,次回以降の記事にします。

勝手に鬼怒川温泉再生プラン(その1)
勝手に鬼怒川温泉再生プラン(その2)

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http://kinugawaonsen.de-kiru.net/2006/12/post.html
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