前回に続きます。
第3 客層にあわせた温泉街を形成すること
1 オールマイティな客層にあった温泉は「スーパー銭湯」のみである
各地域の温泉には,必ずメインの客層があります。
そして,多くの温泉の場合,こない客層の開拓に躍起になります。
しかし,なぜその客層はその温泉に来ないのでしょうか。理由は極めて単純で,「その客層の人は,その温泉に魅力を感じない」ということです。
しかも,来ない客層の開拓のために,町並みや施設などを改装してしまうと,逆にこれまで来ていた客層が魅力を感じなくなってしまい,結果逆に客が減ってしまうというスパイラルに巻き込まれるおそれがあります。
むしろ,客を増やすのであれば,「メイン客層をもっと増やす」という戦略に限るでしょう。また,これを実践することで,メイン客層はリピーターになり得ます。
鬼怒川温泉の場合,メイン客層は「会社等の団体客」と「実年ご婦人世代」ではないか思われます(正確なことは温泉組合が把握しているでしょうが。)。
だとすれば,この客がもっと喜ぶ温泉街や温泉旅館,施設を構築すればよいのです。
なんてことはありません。基本的には,今ある資源を有効利用すればよいのです。一から作る必要は必ずしもありません。メインの客層が馴染んでいるわけですから。
ちなみに,産業再生機構は,「オールマイティな客層を目指す」再生プランを構築しているようですが,個人的には「それで失敗したから再生機構の支援を得ているのでは」とちょっと疑問を感じます。
2 昭和の温泉街は必ずしも否定しない
確かに,客層にあわせて,温泉街も改造する必要がある場合もあります。
例えば,若い女性客が多い湯布院温泉などは,温泉の飲食店などもこぎれいにするなどしています。
では,鬼怒川温泉もすべてこぎれいにする必要があるでしょうか。答えは「NO」です。
前述の客層を前提とした場合,むしろ「昭和の風情のある温泉街」の方が,客のニーズにマッチしている可能性が高いです。また,特に会社の団体客の場合,かなりの確実で,二次会,三次会で「スナック」に行きます。各旅館内にもありますが,旅館は高いから等といって,外に飲みに行きます。そんなときに,風情のあるスナックや居酒屋は客受けがよいのではないでしょうか(もちろん,前述のとおり明朗会計にするべきであることはいうまでもありません。)。
最近では,何でもかんでもきれいな温泉街に改造することがはやっていますが,必ずしも有益であるとは言い切れません。
少なくとも,鬼怒川の場合は,今ある観光店などをうまく活用する方が大事といえます。
3 全天候型観光拠点も考える
とはいえ,温泉に行く以上,もう一つ考えなければならないのは,「周辺の観光地」です。
鬼怒川温泉の場合,日光が近いこと,また東武鉄道をはじめとする各種観光施設(東武ワールドスクエア,日光江戸村,日光さる軍団など)が豊富にあります。これがあるから,鬼怒川温泉に来る観光客は多いのです。
しかし,これらの場所は自動車で行かなければなりません。もちろん,バスも出ていますが,時間的制約や料金の問題もあります。
さらに,雨や雪の場合,とたんに行くところ,やることがなくなってしまいます。
鬼怒川温泉の場合,弱点は,「雨雪に弱い」ことです。
じゃあ具体的に何,といわれると,実は結構難しいですが,例えば草津温泉の「大滝の湯」みたいな大規模公衆温泉を作るなど,あくまでも温泉にこだわる施設を考えてみてもよいのかもしれません。
第4 まとめ
鬼怒川温泉再生の要は,何も難しい経営理論や,外資の注入,さらには税金投入による街全体の再開発ではありません。
今何があり,何が足らないか,そして「客が何を望み,何をすれば喜んでくれるか」を考えるということが大事なのです。
「そんなこと,当然やっているよ」と温泉関係者からお叱りのお言葉を頂くかもしれませんが,残念ながら,1利用者としては,満足度はまだまだ低いです。
もっと,多くの声を聞き,時には,タブーといわれている「お互いの旅館同士で,利用者的立場から意見を出し,議論しあう」ということも大事かもしれません。
もちろん,行政の基盤整備や鉄道会社のフォローも忘れてはいけません。
以上,ほとんど戯れ言に過ぎませんが,鬼怒川温泉に多くの客が集まり,かつてのような勢いを取り戻してほしいと本気で思います。
頑張れ,鬼怒川温泉,頑張れ東武鉄道,頑張れ栃木県!!
勝手に鬼怒川温泉再生プラン(序章)
勝手に鬼怒川温泉再生プラン(その1)
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第3 客層にあわせた温泉街を形成すること
1 オールマイティな客層にあった温泉は「スーパー銭湯」のみである
各地域の温泉には,必ずメインの客層があります。
そして,多くの温泉の場合,こない客層の開拓に躍起になります。
しかし,なぜその客層はその温泉に来ないのでしょうか。理由は極めて単純で,「その客層の人は,その温泉に魅力を感じない」ということです。
しかも,来ない客層の開拓のために,町並みや施設などを改装してしまうと,逆にこれまで来ていた客層が魅力を感じなくなってしまい,結果逆に客が減ってしまうというスパイラルに巻き込まれるおそれがあります。
むしろ,客を増やすのであれば,「メイン客層をもっと増やす」という戦略に限るでしょう。また,これを実践することで,メイン客層はリピーターになり得ます。
鬼怒川温泉の場合,メイン客層は「会社等の団体客」と「実年ご婦人世代」ではないか思われます(正確なことは温泉組合が把握しているでしょうが。)。
だとすれば,この客がもっと喜ぶ温泉街や温泉旅館,施設を構築すればよいのです。
なんてことはありません。基本的には,今ある資源を有効利用すればよいのです。一から作る必要は必ずしもありません。メインの客層が馴染んでいるわけですから。
ちなみに,産業再生機構は,「オールマイティな客層を目指す」再生プランを構築しているようですが,個人的には「それで失敗したから再生機構の支援を得ているのでは」とちょっと疑問を感じます。
2 昭和の温泉街は必ずしも否定しない
確かに,客層にあわせて,温泉街も改造する必要がある場合もあります。
例えば,若い女性客が多い湯布院温泉などは,温泉の飲食店などもこぎれいにするなどしています。
では,鬼怒川温泉もすべてこぎれいにする必要があるでしょうか。答えは「NO」です。
前述の客層を前提とした場合,むしろ「昭和の風情のある温泉街」の方が,客のニーズにマッチしている可能性が高いです。また,特に会社の団体客の場合,かなりの確実で,二次会,三次会で「スナック」に行きます。各旅館内にもありますが,旅館は高いから等といって,外に飲みに行きます。そんなときに,風情のあるスナックや居酒屋は客受けがよいのではないでしょうか(もちろん,前述のとおり明朗会計にするべきであることはいうまでもありません。)。
最近では,何でもかんでもきれいな温泉街に改造することがはやっていますが,必ずしも有益であるとは言い切れません。
少なくとも,鬼怒川の場合は,今ある観光店などをうまく活用する方が大事といえます。
3 全天候型観光拠点も考える
とはいえ,温泉に行く以上,もう一つ考えなければならないのは,「周辺の観光地」です。
鬼怒川温泉の場合,日光が近いこと,また東武鉄道をはじめとする各種観光施設(東武ワールドスクエア,日光江戸村,日光さる軍団など)が豊富にあります。これがあるから,鬼怒川温泉に来る観光客は多いのです。
しかし,これらの場所は自動車で行かなければなりません。もちろん,バスも出ていますが,時間的制約や料金の問題もあります。
さらに,雨や雪の場合,とたんに行くところ,やることがなくなってしまいます。
鬼怒川温泉の場合,弱点は,「雨雪に弱い」ことです。
じゃあ具体的に何,といわれると,実は結構難しいですが,例えば草津温泉の「大滝の湯」みたいな大規模公衆温泉を作るなど,あくまでも温泉にこだわる施設を考えてみてもよいのかもしれません。
第4 まとめ
鬼怒川温泉再生の要は,何も難しい経営理論や,外資の注入,さらには税金投入による街全体の再開発ではありません。
今何があり,何が足らないか,そして「客が何を望み,何をすれば喜んでくれるか」を考えるということが大事なのです。
「そんなこと,当然やっているよ」と温泉関係者からお叱りのお言葉を頂くかもしれませんが,残念ながら,1利用者としては,満足度はまだまだ低いです。
もっと,多くの声を聞き,時には,タブーといわれている「お互いの旅館同士で,利用者的立場から意見を出し,議論しあう」ということも大事かもしれません。
もちろん,行政の基盤整備や鉄道会社のフォローも忘れてはいけません。
以上,ほとんど戯れ言に過ぎませんが,鬼怒川温泉に多くの客が集まり,かつてのような勢いを取り戻してほしいと本気で思います。
頑張れ,鬼怒川温泉,頑張れ東武鉄道,頑張れ栃木県!!
勝手に鬼怒川温泉再生プラン(序章)
勝手に鬼怒川温泉再生プラン(その1)
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