埼玉県川越市で,銀行強盗容疑の男2人が拳銃を持って自動車内に立て籠もるという事件がありました。1人は間もなく車から出てきて出頭しましたが,もう一人はそのまま8時間以上立て籠もり,最後は持っていた拳銃で自殺をしてしまいました。
埼玉・川越の立てこもり男死亡 92年には医師誘拐事件も(共同通信) - goo ニュース
犯人確保のための発砲もありでは
この事件,なぜ8時間以上も警察がにらめっこしていたのか,という点に疑問を感じた方も多かったのではないでしょうか。今回は,特に人質を取っているわけではなく,拳銃を持って1人で立て籠もっているわけですから,すぐに取り押さえることができたのではと思うかもしれません。
しかし,今回の場合,ちょっと問題がありました。それは,「犯人が拳銃を持っている」ことと,「車に立て籠もっている」こと,そして「発砲してこない」ということです。
まず,拳銃を持っているため,下手に突入すると警察官の生命身体に対する危険があります。「警察官は命をかけて仕事をしているのでは」という意見もあるかと思いますが,下手な突入は,警察官の命を無駄にするだけです。いくら警察といえども,やはり殉職者を出さないように考えるのが普通の発想ですし,この事件の場合,命を落としてまで突入させる必要性は乏しいでしょう。軍隊とは訳が違います。
そうすると,まずは突入のタイミングを見ていたといえます。
次に,立て籠もり先が車というのがまた問題でした。建物やバスなどの場合,余裕スペースがあるため,突入計画が立てやすいです。また,前述の警察官の安全も,余裕スペースから確保することが可能です。
しかし,乗用車の場合,余裕スペースがありません。つまり,突入すると犯人が乱射してくる可能性が高く,余裕スペースがないことから,警察の逃げ道がないのです。前述のとおり,本当に「命がけ」になってしまいます。
では,先制攻撃として警察から発砲するというのはどうでしょうか。実は,これも難しくて,今の警察の内規では,威嚇射撃も可能になりました(これでも近年かなり緩和されました。)が,あくまでも他に手段がない場合や,危険性が高い場合に限られています。しかも,射殺は特別な理由がない限り認められず,あくまでも急所を外してうたなかればなりません。
つまり,このケースでは,犯人が警察官到着後も積極的に発砲を続けていたとか,車で逃走しそうな場合であれば,警察から発砲は可能ですが,どうも逃走途中に発砲してからは拳銃を持っているだけだったため,その内規に合致しなかったようです。それゆえ,積極的な発砲ができませんでした。
もっというと,車にこもっている間は,発砲するにも上半身しか出ていないため,「発砲=射殺」という結果になることから,安易に発砲ができなかったものと思われます。
よって,長時間のにらめっこになってしまったのです。
しかし,今回の場合,結果的に犯人が自殺してしまいました。むしろ,早めに確保できれば,犯人も死ぬことなく逮捕することができたかもしれません。また,周辺住民はこの事件のために避難生活を余儀なくされました。周辺住民の影響も大きかったと言えます。
以上のことをふまえると,やはり「もう少し警察が早く発砲できればよかった」といえます。
そのためには,やはり内規を見直して,もう少し警察官の発砲基準を緩和するべきではないでしょうか。もちろん,発砲基準の緩和=射殺の容認ではありません。あくまでも制圧のためという前提は変わりません。
今回の場合,ずーっと車内にいたのではなく,途中表に出てくる場面もありました。ここは,「急所を外して発砲」が十分可能だったはずです。また,車内にずっといた場合は,例えばガス弾を使用するなどの対応も可能だったと思われます。
いずれにせよ,銃器犯罪が増加している今,やはり発砲基準は見直すべきでしょう。もちろん,だからといってバカボンのお巡りさんみたいなのは御法度です。西部警察も微妙でしょう。
犯人の身の安全のためにも,そして周辺住民のためにも,この類の事件は短時間での解決が望まれます。まして,人質を取っていた場合はなおのことです。
「発砲緩和は警察の権力を増やしかねないためけしからん」という反論もありますが,無意味な発砲は今まで通り処分対象にすれば良いだけのことですし,そもそもそれは正当な職務行為ではないので,犯罪になるとして対処すれば足ります。警察が動きやすい状況を作ることが,治安維持の第一歩といえるでしょう。
それより,「拳銃所持」を一網打尽にすることが重要です。これは,引き続き警察の捜査力を期待しましょう。
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http://blog.goo.ne.jp/tenjin95/e/1512c9a2622ec7c5853547ed777a42a2
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http://omegatribe1964.blog69.fc2.com/blog-entry-565.html
埼玉・川越の立てこもり男死亡 92年には医師誘拐事件も(共同通信) - goo ニュース
犯人確保のための発砲もありでは
この事件,なぜ8時間以上も警察がにらめっこしていたのか,という点に疑問を感じた方も多かったのではないでしょうか。今回は,特に人質を取っているわけではなく,拳銃を持って1人で立て籠もっているわけですから,すぐに取り押さえることができたのではと思うかもしれません。
しかし,今回の場合,ちょっと問題がありました。それは,「犯人が拳銃を持っている」ことと,「車に立て籠もっている」こと,そして「発砲してこない」ということです。
まず,拳銃を持っているため,下手に突入すると警察官の生命身体に対する危険があります。「警察官は命をかけて仕事をしているのでは」という意見もあるかと思いますが,下手な突入は,警察官の命を無駄にするだけです。いくら警察といえども,やはり殉職者を出さないように考えるのが普通の発想ですし,この事件の場合,命を落としてまで突入させる必要性は乏しいでしょう。軍隊とは訳が違います。
そうすると,まずは突入のタイミングを見ていたといえます。
次に,立て籠もり先が車というのがまた問題でした。建物やバスなどの場合,余裕スペースがあるため,突入計画が立てやすいです。また,前述の警察官の安全も,余裕スペースから確保することが可能です。
しかし,乗用車の場合,余裕スペースがありません。つまり,突入すると犯人が乱射してくる可能性が高く,余裕スペースがないことから,警察の逃げ道がないのです。前述のとおり,本当に「命がけ」になってしまいます。
では,先制攻撃として警察から発砲するというのはどうでしょうか。実は,これも難しくて,今の警察の内規では,威嚇射撃も可能になりました(これでも近年かなり緩和されました。)が,あくまでも他に手段がない場合や,危険性が高い場合に限られています。しかも,射殺は特別な理由がない限り認められず,あくまでも急所を外してうたなかればなりません。
つまり,このケースでは,犯人が警察官到着後も積極的に発砲を続けていたとか,車で逃走しそうな場合であれば,警察から発砲は可能ですが,どうも逃走途中に発砲してからは拳銃を持っているだけだったため,その内規に合致しなかったようです。それゆえ,積極的な発砲ができませんでした。
もっというと,車にこもっている間は,発砲するにも上半身しか出ていないため,「発砲=射殺」という結果になることから,安易に発砲ができなかったものと思われます。
よって,長時間のにらめっこになってしまったのです。
しかし,今回の場合,結果的に犯人が自殺してしまいました。むしろ,早めに確保できれば,犯人も死ぬことなく逮捕することができたかもしれません。また,周辺住民はこの事件のために避難生活を余儀なくされました。周辺住民の影響も大きかったと言えます。
以上のことをふまえると,やはり「もう少し警察が早く発砲できればよかった」といえます。
そのためには,やはり内規を見直して,もう少し警察官の発砲基準を緩和するべきではないでしょうか。もちろん,発砲基準の緩和=射殺の容認ではありません。あくまでも制圧のためという前提は変わりません。
今回の場合,ずーっと車内にいたのではなく,途中表に出てくる場面もありました。ここは,「急所を外して発砲」が十分可能だったはずです。また,車内にずっといた場合は,例えばガス弾を使用するなどの対応も可能だったと思われます。
いずれにせよ,銃器犯罪が増加している今,やはり発砲基準は見直すべきでしょう。もちろん,だからといってバカボンのお巡りさんみたいなのは御法度です。西部警察も微妙でしょう。
犯人の身の安全のためにも,そして周辺住民のためにも,この類の事件は短時間での解決が望まれます。まして,人質を取っていた場合はなおのことです。
「発砲緩和は警察の権力を増やしかねないためけしからん」という反論もありますが,無意味な発砲は今まで通り処分対象にすれば良いだけのことですし,そもそもそれは正当な職務行為ではないので,犯罪になるとして対処すれば足ります。警察が動きやすい状況を作ることが,治安維持の第一歩といえるでしょう。
それより,「拳銃所持」を一網打尽にすることが重要です。これは,引き続き警察の捜査力を期待しましょう。
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