タイトルを見ても「寅さん」を連想できない人も増えてきていることでしょう(ジェネレーションギャップ!!)。
でも,内容は寅さんとは全く関係ありません。
松江市のJAくにびきで勤務していた女性職員が,上司からのセクハラ等により体調を崩したことを理由にこの上司やJAに対して約2150万円の損害賠償を請求した裁判で,松江地裁は,この女性の請求を一部認め,約11万円の損害賠償を認める判決を出しました。
livedoor ニュース
実質敗訴ですね
この事件,ニュースソースがほとんどないので,例によって複数ニュースの寄せ集めのみで事案を見ますと,女性職員は,上司からのパワーハラスメントによって,服装や私生活にまで干渉したためにうつ病になったこと,また営業活動が夜に渡ることが多かった中,上司から「夜の商売女みたいだな」などと言われ,人格に傷つけられたこと等を理由による損害賠償請求のようです。
そして,これに対し,松江地裁は,女性職員に対する上司の言動は,日常のコミュニケーションの範囲内に属するため,健康被害との因果関係は認められないとして,これを棄却しましたが,「夜の商売女」の発言については,女性の人格をおとしめるもので,もはや常識の範囲内を越えているとしてその部分についての慰謝料を認めた,という構造になっています。
実際,この上司と女性職員との間にどのような言動があったのか,まったく資料がないために分かりません。ただ,一つだけ言えることは,「上司が言った些細な一言が,時に部下に対して大きなしこりとなることがある」という点です。
この裁判でも,上司の発言と女性職員の健康被害についての因果関係を否定しているということは,上司も裁判において私生活や服装等女性職員自体について何らかの発言をしていたことは認めていると思われます。そして,それは裁判所の認定で言うところの「些細な言動で,日常のコミュニケーションの一部」とみえるものといえます。しかし,この女性職員は,それを決して「些細な言動」と取っていなかったと言うことになります。
つまり,客観的に見るとたわいもない言動であっても,当の本人にしてみたらものすごいダメージなる場合がある,ということです。
会社の上司が注意しなければならないことは,これからは部下(男女問わず)に対しては「仕事以外のことは話さない」ということになるのでしょうか。部下の私生活に対しては一切詮索をしないことでしょう。
ただ,本来的には「そんなこと気にせずに自由に話ができる環境」にするのがベストなのではないでしょうか。この女性職員も,もしも自由に話ができる環境にあれば,自分の健康が悪くなってきていること自体をもっと早く相談し,対処できたかもしれません。
もっとも,会社は仲良し倶楽部ではありませんから,いろんな考えの人たちがいます。社長が自由な雰囲気を求めても,中間管理職がノルマに追われてピリピリしているような環境ではとうてい自由な雰囲気にはなりませんし,逆にあまり自由になりすぎると,職場の規律が保てず,営業成績や業務効率の低下につながります。
とすると,やはりこれからは「会社は会社,プライベートはプライベート」と切り分けて生活をするしかないのかもしれません。
人間関係が希薄な現代社会においては,かつての「社長も社員もみな家族」という発想や「なにかあったら飲みに行けば大丈夫」というノミニケーション思想はもはや崩壊しているのかもしれませんね。
ちなみに,旅行代理店の知人の話によると,平成に入り,社員旅行の需要というものが大幅に減少しているようです。もちろん,不景気によりお金が回せないという理由もあるようですが,やはり「休日にまで会社の人と顔会わせる筋合いはない」という考えの人が増えてきて,社員旅行自体成立しなくなってきた,というのが大きな理由と思われます。
JAという組織も比較的役所に近いことから,結構昔ながらの手法で職員とのコミュニケーションを図っていたのではないかと推測されます。もちろん,それが悪いとまではいいませんが,時代が変わる中,昔の手法が必ずしも維持できないこと,逆にそういう部分で昔の手法を維持しているようでは,肝心な業務内容についても先を見ることができないという可能性すらあります。
この点は推測に過ぎませんが,もしそういう体質であったとすれば,これを機に肝心な業務内容面も含めて社内で再検討してみたらよいと思います。
もちろん,他の会社や上司の方も,この判決を他人事とか実質会社の勝ち等と単純に評価せず,「果たして自分の職場は大丈夫か」を見直してみたらいかがでしょうか。
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http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__2014072/detail?rd
でも,内容は寅さんとは全く関係ありません。
松江市のJAくにびきで勤務していた女性職員が,上司からのセクハラ等により体調を崩したことを理由にこの上司やJAに対して約2150万円の損害賠償を請求した裁判で,松江地裁は,この女性の請求を一部認め,約11万円の損害賠償を認める判決を出しました。
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実質敗訴ですね
この事件,ニュースソースがほとんどないので,例によって複数ニュースの寄せ集めのみで事案を見ますと,女性職員は,上司からのパワーハラスメントによって,服装や私生活にまで干渉したためにうつ病になったこと,また営業活動が夜に渡ることが多かった中,上司から「夜の商売女みたいだな」などと言われ,人格に傷つけられたこと等を理由による損害賠償請求のようです。
そして,これに対し,松江地裁は,女性職員に対する上司の言動は,日常のコミュニケーションの範囲内に属するため,健康被害との因果関係は認められないとして,これを棄却しましたが,「夜の商売女」の発言については,女性の人格をおとしめるもので,もはや常識の範囲内を越えているとしてその部分についての慰謝料を認めた,という構造になっています。
実際,この上司と女性職員との間にどのような言動があったのか,まったく資料がないために分かりません。ただ,一つだけ言えることは,「上司が言った些細な一言が,時に部下に対して大きなしこりとなることがある」という点です。
この裁判でも,上司の発言と女性職員の健康被害についての因果関係を否定しているということは,上司も裁判において私生活や服装等女性職員自体について何らかの発言をしていたことは認めていると思われます。そして,それは裁判所の認定で言うところの「些細な言動で,日常のコミュニケーションの一部」とみえるものといえます。しかし,この女性職員は,それを決して「些細な言動」と取っていなかったと言うことになります。
つまり,客観的に見るとたわいもない言動であっても,当の本人にしてみたらものすごいダメージなる場合がある,ということです。
会社の上司が注意しなければならないことは,これからは部下(男女問わず)に対しては「仕事以外のことは話さない」ということになるのでしょうか。部下の私生活に対しては一切詮索をしないことでしょう。
ただ,本来的には「そんなこと気にせずに自由に話ができる環境」にするのがベストなのではないでしょうか。この女性職員も,もしも自由に話ができる環境にあれば,自分の健康が悪くなってきていること自体をもっと早く相談し,対処できたかもしれません。
もっとも,会社は仲良し倶楽部ではありませんから,いろんな考えの人たちがいます。社長が自由な雰囲気を求めても,中間管理職がノルマに追われてピリピリしているような環境ではとうてい自由な雰囲気にはなりませんし,逆にあまり自由になりすぎると,職場の規律が保てず,営業成績や業務効率の低下につながります。
とすると,やはりこれからは「会社は会社,プライベートはプライベート」と切り分けて生活をするしかないのかもしれません。
人間関係が希薄な現代社会においては,かつての「社長も社員もみな家族」という発想や「なにかあったら飲みに行けば大丈夫」というノミニケーション思想はもはや崩壊しているのかもしれませんね。
ちなみに,旅行代理店の知人の話によると,平成に入り,社員旅行の需要というものが大幅に減少しているようです。もちろん,不景気によりお金が回せないという理由もあるようですが,やはり「休日にまで会社の人と顔会わせる筋合いはない」という考えの人が増えてきて,社員旅行自体成立しなくなってきた,というのが大きな理由と思われます。
JAという組織も比較的役所に近いことから,結構昔ながらの手法で職員とのコミュニケーションを図っていたのではないかと推測されます。もちろん,それが悪いとまではいいませんが,時代が変わる中,昔の手法が必ずしも維持できないこと,逆にそういう部分で昔の手法を維持しているようでは,肝心な業務内容についても先を見ることができないという可能性すらあります。
この点は推測に過ぎませんが,もしそういう体質であったとすれば,これを機に肝心な業務内容面も含めて社内で再検討してみたらよいと思います。
もちろん,他の会社や上司の方も,この判決を他人事とか実質会社の勝ち等と単純に評価せず,「果たして自分の職場は大丈夫か」を見直してみたらいかがでしょうか。
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