埼玉県蓮田市で21日に市長選挙があり,埼玉県内で唯一の女性市長であった樋口暁子氏が新人で元市議の中野和信氏に破れるという結果になりました。これにより,埼玉県内から女性首長がいなくなってしまいました。
livedoor ニュース
まあ,これ自体は有権者の民意ですから
前提として,私は蓮田市とはほとんど縁がなく,せいぜい知人が数名いる程度です。また,樋口前市長の政治手腕や方策,さらには各候補者の人となりなども分かりませんので,今回の選挙結果に対する個別具体的な評論はできません。
ただ,一般論として,次のようなことがいえると言えます。
1 現職が負けるというのはよほどのことである。特に女性市長の場合はなおさらである。
2 市議会と市長とは本来はねじれの関係にあって良い
3 投票率が55%というのは,市長選挙としては比較的低い
1については,別に現職が負けないということではありませんが,とかく日本の選挙の場合,どうしても現職有利に動きがちです。
したがって,現職が負けるというのは,その町でよほど現職市長に対する批判が大きかったのではないか,という推測が働きます(その批判の当否は別にして。)。
ただ,そういいながら,一方で3で書いたとおり,投票率は低かったです。とすると,正確に分析するならば,「今回の選挙に市民の関心は低く,いわゆる浮動票はあまり取れなかった。一方,市長の政治手腕に否定的な人たちは積極的に投票に行った」ということではないでしょうか。つまり,選挙によって政治は変えられるということを示したものであるといえるでしょう。
ところで,今回中心に論じたいのは,2についてです。
今回の選挙,新聞報道によると,樋口前市長と議会との間で完全な対立構造となっており,結果として姿勢に混乱を招いたのが敗因ではないかと評価していました。その例として,今年のどの予算は議会で否決され,また助役や教育長も辞職した上に,後任人事及び議会による承認も全く進まなかったなどの問題があったというようです。
しかし,逆にいうと,果たして市長と議会は一心同体で本当によいのでしょうか?
確かに,いずれも有権者による選挙で選ばれているため,民意が反映している人たちであるはずです。そして,民意が一致していていれば,通常は市長も議会も同じような考えでまとまっていると言えるでしょう。現に,ほとんどの地方議会はそのような構造になっています。
しかし,一方で,市長は具体的な施策を実施する人ですが,権力を持っているために時に独善的になることもあります。そこで,市民の代表たる議員が,市長が独善的にならないのかをしっかりとチェックするという責務があります。
したがって,本来の議会の役割としては,「市長のお目付」であり,「市長の御用機関」ではありません。よって,時には市長に対してNOということも必要なのです(常にNOばっかりいっていると,逆に民意を無視しているのでは,と疑いたくなりますが。)。
そう考えた場合,直ちに「議会と市長とのねじれの関係はけしからん」とは言い切れないのではないでしょうか。
現に,長野県の場合,田中知事と県議会とのねじれの関係は今でも続いています。
蓮田市の場合,現実的にどの程度議会と市長との間でねじれの関係があったのかは分かりませんが,いずれにしても,今回の選挙によって,民意が反映され,ねじれの関係が多少改善されたことになると言えるでしょう。しかし,だからといって,議会は市長べったりになる必要はなく,今までどおり毅然たる態度で市長に対して臨むことが大切です。
また,当選した中野氏が,「今後は議会との関係を改善する」と述べていましたが,逆に市長が議会に対して媚びへつらうようになると,逆に市長を選んだ民意って何?ということにもなりかねませんので,議会との関係を踏まえながらも,一方では毅然たる態度で市政に臨むべきであると言えるでしょう。
すなわち,議会と市長との間は「付かず離れず」に位置するのがよいといえるため,新市長と議会についてもその絶妙な位置関係をうまく維持してほしいと思います。
いずれにしても,これで埼玉県からは女性市長が消えてしまいました。ただ,女性だから男性だからという小さな話ではなく,とにかく新市長は蓮田市民の幸せのために全力投球で職務に全うしてほしいと思います。
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まあ,これ自体は有権者の民意ですから
前提として,私は蓮田市とはほとんど縁がなく,せいぜい知人が数名いる程度です。また,樋口前市長の政治手腕や方策,さらには各候補者の人となりなども分かりませんので,今回の選挙結果に対する個別具体的な評論はできません。
ただ,一般論として,次のようなことがいえると言えます。
1 現職が負けるというのはよほどのことである。特に女性市長の場合はなおさらである。
2 市議会と市長とは本来はねじれの関係にあって良い
3 投票率が55%というのは,市長選挙としては比較的低い
1については,別に現職が負けないということではありませんが,とかく日本の選挙の場合,どうしても現職有利に動きがちです。
したがって,現職が負けるというのは,その町でよほど現職市長に対する批判が大きかったのではないか,という推測が働きます(その批判の当否は別にして。)。
ただ,そういいながら,一方で3で書いたとおり,投票率は低かったです。とすると,正確に分析するならば,「今回の選挙に市民の関心は低く,いわゆる浮動票はあまり取れなかった。一方,市長の政治手腕に否定的な人たちは積極的に投票に行った」ということではないでしょうか。つまり,選挙によって政治は変えられるということを示したものであるといえるでしょう。
ところで,今回中心に論じたいのは,2についてです。
今回の選挙,新聞報道によると,樋口前市長と議会との間で完全な対立構造となっており,結果として姿勢に混乱を招いたのが敗因ではないかと評価していました。その例として,今年のどの予算は議会で否決され,また助役や教育長も辞職した上に,後任人事及び議会による承認も全く進まなかったなどの問題があったというようです。
しかし,逆にいうと,果たして市長と議会は一心同体で本当によいのでしょうか?
確かに,いずれも有権者による選挙で選ばれているため,民意が反映している人たちであるはずです。そして,民意が一致していていれば,通常は市長も議会も同じような考えでまとまっていると言えるでしょう。現に,ほとんどの地方議会はそのような構造になっています。
しかし,一方で,市長は具体的な施策を実施する人ですが,権力を持っているために時に独善的になることもあります。そこで,市民の代表たる議員が,市長が独善的にならないのかをしっかりとチェックするという責務があります。
したがって,本来の議会の役割としては,「市長のお目付」であり,「市長の御用機関」ではありません。よって,時には市長に対してNOということも必要なのです(常にNOばっかりいっていると,逆に民意を無視しているのでは,と疑いたくなりますが。)。
そう考えた場合,直ちに「議会と市長とのねじれの関係はけしからん」とは言い切れないのではないでしょうか。
現に,長野県の場合,田中知事と県議会とのねじれの関係は今でも続いています。
蓮田市の場合,現実的にどの程度議会と市長との間でねじれの関係があったのかは分かりませんが,いずれにしても,今回の選挙によって,民意が反映され,ねじれの関係が多少改善されたことになると言えるでしょう。しかし,だからといって,議会は市長べったりになる必要はなく,今までどおり毅然たる態度で市長に対して臨むことが大切です。
また,当選した中野氏が,「今後は議会との関係を改善する」と述べていましたが,逆に市長が議会に対して媚びへつらうようになると,逆に市長を選んだ民意って何?ということにもなりかねませんので,議会との関係を踏まえながらも,一方では毅然たる態度で市政に臨むべきであると言えるでしょう。
すなわち,議会と市長との間は「付かず離れず」に位置するのがよいといえるため,新市長と議会についてもその絶妙な位置関係をうまく維持してほしいと思います。
いずれにしても,これで埼玉県からは女性市長が消えてしまいました。ただ,女性だから男性だからという小さな話ではなく,とにかく新市長は蓮田市民の幸せのために全力投球で職務に全うしてほしいと思います。
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