いわゆる管理職の残業代を0にしたり,8時間労働制限をなしにするなど「ホワイトカラー・エグゼプション」について,安倍首相は「日本人は働きすぎだから,この制度導入することで労働時間が短縮されて,家族で過ごす時間が増えてよいのではないか」などとコメントしているようで,この制度導入に意欲的のようです。
残業代ゼロ 首相「少子化対策にも必要」(朝日新聞) - goo ニュース
認識甘いんじゃないの?
この制度は,あくまでも中間管理職の残業代を払わなくてよいことや,8時間労働の制限がないだけで,仕事自体が制限されるわけではありません。そして,その仕事をこなすためのある一定の目標を設定し,その目標を達成できればそれでいいという制度です。
ていうことは,別にこの制度を導入したからといって,労働時間が短縮されるという帰結にはまったくならないのです。むしろ,連合等多くの労働組合や有識者が指摘しているとおり,「中間管理職の給料は減るが,労働時間が増加し,土日勤務も増え,休む暇なく,過労死や家庭崩壊につながりかねない」ということになるのではないでしょうか。
経営者の立場に考えてみれば,「給料払わなくて仕事たくさんしてくれて,しかも中間管理職だから何かあったときに責任かぶってくれればそれで十分。代わりのこまはたくさんあるから。」くらいにしか考えないでしょう。この制度の恐ろしさは,まさに「経営者の,経営者による,経営者のための制度」であるといえます。一方の中間管理職たる労働者にメリットはほとんどありません。
安倍首相のコメントは,制度の表面的な部分しか捉えていないといえます。この制度を導入することで,本当に「労働時間短縮」になるといえるのか,大いに疑問を感じざるを得ません。むしろ,前述のとおり,労働時間が増加して,ますます家庭円満の機会が奪われるのではないでしょうか。
もっというと,この制度は中間管理職に適用されるものです。っていうことは,本当に子育てに必要な若手世代には適用されません。すると,仮に安倍首相が言っているようにこの制度により労働時間が短縮されるとしても,それはあくまでも中間管理職についての話であり,子育て世代の労働時間が特に短縮されるわけではありません。
もしも,本当に労働時間を短縮させたいのであれば,実は今の制度で十分できる方法があるのです。それは,「残業代を100%確実に支払う」こと,すなわちサービス残業を一切禁止すればよい,ただそれだけのことです。
現在の労働基準法でも,サービス残業は禁止されており,違反企業には行政罰が課せられるほか,未払い分を労働者にすべて支払うことになっています。そして,現に労働基準監督署の調査によって,未払い残業代を支払う旨命じる事例はかなり発生しています。
とはいえ,これらはほんの氷山の一角に過ぎません。本当に家庭円満を大事にしたいという首相の思いがあるのであれば,まず「残業代払え」という方針にしたほうがよほどましでしょう。
なぜ,残業代払えといえば家庭円満につながるのか,それは単純な理論で,「経営者は給料払いたくない」からです。
もっとも,今の自民党は,経営者側から多額の政治献金をもらっているため,経営者の意向に反する政策は提案できませんから,およそ無理な話だとは思いますが,選挙対策としては,このような方法も検討するに値するのではないでしょうか。
本当に家族円満となる労働政策,その点をもっと考えてほしいものです。もちろん,野党もその点について単に反対するだけではなく,明確な対案を示してほしいです。そうしないと,経営者のみならずサービス残業が当然と思っている労働者の支持も得られないかもしれません。
よろしければ1クリックお願いしますm(__)m→人気blogランキングへ
TB先一覧
http://blog.goo.ne.jp/sunafukin-0101/e/1a447b9bbc912594b73a56a166af734f
http://t2.txt-nifty.com/news/2007/01/post_4f5e.html
http://blog.goo.ne.jp/shigeto2004/e/3df0a2c9dc6bc19ee6faf3b4be35df94
http://blog.livedoor.jp/yswebsite/archives/51367105.html
http://t-t-japan.com/~muranose_rena/blog/rena.cgi/permalink/20070110003750
http://blog.so-net.ne.jp/kairos/2007-01-09
http://plaza.rakuten.co.jp/ryujisato/diary/200701140000/
残業代ゼロ 首相「少子化対策にも必要」(朝日新聞) - goo ニュース
認識甘いんじゃないの?
この制度は,あくまでも中間管理職の残業代を払わなくてよいことや,8時間労働の制限がないだけで,仕事自体が制限されるわけではありません。そして,その仕事をこなすためのある一定の目標を設定し,その目標を達成できればそれでいいという制度です。
ていうことは,別にこの制度を導入したからといって,労働時間が短縮されるという帰結にはまったくならないのです。むしろ,連合等多くの労働組合や有識者が指摘しているとおり,「中間管理職の給料は減るが,労働時間が増加し,土日勤務も増え,休む暇なく,過労死や家庭崩壊につながりかねない」ということになるのではないでしょうか。
経営者の立場に考えてみれば,「給料払わなくて仕事たくさんしてくれて,しかも中間管理職だから何かあったときに責任かぶってくれればそれで十分。代わりのこまはたくさんあるから。」くらいにしか考えないでしょう。この制度の恐ろしさは,まさに「経営者の,経営者による,経営者のための制度」であるといえます。一方の中間管理職たる労働者にメリットはほとんどありません。
安倍首相のコメントは,制度の表面的な部分しか捉えていないといえます。この制度を導入することで,本当に「労働時間短縮」になるといえるのか,大いに疑問を感じざるを得ません。むしろ,前述のとおり,労働時間が増加して,ますます家庭円満の機会が奪われるのではないでしょうか。
もっというと,この制度は中間管理職に適用されるものです。っていうことは,本当に子育てに必要な若手世代には適用されません。すると,仮に安倍首相が言っているようにこの制度により労働時間が短縮されるとしても,それはあくまでも中間管理職についての話であり,子育て世代の労働時間が特に短縮されるわけではありません。
もしも,本当に労働時間を短縮させたいのであれば,実は今の制度で十分できる方法があるのです。それは,「残業代を100%確実に支払う」こと,すなわちサービス残業を一切禁止すればよい,ただそれだけのことです。
現在の労働基準法でも,サービス残業は禁止されており,違反企業には行政罰が課せられるほか,未払い分を労働者にすべて支払うことになっています。そして,現に労働基準監督署の調査によって,未払い残業代を支払う旨命じる事例はかなり発生しています。
とはいえ,これらはほんの氷山の一角に過ぎません。本当に家庭円満を大事にしたいという首相の思いがあるのであれば,まず「残業代払え」という方針にしたほうがよほどましでしょう。
なぜ,残業代払えといえば家庭円満につながるのか,それは単純な理論で,「経営者は給料払いたくない」からです。
もっとも,今の自民党は,経営者側から多額の政治献金をもらっているため,経営者の意向に反する政策は提案できませんから,およそ無理な話だとは思いますが,選挙対策としては,このような方法も検討するに値するのではないでしょうか。
本当に家族円満となる労働政策,その点をもっと考えてほしいものです。もちろん,野党もその点について単に反対するだけではなく,明確な対案を示してほしいです。そうしないと,経営者のみならずサービス残業が当然と思っている労働者の支持も得られないかもしれません。
よろしければ1クリックお願いしますm(__)m→人気blogランキングへ
TB先一覧
http://blog.goo.ne.jp/sunafukin-0101/e/1a447b9bbc912594b73a56a166af734f
http://t2.txt-nifty.com/news/2007/01/post_4f5e.html
http://blog.goo.ne.jp/shigeto2004/e/3df0a2c9dc6bc19ee6faf3b4be35df94
http://blog.livedoor.jp/yswebsite/archives/51367105.html
http://t-t-japan.com/~muranose_rena/blog/rena.cgi/permalink/20070110003750
http://blog.so-net.ne.jp/kairos/2007-01-09
http://plaza.rakuten.co.jp/ryujisato/diary/200701140000/
そもそも、裁量労働なんて裁量のある人にしか通用しないですし。
でないと例によって「正義と意味の無い多数決」になってしまうでしょうし、マルサの女ばりに粗探しをするくらいの情報源を揃えるのも必要かと思うのですが・・・。
典型的な論理すり替え事例ですね。ただし,官邸と官庁側で十分すり合わせができていなかったと思われます。
もっとも,この安倍首相コメントを聞いてまに受けるのは,会社に染められてしまった若手新人会社員くらいではないでしょうか。
こういうときこそ野党の出番なのですが,あとはいかに「なるほど」といえる対案を提出できるのか,斬新的な案を出せれば良いですね。
こんなのは自分で労働時間を決めて,自分で好きな時間に仕事して,あとは副業に精を出すような,そんな人でなければ適用することに意味はないハズ。でも,いったい日本のどこにそんな人たちが存在するというのでしょう!本当に残業代を払わないためだけの制度ですよね。
やるなら経営者を対象にやっていただきたいものです……。
子供を本気で増やしたいなら,賃金レベルとか,保育所とか,た~くさんやることはあると思うのですがね。
確かに机上の空論ではこの制度は合理的かつ効率的なものなのかもしれません。しかし,経済政策は机上の空論では絶対にうまくいきません(だからこそ,マルクス経済学は現実に共産国家の破綻という形で終焉してしまったわけです。)。
この制度,ほぼ確実に「経営者が恣意的に使う」のが目に見えています。したがって,あっという間に破綻することでしょう。
むしろ,過労死が増加することで,労働基準監督署の仕事が増え,労災の費用が増えることで,社会保険料が増加していくという悪循環になるのではないでしょうか。
この話聞いて、ストでも興してやろうかと思いました。(・・ってできないですけど)。日本人は欧米の人たちのように仕事とプライベートをはっきり決め付けることのできない気性なのに、無茶な話でしょう?また我が家にもしわ寄せ来るんじゃないって不安ありますもの。現在の労働状況をちゃんと把握してくれているんでしょうか??仕事あって会社は儲かってるのに、残業未払いも多いし、未払いなくても残業代制限ありで給料減ったり、納得いかないでしょ?あと労働者ももっと強く出なきゃいけないですね?労組加入率も少ないようですね。誰も帰ろうとしないからダラダラ仕事するのはやめましょうよ。(独身組が特にそうらしい)
最近では,労働組合も結構微妙な立場にあるようで,過激な組合の場合は,「リストラ対象」になるとして,加入率が減っており(もちろん,本来は違法行為ですが,リストラという名目があると,訴訟の場合も面倒なことが多い),一方通常の組合についても,経営者から「あまり賃上げ要求すると,逆に会社自体がつぶれちゃうよ。それでもいい。むしろ,ここはみんなサービス残業でも良いから頑張ろう,っていう機運を作った方がよいのでは」などといわれて,経営者の意向に従わざるを得ないという状況に陥る場合もあるそうです。
もちろん,全部の組合がそうではありませんが,バックに付く政党が弱い今,どうしても組合だけでは労働者の権利は守りきれないみたいです。
労働基準監督署にちくる,ということもできるのですが,以前,それが誰か発覚してしまい,事実上解雇状態になった例もあることから,あまり労働基準監督署にも言わないみたいですね。
ただ,おっしゃるとおり「だらだら仕事」だけはやめたいものです。これは,誰1人喜びません。