あれは,あれで良いのかなPART2

世の中の様々なニュースをばっさり斬ってみます。
ブログ界の「おか上彰」を目指し、サボりながらも頑張ります!

世の中バレンタインデーみたいですね

2008年02月15日 01時48分17秒 | 徒然日記
別に!
今年もこうして幕を閉じました

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実感0なGDP急上昇

2008年02月15日 01時41分07秒 | 経済全般
昨年10月から12月までの実質国内総生産(GDP)が前期比で3.7%上昇したそうです。要因は,企業の設備投資などの先行投資が多かったためのようですが,一方で,実感に合わない数値であり,下方修正もあるのではなどと懸念されています。

民間エコノミスト、強いGDPでも先行き懸念が大勢(ロイター) - goo ニュース

荒らしの前の静けさ?

この数値は10月から12月までのものなので,厳密には「物価上昇直前」のものです。したがって,小さな話レベルでは,「買いだめ」が多かったという点が上げられます。ただ,それだけで前期比3.7%上昇は無理でしょうから,やはり大きな投資,すなわち設備投資などが進んだものと見て間違いないでしょう。
ただ,それにしても全く実感と合わない数値のような気がしてなりません。すでに,一部エコノミスト達は「下方修正があり得る」と指摘するなど,どうも「帳尻合わせ的な数値」のような気がしてなりません。
もちろん,統計値なのでさすがに偽造はできませんが,2007年の経済成長率1.3%増を政府が目標としていたといういきさつがあることからすると,この目標を達したと言いたいが為に無理無理作り出した数値の可能性が高いです。
では,どうやって作るのでしょうか。これは意外と簡単で,「基本計数たるデータを取捨選択する」だけでいいのです。つまり,複数の統計値からそれぞれ一番いい結果が出そうな数字を拾ってくる,それで十分なのです。

数字とは恐ろしいもので,時に一人歩きします。数字で客観的に物事を見ることはもちろん大事ですが,「その数値が本当に事実を表しているのか」という点を検証することも大切かもしれません。
少なくとも,この数字だけで今後の経済政策を決めないことを願うばかりです。
そして,何よりも「1月期から3月期の数値は大幅なマイナスになった」とならないようにしてほしいものですが,残念ながら,今期は上昇要素が皆無で,むしろ物価高,原油高,株安などで下降要素しかありません。「4%の減少」などとならなければよいのですが・・。

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おいしい道路工事の話(第6章:道路偽装工事疑惑)

2008年02月13日 00時51分44秒 | おいしい道路
 これまでは,主に道路行政の現状を中心に説明してきましたが,ここでは視点を業者側に変えて,そこから説明していきます。また,今回は今までとは異なり,「噂段階の話」であり,これまでの話以上に裏付けがとれていません。そこで,あくまでも「疑惑」という程度に留めたいと思います。

第1 道路工事終了後の対応(表街道)
 1 道路工事が終わったら

   道路工事が終了すれば,検査を受けます。この検査は,抜き打ちで道路の数カ所でボーリングを行い,仕様書どおりの舗装になっているかをチェックします。それで,問題なければ検査をパスしたとして工事終了となります。

 2 道路開通後の対応
   業者には,一応1年間の補修責任を負いますが,道路の場合,自動車の通行を原因として想定外の破損が通常どおり発生します。
   そこで,実際は,陥没や明らかなひび割れなど業者側に責任があると明白な場合以外は,業者の補修責任は発生しません。

 3 道路定期検診
   大規模道路では,数年に1回程度,道路の点検作業を行います。しかし,あくまでも表面や付帯施設のチェックが中心なので,道路の中身まで細かく確認するわけではありません。そもそも,建物のように点検する方法すらないのです。
   一方,小さな道路では,積極的な点検までは行っておらず,せいぜい舗装がとれたかどうかなどを確認する程度になります。

  4 補修作業
    道路の補修作業は,軽微なものであれば役所の職員が行いますが,ちょっと大きな規模になった場合は,業者に発注します。
    ただし,金額がそんなに大きくないことと,急を要する事業であることから,多くは「随意契約」となります。

第2 道路偽装工事って(裏街道)
 1 仕様書と違う道路

   仕様書の道路は,道路構造令に基づく内容となっています。したがって,舗装のサイズや砂利のサイズ,厚さなどが細かく定められています。そして,これを満たすかどうかは,ボーリング検査によって確認するため,ごまかしがきかないようにも思えます。 
   ところが,道路の場合,一度蓋(舗装)をしてしまうと,もはや中身は何も見えません。また,道路にひびが入ったり陥没した場合でも,多くの場合は「まあ,結構車走ったからねえ」くらいで済んでしまい,それ以上の責任問題にはなりません。
   ここに目を付けた業者が,「検査逃れ」を企んで仕様書どおりの道路を造らないのです。具体的には,「砂利を少なくする」ことや「舗装の質を落とす」などがあげられます。
   確かにボーリング調査は役所の担当者の判断で場所を決めるため,業者は「くまなく工事をする」必要があるようにも思えます。しかし,仮にこの業者が首長とつるんでいたとしたらどうでしょうか。当然,検査担当職員に対しても,上司ルートを通じて「検査はこの辺」という指示が降りてくることになります。すると,事情を知ってか知らぬかはともかく,その場所を検査します。業者は,「そこだけは仕様どおり」工事をしますので,検査はパスします。ところが,その他については素材を落としているのです。
   当然,事業費は全額支払われますので,手を抜いた分は「業者の丸取り」となります。さらに,ここに「夢のキャッシュバックシステム」が加われば・・,もうこの先は説明不要ですね。

 2 検査の見落とし
   仮に首長とつるんでいないケースであった場合も,案外簡単に偽装ができます。
   まず,工事で埋めるものは埋めます。ところが,砂利をローラーかけるときに,所定の圧力をかけないのです。すなわち,「ゆるめのローラー」にしておくのです。これで砂利の節約ができます。
   また,アスファルトも,素材は落としておきますし,砂利の配分を減らしておきます。
   こうすることで,トータル費用はカットできます。
   一方,ボーリング調査では,一応厚さは維持しているため,その場限りの検査はクリアするのです。
   ただし,数年後にあっという間にぼろぼろになってしまうのは言うまでもありません。身近にありませんか,あっという間に穴があいた道路?

 3 中古素材の活用
   古い道路工事で出た廃材を再利用しているという疑惑もあります。
   確かに,砂利などは再利用できそうな感じもしますが,古いアスファルトやコンクリートなどについては,それを砂利に混ぜてしまうのは,必ずしも良い方法とは言えません。道路内部が産廃置き場になってしまうからです。

第3 本日のまとめ
   偽装問題が叫ばれる昨今において,道路工事の偽装も重大な問題といえます。
   特に首長と結託してしまうと,もはややりたい放題となってしまいます。
   この対策は,「検査担当の独立の確保」と「定期的な検査の実施」にあります。蓋をした後でも道路構造についてチェックをする制度を作れば,偽装は減少するでしょう。現状では,基本的には蓋をしてしまうと二度と偽装かどうか分かりません。
  また,こうしたチェックはまさに普段道路を使っている私たちのためでもあるのです。快適な道路を維持するべく,定期チェックはもっと細かくやるべきなのです。

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たぶん辞職でしょうね

2008年02月12日 00時58分53秒 | 裁判・犯罪
民主党東京都議の柿沢未途議員が,首都高で物損事故を起こし,さらに酒気帯び運転であることが判明しました。警視庁は書類送検するということです。一方,柿沢議員は,現時点で正式なコメントは出しておらず,今後の対応について関係者と協議の上で決めるとのことです。

柿沢都議が飲酒運転=元外相長男、首都高で事故-警視庁 (時事通信) - goo ニュース

自覚がなさすぎる

酒気帯び運転が今どれだけ社会問題になっているかは,議員でなくても誰でも知っている話です。一部自治体では酒気帯び運転で検挙されただけで懲戒免職にするというくらい厳しい対応で臨んでいるほどです。
議員たるもの,このあたりのことは当然熟知しているはずですし,有権者の見本たる行動を取るべきですし,そもそも人として酒気帯び運転はご法度ものです。
今の社会情勢を踏まえると,残念ながら辞職以外に道はないでしょう。それをしなければ示しがつきません。
「それは厳しすぎるし,議員の職務とは関係ないのでは」という反論も想定されますが,前述のとおり懲戒免職まで設けている公務員もいるくらいですから,議員も公務員である以上それに近い処分を受けてしかるべきだと思います。そもそも,「法律を守れないような人に,まともな政治ができるのか」という問題すらあります。
民主党の出方を見守りたいものです。

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岩国市長は空母移転容認派の福田氏が当選,されど民意は・・

2008年02月11日 03時18分53秒 | 地方自治
米軍基地再編に伴い,アメリカ空母艦載機部隊が厚木基地から岩国基地に移転することの是非が中心争点となった岩国市長選挙は,僅差の結果,部隊移転容認派で新人の福田良彦氏が現職の井原勝介氏を下し,当選しました。投票率は,76.26%と前回の65.09%を大きく上回り,市民の関心の高さが伺われた選挙となりました。

岩国市長に福田氏=米艦載機移転を容認-国と条件交渉へ・山口 (時事通信) - goo ニュース

部隊移転自体を容認したともいいきれない

今回の選挙は,簡単に言うと,井原前市長が,空母艦隊の受け入れを拒絶したとこと,国からの交付金がカットされたため,市庁舎建設の資金繰りに困り,やむなく合併特例債を歳入としようとしたところ,議会からそれを3回に渡り否決されたことから,民意を問うとして辞職再選挙となったものです。
そして,今回は,投票率も高くなり,かつ容認派の福田氏が当選したということで,民意は「空母艦隊移転大賛成」ととらえられている節もあります。

しかし,そうとも言いきれない点があります。
まず,2年前の艦載機部隊移転の是非を問う住民投票においては,実に87%の住民が「NO」と表明していました。したがって,この2年で急激に住民意識が変わったとは言いがたく,住民の本音は今でも基本的に「移転はいやだ」と考えているものと思われます。
現に,投票結果を見ても,福田氏が47081票,井原氏が45299票とほぼ互角であり,少なくとも現状では「低く見積もっても半数の住民は依然として反対」と考えても良いでしょう。
したがって,福田氏も自身で指摘しているとおり,「安易な迎合はしない」という姿勢が絶対条件であろうと思われます。ここの処置を誤ると,市民からのリコールが簡単に起こります(3分の1以上の反対派がいるため。)。あくまでも,「もう民意を得た」という姿勢ではなく,「市民の理解を得る」ことを第一に移転について慎重に検討することが大切でしょう。
もちろん,岩国市の問題は基地移転だけではありません。さまざまな問題に対しても,若さと国会議員としての実力をフルに発揮して,活気ある岩国市になるよう全力を尽くして欲しいと思います。

一方で,井原氏の敗因はどこにあったでしょうか。やはり,「議会とのねじれ」が大きかったと言えます。議会も民意を反映している組織である以上,議会との調和を図る必要性もあったのではないでしょうか。もちろん,先の住民投票をベースにした場合,民意がどの程度反映された議会であるのかは微妙なところではありますが,少なくとも住民代表である以上,やはり意見は尊重するべきだったのかもしれません。
また,兵糧責めがやはり痛手だったと思います。これにより,市民の一部は「やはり国にけんかするとろくな目に遭わない」と判断して,基地移転賛成に回った方もいたと思います。その差が最後の微妙な接戦の数字に出たものと思われます。
あとは,公明党を味方に呼べなかった点が大きいでしょうか。

いずれにせよ,岩国市は新たなサイが振られました。福田新市長は自分でも言っているとおり,「反対派の意見を尊重する」姿勢を忘れずに,国や自民党に迎合することなく,
市民目線でこの基地問題をしっかりと解決し,岩国市民が安心して楽しく生活できるよう全力を尽くしてほしいものです。


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おいしい道路工事の話(第5章:景気対策の工事)(裏街道)

2008年02月11日 02時35分21秒 | おいしい道路
いよいよ裏街道に入ります。

第2 公共事業を増やす本当の理由(裏街道)
 1 破綻したケインズ理論

   「景気が悪いから公共事業」といえば,それだけで議会もスルーパスで事業予算が付く傾向にあります。
   しかし,果たしてケインズ理論は本当に景気浮揚策の万能薬でしょうか。
   実は,経済学者の中から「ケインズ理論はもはや通用しない」という見解が出始めています。
   その理由はいろいろあるので詳細は省略しますが,簡単に言えば「市場に注入できるお金には限界がある」ことと,「借金は数年ですべて返済できる前提の理論である」こと,「雇用は維持されて失業者減少が継続することが前提にある」などといわれています。
   ケインズ理論の真偽についてはここではテーマ違いなのであえて突っ込みませんが,少なくとも言えること,それは「なんでもかんでも公共事業をやれば景気が良くなる」という考え方はもはや過去の遺物であるということです。

 2 不景気にお金がほしいのは業者の方
   では,実際不景気の時に一番困っているのはどこでしょうか。これは紛れもなく業者です。公共事業以外の投資が冷え込む以上,特に建築土木関係は大幅に受注が減りますので,会社の資金繰りが苦しくなります。
   するとどこからお金をもらうかといえば,「税金」しかないのです。
   また,「夢のキャッシュバックシステム」により,業者の資金繰りが苦しくなれば,議員らの取り分も当然減り,自分達の資金繰りも困ってしまいます。だからこそ,「景気対策」を冠にして公共事業を増やすのです。そうして,税金から資金を得るのです。
   彼らが臨むことは,「日本経済の回復」ではなく,「自分経済の回復」に過ぎないのです。

 3 地元企業保護政策の功罪
   地方自治体の事業の場合は,景気対策にプラスして「地元企業の振興」がありますが,これが本当に地元企業振興ということで地域の活性化になるのでしょうか。
   結論から言えば,これこそまさに今までの「夢のキャッシュバックシステム」を寄り強く押し進めるための方便にすぎません。言うなれば,「役所公認談合」なのです。
   なぜでしょうか。理由は単純で,「一部の企業しか儲からない」,「一部の業種しか儲からない」ということと,「実際に税金として戻ってくるお金はほとんどなく,むしろ流出するだけ」だからです。
   地元企業振興であれば,ある程度くまなく事業を行うべきであるところ,実際は建築土木関係に限られてしまいます。のみならず,先に説明した入札制度(しかも地元振興目的の場合は指名入札になる)ため,完全に「息のかかった業者」しか事業に参加できないのです。当然儲かるのはその企業だけ。さらに,その企業が儲かった位で町全体の景気を良くすることは無理です。なぜなら,その企業が払うお金の大半は「人件費」と「材料費」であるところ,労働者が全員同じ町に在住しているわけではなく,また材料も町内だけですべて調達することは難しいからです。つまり,お金は「流出」するだけなのです。
   事業税についても,確かに町に戻る部分もありますが,割合としては僅かです。少なくとも「実質安い」と豪語するほどの納税額にはならないのです。
   以上のように,地域振興策としての地元企業保護政策は,実際は「首長を応援すれば儲かるよ」というアドバルーンと反対派に対する脅し材料に過ぎないのです。

 4 孫請け企業の悲惨さ
   一方で,孫請け企業たる小さな会社や個人経営の場合はどうでしょうか。逆に,これはかなり悲惨です。簡単に言えば,「親会社のパシリ」になってしまい,しかもそれを断れない構造になっているのです。
   まず,以前説明したとおり「ピンハネ」があるため,会社の儲けはほとんどありません。しかし,「もっとお金をくれ」と下請け企業や大手企業に言おうものなら,「もう仕事あげない」の一言で終わってしまいます。その瞬間,会社は倒産です。
   「え,他の仕事探せば」と言うのは簡単ですが,実はそれもできない事情があります。続にいう「爆弾手形」を振り出しているからです。ここの構造を説明するのは難しいので,ごく簡単に言えば,「期限までにキャッシュを銀行に払わないと手形が不渡りになり倒産」という手形を下請け企業等に振り出しているのです。いわば「手形を人質」にされているため,何も言えないのです。ひどい事例としては,「金額白地手形」まで振り出させることもあるようです。これは「無制限保証」をしたようなものです。
   したがって,安いお金で働くだけではなく,親会社の言いなりにいろいろと活動せざるを得ないのです。もちろん,親会社の支持している首長や議員がこけると,自分達の生活も一気に破綻してしまうため,必要に迫られて選挙の時の桃太郎の動員に応じるなどして,実質的実働部隊を買って出るのです。
   それだけやっても,いざとなればトカゲのしっぽ切りの対象になるだけです。
   このような「負のスパイラル」を抱えている以上,この部分を何とか救済してもっと自由な経済活動を確保する道を考えない限り,この大きな裏街道はなくならないのです。

第3 本日のまとめ
   ケインズ理論を理由に公共事業を増やしますが,実際は景気対策としての効果は薄く,結局は自分達だけが儲かるための構造になっているに過ぎません。
   景気対策事業という冠を付けた場合,果たして本当にそれで景気が良くなるのか,客観的な資料に基づいて具体的な説明を議会等に行い,議会もそれを真剣に吟味するという態勢が求められます。
   同様に,地元企業振興策についても,それによる経済効果がどの程度あるのか,ある程度まんべんなく振興することができるのかなどについてしっかり説明する必要があります。
   「景気対策」の言葉にだまされてはいけません。
あくまでもつりです。
   一方で,セーフティーネットとして,中小企業の「より自由な活動」を支援できるため施策(例えば低利融資や小規模事業の入札など)を検討する必要もあります。

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おいしい道路工事の話(第5章:景気対策の工事)(表街道)

2008年02月11日 02時17分13秒 | おいしい道路
 道路工事を行う際の理由としてよく取り上げられる言い分として,「景気対策」があげられます。
 これは,「不景気の際は公共事業を行うことで景気が良くなる」というケインズ理論をベースにしており,実際この手法で景気を良くしたというのは世界中のどこの国でも起こっています。
 しかし,これがために逆に「本当に景気が良くなるの」という疑問や,景気対策という一言で無謀な公共事業が進められているという現状も指摘されています。
 そこで,今回は,景気対策という観点で無駄な道路工事が発生している実情について説明していきます。

第1 景気対策と公共事業の関係(表街道)
 1 基本はケインズ理論

   まず,なぜ景気対策に公共事業がよいかを簡単に説明します。
   これは経済学者のケインズが唱えた見解で,ものすごくおおざっぱに言うと,「不景気の時は市場でお金が回っていないし,失業者も多い。だから,巨額の公共事業を興すことで,多額の資金を市場にばらまくことができる。また,公共事業によりたくさんの労働者が必要となるため,失業者も減る。だから景気が良くなる。」というものです。
   実際,1929年の世界恐慌の際,アメリカはニューディール政策により巨大ダム建設などを行い,結果恐慌の波を逃れたとされています。
   その後,修正ケインズ理論などいろいろな見解が出ていますが,今日では基本的な経済政策はケインズ理論に基づいているのです。

 2 景気浮揚策としての公共事業
   日本でも例外ではなく,ケインズ理論が取り入れられています。そこで,景気対策として公共事業を増やすということが行われています。
   実際,バブル崩壊後の不況期には,あえて公共事業を増やし,時には事業計画を前倒ししてまでも,たくさんの公共事業を実施しました。
   また,地方自治体の事業の場合は,景気対策だけではなく,「地元企業の保護と振興」という名目の元で,大企業が入らない中規模な事業を多数行います。これは,単に企業が儲かるというメリットだけではなく,「払ったお金の一部が法人事業税などで地方自治体に戻ってくる」ということで,トータルでは地元以外の企業に受注するよりもお得であるという発想も含まれています。

裏街道は次回へ

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ここはなめられないようにきっちりと

2008年02月10日 13時13分38秒 | 外交・海外情報
ロシア戦闘機が八丈島周辺を領空侵犯したとして航空自衛隊等がスクランブル発進をしたそうです。幸い,当該戦闘機はすぐに領空外に出たため,事なきを得ましたが,外務省からロシアに対する抗議に対し,ロシア側はそのような事実はないと領空侵犯の事実自体否定したようです。

「領空侵犯は無かった」ロシア副首相が高村外相に説明(読売新聞) - goo ニュース

他の国になめられないように!

このニュース,あまり実害がないような報じ方をしていますが,根底には結構日本国を揺るがす大きな問題が含まれていますので,きっちりかたをつけてほしいものです。
確かに,旧ソ連時代にはかなり領空侵犯がありましたが(年間900件程度あった年もあるようです),ロシアになってからは激減しています。しかも,今回のケースは,戦闘機といってもいわゆる攻撃戦闘機ではないようですし,さらにはすぐに領空外に出て行ったところを見ると,おそらくは「うっかり侵犯」という過失型領空侵犯であると思います。それゆえ,ロシア政府も「侵犯した認識すらない」ということから事実を否定しているのでしょう。
「じゃあ,めでたし,めでたしということで」というオチで解決しそうなところですが,問題はここからです。
スクランブル発進自体は結構頻繁に行われているようなのですが(平成18年の防衛省統計では239回),その大半は実はロシアのようです(198回)。つまり,故意過失はともかく,ロシアは「日本は多少ショートカットしてもちょろい」となめられているとしか思えません。
また,それ以外の隣国も数十回領空侵犯行為を行っています。これらも本当にごく一部の事例を除いてうっかりミスであるとは思いますが,いずれにしても平均毎週5回程度は領空侵犯行為があるのです。イメージとしては「平日は毎日領空侵犯」ということになります。もちろん,全部が全部戦闘機というわけではないので,本当に危ない領空侵犯はごくわずかであるとは思います。
今回だけなぜ特にニュースになったのかよく分かりませんが,きっちりと落とし前をつけなければ「日本はちょろい」と世界中の国から言われかねません。もっといえば,日本の防衛能力すら疑われかねず,下手をすると「日本攻撃の入り口」を簡単に探されかねません。今の時代,制空権を抑えた国が戦争に勝ちますので,制空権を敵国に抑えられたら日本は終わりです。
そうはされないためにも,外務省としては「お前ら,いい加減にしろ!」とロシアや隣国にガツンといってほしいと思います。
日本的なあなあ解決は,防衛問題に関してはご法度です。

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おいしい道路工事の話(第4章:道路構造令と補助金の不思議な関係)(裏街道)

2008年02月07日 01時02分24秒 | おいしい道路
いよいよ裏街道に入ります。

第2 実際には道路の大きさはどうやって決まるか(裏街道)
 1 すべての道は「補助金」に通じる

   建前論としては,予定道路の性格や規模が補助金の趣旨に合致すれば,はじめて「補助対象事業」として補助金の申請が可能となります。
   しかし,実際は全く逆で,まず「補助対象事業に合致した道路」を地図上に落としてから道路工事の計画を造るのです。すなわち「補助ありき」道路なのです。
   当然,補助対象事業に合致した道路ということは,道路構造令の種別や級も指定されるため,それに見合う道路ということになります。そして,種別や級は前述のとおり,場所と用途と通行量で決まります。
   とすると,「1日利用予定台数」の算出についても,本来的な事情(地理的条件や社会的条件)から算出するのではなく,「まず結論ありき」の数字が出ており,それを理屈づけるために本来的な事情を後追いで付け足していくのです。
   こうやって,「完全なる逆回転」で道路の計画が出来上がるのです。

 2 立派すぎる道路
   逆回転で道路計画ができますから,多くの場合,結果的に「不釣り合いな道路」が完成します。これが批判の矛先になる道路なのです。
   しかし,議会説明の際は,「交通量を算出したらこれだけになった。だから,道路構造令に基づいてこんな規模の道路を造った。文句あるか。」で済みます。一応理屈がとおるからです。ところが,実際は逆回転で道路を造っているため,そんなに交通量があるはずがないのです。その際の議会説明は,「当初見込みほど交通量が伸びなかった。だけど,これから需要が見込まれるから決して無駄ではない。そもそも,道路構造令どおり造っているから,無駄じゃないんだ。」と言ってそれでおしまいです。
   こうして,「誰も通らない立派な道路」が完成してしまうのです。

 3 首都高の亡霊
   立派な道路を造っているという批判に対して,必ず出される反論が「首都高はオリンピックに備えて当時の基準を下げてまで無理矢理造ってしまった。だから,今渋滞が起こっている。こういう問題を防ぐためにも,道路は余力を持たせるべきである。また,景観や環境に配慮する必要もある。」というものです。
   確かに,これを言われると,「将来のためには良いものを造るべし」というのが計画的なまちづくりであるといえそうです。
   私はこれを「首都高の亡霊」と呼んでいます。この亡霊に取り憑かれた人たちは皆声を大にして,「高規格道路建設だ」と主張しています。ところが,これは実は「論理のすり替え」に過ぎないのです。
   確かに,首都高建設において,規格ダウンは失策でしたし,渋滞の原因の一部は設計ミスにあることは事実です。しかし,それは「早く安く造る」という観点を優先してしまったためであり,想定交通量の推計をおざなりにしてしまったからなのです。いわば,首都高も当時の事情に基づく「逆回転道路」だったのです。
   とすると,日本全国すべての道路が,すべて数十年後に渋滞が発生するというわけではなく,むしろ「客観的中立的な観点から適正な想定交通量」を推計して道路を造るという原則論どおり設計すれば,この亡霊は発生しないのです。
   もちろん,それでも推計ミスは起こると思いますが,少なくとも「逆回転道路」よりは確実に「ここは大きい,ここは小さい」が正確に造れるのです。道路構造令もそうした事情を配慮して規定されているのです。
   「首都高の亡霊」を錦の御旗にすることが,無駄な規模の道路が増える要因にもなっているのです。

 4 融通の利かない道路構造令
   ここまで読まれた方で,ある疑問にぶち当たった方がいるのではないでしょうか。それは,「道路構造令ってそんなに厳格なものなの?」という点です。
   結論から言いますと,これを守らなくても道路としては成立します。ただ,補助金がもらえないなどのデメリットがあるだけです。
   ところが,これまでの裏街道の説明どおり,補助金がほしいというのが本音にあるため,この規定に道路を併せざるを得ません。一方で,道路構造令の基準は全国一律になります。ここに道路構造令の弊害が発生するのです。
   すなわち,「地域の特性に応じた道路が造れない」ということになるのです。例えば,地方の道路の場合でも,高速道路と一般道路とでは規格が大きく異なります。ところが,想定通行量が同じであれば,何も完全に同じにする必要はないのです。新幹線でも「ミニ規格」ができたように,高速道路でも「ミニ規格」を造っても通行量的には問題がないのですし,事業費も大幅に削減できます。また,想定通行量も細かく分析すると全線で同じになるわけではないため,場所に応じては例えば「1.5車線」も容認するなど柔軟性を持たせれば,その分の事業費も節約できます。当然,想定交通量を踏まえているため,渋滞も起こりにくいのです。なによりも,想定通行量の自動車が十分に走れるのであれば,地域の活性化にも大きく貢献できるはずなのです。
   ところが,現状では「高速道路はこれ,一般道ならこれ」と完全に方が決められてしまいます。結果,建前を守るための費用がかさみ,総事業費が増加してしまうということが実際にあるのです。
   もちろん,道路構造令の役割は道路の安定供給にあるため大変重要であることは承知していますが,一方で「地域の特性に応じた柔軟な対応」も可能にする必要があるといえるでしょう。

 5 返せない補助金
   補助金制度についても,実はいろんな問題があります。
   その中で,一番痛いのが,「補助金を返してはいけない」という闇ルールです。
   「あれ,さっきの表街道では余ったら返すといったじゃないか」というつっこみが聞こえてきそうですが,ここがまさに本音と建て前なのです。
   確かに,補助金は流用禁止なので,余ったら返すのがセオリーです。しかし,実は,国(財務省)としては,「一度交付した金が戻ってくる」ことを異様なまでに嫌います。理由は様々ですが,「査定が甘い」と評価されるのがこまるというところが大きいです。
   そうした裏事情もあり,補助金返還は断固拒否してくるのです。すると,地方自治体としては,補助金を使うためにやむなく「工事の距離を伸ばす」か「グレードアップする」かの二者択一の選択に迫られるのです。
   結果,後々「無駄だったよねえ」と揶揄される道路となってしまうのです。

第3 本日のまとめ
   無駄な道路と言われるもう一つの理由である「立派な道路」,これは補助金ありきの「逆回転道路計画」による場合と,「形式的すぎる道路構造令」による場合が大半なのです。特に「逆回転道路」は完全に邪道なので,原則どおり正確な利用推計を算出するという点から道路規模を算出することが無駄を減らす第一歩であるといえます。また,地域の特性の即した道路を造れるようにする必要があることが無駄を省く原点といえます。
   当然,道路の計画が出た場合は,この想定通行量が本当に妥当なのか,後付の理由ではないのかなどを議会で厳しくチェックをするほか,住民にも情報公開をするなどしてあらゆる視点からチェックをするということが求められると言えるでしょう。いわば,私たち1人1人がお目付役となるのです。
   ただし,「首都高の亡霊」にはくれぐれもだまされないように。

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おいしい道路工事の話(第4章:道路構造令と補助金の不思議な関係)(表街道)

2008年02月07日 00時37分10秒 | おいしい道路
 これまでは,主にお金がどう動いているのかについて説明してきました。一方で,道路について無駄だと指摘されるもう一つの要素として「やたら大きい道路造って」などという「道路の規模」に関する点があげられます。
 ところが,この道路の規模,何も適当に幅を決めているのではなく,「道路構造令」という法律に則っているのです。もちろん,大阪の御堂筋のように建設当初は大きすぎるなど批判されていたものの,現在ではこのくらいの広さが無ければむしろ交通網として成立しなかったなどという事例もありますので,何でもかんでも「大きいことが悪いこと」とまでは言えません。
 そこで,今回は,道路の大きさがどうやって決まるのか,道路構造令を中心に表街道を説明した上で,これに補助金が絡むとその理念がどこまで曲がってしまうのかという裏街道を説明していきます。

第1 道路の大きさの決め方(表街道)
 1 すべての基準は「道路構造令」にあり

   前述のとおり,道路の基準は「道路構造令」に細かく定められています。簡単に言うと,道路を第1種から第4種まで分類し,さらに各種別の中で1級から最大5級まで細分化します。そして,それぞれに見合った幅員や付帯施設,舗装方法等の基準を定めています。
   そして,この種別は高速道路か否かと,都市か地方かで分類します。級別についていは,想定交通量で分類します。当然,道路の構造も都市一般道の4種よりも地方高速道路の1種の方が良くなりますし,同じ地方一般道たる3種だとしても,交通量の少ない5級よりも交通量の多い1級の方が当然構造は良くなります。

 2 補助金の基準は道路構造令
   次に,前回説明したように,道路工事には様々な補助金制度があり,これを活用して道路建設をします。
   補助金にはそれぞれ目的があるため,その目的に応じた道路工事に対して交付されることになります。そして,その際の条件として「道路構造令に合致した道路」を造ることになるのです。
   したがって,地域の事情で道路構造令の基準未満の道路を造ろうとした場合,「不適格道路」となり,補助事業としては認定されないことになります。ただし,単独事業で不適格道路を造ること自体は特段問題はありません。

 3 補助金の用途
   ここで,簡単に補助金システムについて説明します。
   補助金は,事業費の一部を補助するという性質であるため,まず用途が限定されます。当然,道路工事で補助金が出た場合,これをその道路工事以外で使用することは許されません。
   また,入札などで当初予算より安く済んだ場合,それで仮に補助金にあまりが出れば,それは返還しなければなりません。
   つまり,補助金は自由に使えるものではないのです。

裏街道は次回へ

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