あれは,あれで良いのかなPART2

世の中の様々なニュースをばっさり斬ってみます。
ブログ界の「おか上彰」を目指し、サボりながらも頑張ります!

自分の思うとおりの報道がされるとは期待しない方がよい

2008年06月13日 01時47分38秒 | 裁判・犯罪
NHKの取材に協力した民間団体が,当初の意向と異なる番組内容になったなどということでNHK等に対し損害賠償を請求した裁判で,最高裁は二審の判決を破棄し,原告の請求をすべて棄却しました。

取材協力者の「期待権」認めず、NHK番組改編で最高裁(読売新聞) - goo ニュース

差し戻さないで破棄自判とは珍しいかも

この判決の第一印象はここでした。しかし,よく判決文を読んでみると,事実認定それ自体は二審のままであり,その当てはめの前提となる法律論について縷々述べていたため,差し戻す必要はなく,自判したといえます。
(判決文原本はこちらの最高裁HPを参照してください。)
さて,この判決,どういう内容なのか,かいつまんで説明します。

第1 事案の概要
 1 NHKから,民間団体が主催したイベントを取材させてほしいと依頼し,その際,その民間団体のイベントに社会性を感じ,大きな問題的ができると思うからと説明したところ,民間団体はそれならOK牧場ということで取材に協力した。
 2 ところが,NHKは編集をしているうちに,中立性の観点に疑問を覚え,当初の編集方針を一部修正して放送した。この際,編集方針が変わったこと等を特に民間団体には事前に説明しなかった。なお,A前官房副長官が編集段階でNHKと接触を持ったが,そこでは持論の展開と放送に対する中立性の確保の提言をしたことは認められるが,それが圧力行為になったかどうかについては一切言及していない。
 3 放送をみた民間団体の人たちが,「おい,話が違うよ」ということで,NHKらを相手に,(1)取材に応じた以上,自分たちの意向にそった放映がされるという期待権があり,NHKはその期待権を裏切ったので,不法行為が成立する,(2)放送内容が変更するという時点で説明義務があるところ,それを怠ったということで不法行為または債務不履行による損害賠償を請求した。

第2 最高裁判決のざっくり概要

 1 取材を受けた人には,自分の意向どおり放送されるという法律上の期待権は原則としてない。なぜなら,放送法で放送の中立性などのしばりがあること,どのような内容を放送するかは報道機関に表現の自由があり,現の自由を守るために一定の自律権が認められるべきだからである。
   ただし,例外としては,取材段階で意向どおり放送することをしっかり説明し,客観的に見てもその説明を聞けばそりゃあ取材に応じるなあ,という程度の内容であり,かつ取材を受ける人に特別の負担が発生したような場合は,法律上の期待権が発生する。
 2 本件では,そのイベントはNHKが取材するか否かに関係なく開催されたので,特別の負担が発生したとは言えない。また,取材時の説明もあくまでも担当者の個人的見解として説明していたことが端で見ても分かるような状況だったので,例外に該当するとはいえない。よって,期待権を理由に損害賠償は無理!
 3 説明義務違反については,そもそもそんな期待権がない人に説明する筋合いがないので,債務不履行にも不法行為にもならず,損害賠償は無理!
 4 よって原告敗訴。

第3 横尾裁判長の意見
   結論は同じだけど,理論構成が違う。
   取材の相手が何考えているか取材中には分からないだろう。なのに期待権なんて法律上の権利を認めちゃうと,報道機関は空気読んで放送しなければならず,それは「なんか恐いから放送できないねえ」という萎縮効果が発生し,報道の自由を侵害しかねない。
   また,取材はすべて使われる訳ではなく,取捨選択することが常識となっているため,取材を受けた人にそんな法律上の権利なんか与えられないよ。

以上がざっくりした内容になります。
個人的には妥当な判決内容だと思います。この民間団体が良い悪いとかNHKが今とんでもない状況にあるとかはまったく関係のない話で,純粋に法律理論として筋が通っていると思うからです。
この問題,NHK問題や国会議員関与問題,さらにはこの民間団体の思想などが絡んでいるために,論評では本筋が見えなくなってしまっています。しかし,ざっくり判決のようにあえて普通名詞ですべて判決を整理してみると,「表現の自由vs報道期待権」の問題であると集約できます。となると,表現の自由に優位性が認められるのは当然といえるでしょう。

この判決について,法律論として,次のような批判が考えられますが,それについては私は次のように考えます。
1 報道機関と民間団体とでは力関係に違いがありすぎる
 →民間団体にも当然表現の自由があるので,NHKが力で自分の考えと違う放送をしたと考えたのであれば,こちらから反論の表現をすればよい。特に今日では,ネット環境も充実していることからすると,反論は容易であろう。さらに,報道機関も多種多様に及ぶため,この民間団体の思想に近い報道機関はあるはず。

2 取材内容と違う放送で名誉が侵害されることがあるのではないか
 →今回の判決では,名誉権については触れていないため,もし名誉侵害があれば,原則通り名誉毀損に基づく損害賠償を請求すれば足りる。
  例えば,「おいしいラーメン屋紹介」ということで取材に応じたところ,放送で「まずいラーメン屋」といわれたら,名誉毀損になるであろう。しかし,「客のラーメンの好みチェック」ということで放送された場合は,名誉毀損にならないので,この判決の期待権の例外自由に合致するかどうか検討すればよい。

3 政治家の圧力について認定していない
 →最高裁は事実認定はしない。だから,差し戻しをしなかった。そもそも,政治家の圧力による編集変更は,期待権の有無の認定に無関係であるため,あえて認定しなかったにすぎない。また,期待権がない以上,仮に政治家の圧力が編集方針変更の原因であったとしても,どっちにしても損害賠償は請求できないため,この認定に時間を割くのは裁判を長引かせるだけである。
  では,政治家は好き勝手に報道機関に口出しをして良いのかというと,そうではない。報道機関に報道の自律性を認めた以上,どんな圧力もはねのけてよいし,圧力があったことを報じてもそれが公正な報道目的であればOK牧場といえる。そういう意味では,報道機関に,「堂々と政治家と戦っていいよ」と最高裁は述べたとも言えよう。

4 これじゃあ,誰も取材を受けなくなるのでは
 →もともと,取材を受けるか否かは自由なので,これにより大きな制約はないであろう。
  むしろ,期待権を認めると,政治家に対する取材においては,政治家のいいたいとおりに報じることになり,汚職や政治とカネの問題などの追求報道ができなくなってしまう。それよりも,「取材拒否」という点も含めて堂々と報じられるようにした方が国民の知る権利にも資することになる(もちろん,名誉権とのバランスは必要。)。

以上です。
最後に,この判決の真意ですが,各報道機関が報じているような「単純な報道の自由」を論じたわけではありません。むしろ,最高裁は「報道機関に高度な責任」を与えたといえます。すなわち,「国民の知る権利を充足するために,いかなる場合も中立公正な報道を行い,どんな人であっても特定の人の意向に左右されてはならない。」といえるでしょう。決して,「報道機関のやりたい放題」を是認したわけではありません。
NHKも含め,各報道機関は,この判決を踏まえて心を引き締めて報道を行ってほしいものです。

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それでも国会は続いていく

2008年06月11日 23時41分51秒 | 政治・選挙
参議院で,福田総理に対する問責決議案が可決しました。憲政史上初ということです。
一方,衆議院では内閣信任案を決議する方向で検討しているということで,ねじれ国会がより明確になってきたといえます。
これについて,町村官房長官は,解散や内閣総辞職は全く考えていないということです。

首相は解散、総辞職せず=町村官房長官(時事通信) - goo ニュース

無意味な応酬合戦

問責決議には内閣不信任案と異なり憲法上の規定は全くありません。したがって,問責決議を完全に無視しても憲法上も法律上も何の責任もありません。あとは,議決に対する重みをどう受け止めるかという政治的責任だけの問題になります。
一方,内閣信任案については,憲法上裏返しで規定がありますので,もしこれが否決されると内閣は総辞職するか,衆議院の解散を迫られることになります。しかし,与党が多数を占めている以上,これが否決されることはまずあり得ないでしょう。
そう考えると,内閣信任案が決議されたとしても,単に「そりゃそうだよね」という程度の効果しかありません。

国会では,衆参両方で,「してやったり」という思いで決議をするのだと思いますが,これがどんな意味を持つのか,実は国民には伝わりません。むしろ,こんなテクニカルな応酬をしたところで,だれも理解をしてくれないでしょう。
国民が求めるもの,それは「国会の手続」ではなく「国会の中身」です。与党野党とも,今国民が何を求めているのか,問題点についてどういう案を考えているのか,自分たちは何を考えているのか,こういう点をもっと出すべきでしょう。

今の時代は,分かりやすい説明ができる政党が国民に受けるでしょう。とにかく,中身勝負なのです。解散するかどうかという点も,特に野党側が「なぜ,今解散をするべきなのか」という点をもっと分かりやすく説明する必要があります。少なくとも問責決議云々よりは理解が得られるでしょう。
もちろん,うそや適当な説明は御法度です。これは,企業不祥事を見てのとおりです。

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最近増えてませんか,無差別殺傷通り魔事件

2008年06月08日 19時17分14秒 | 裁判・犯罪
またしても通り魔事件が発生しました。現場は秋葉原で,犯人の男はその場で取り押さえられましたが,午後6時現在,7名が亡くなりました。さらに死傷者が増える可能性も高いようです。また,死者が7名を超える通り魔事件は,過去10年で最悪ということのようです。
一方,逮捕された容疑者は,「何もかもが嫌になった」ということで犯行に及んだようです。

秋葉原で無差別殺傷 6人死亡、12人負傷(朝日新聞) - goo ニュース

人を巻き込むな

まずは被害者の方のご冥福を心よりお祈りしたいと思います。秋葉原のホコ天で通り魔に会うなんて思っている人は誰もいなかったはずです。それだけに,交通事故以上にあり得ない出来事だといえるでしょう。被害者の方々の無念さは筆舌に尽くしがたいと言えます。
一方,この容疑者,何もかもが嫌になったということで人が多い秋葉原で通り魔をしようと決意して静岡から上京してきたようです。そこまでの根性があるなら,なぜ犯罪ではなく別の方向を考えなかったのか,本当にそれが悔しくてなりません。
この秋葉原の現場は,まさに「アキバ銀座通り」です。ここがアキバの中心地であるといえます。そのような場所でこのような犯行を行うというのは,アキバファンとしても許すことはできません。もちろん,このような犯行が許される場所は日本国内には一切ありません。

ところで,近年,無差別通り魔が増えて来たような気がしませんか。もちろん,通り魔は昔から発生していますが,これだけニュースが続くというのは珍しいと思います。
しかも,逮捕された犯人のコメントが,ほぼ一致して「すべてが嫌になった。死刑になりたい。誰が死んでも良かった。」などというものです。まったく自己中心的としか言いようがありません。
とはいえ,なぜこのような犯罪が多発するようになったのでしょうか。おそらく,明日あたりのワイドショーでは,犯罪心理学の教授などが,「ゆとり教育の弊害」「格差社会の歪み」「ネット社会で人間関係がうまくいかない」「バーチャルと現実の区別がつかない」「過激なゲームの影響によるゲーム脳」などをあげてくると思います。
確かに,こうした背景がこのような犯罪を多発させる要素になっていると思いますが,一方で,「だからどうするのか?」という対応策を考える人はいませんし,たぶん不可能です。
本当にこのような犯罪を減らすにはどうすればよいでしょうか。「厳罰化」は無意味です。彼らは死刑を望んでいるからです。もちろん,死刑を廃止しても無意味です。このような連中には,刑罰というサンクションが犯罪抑制に全くつながらないからです。
では,格差社会を解消したり,ゲームの販売やネットの使用を制限したらどうでしょうか。これもまた無意味です。そもそも,社会がついていきませんし,格差社会の負け組と呼ばれる人が全員通り魔になるわけではないからです。むしろ,生活環境に恵まれた人が通り魔を行うことすらあります。
そうなると,やはり「自己防衛」しかないのでしょうか。交通事故を防ぐことはある程度自己防衛が可能ですが,通り魔となると,「どこからやってくるのか分からない」という状態にあるため,自己防衛が困難です。
とりあえずは,「人混みではいつ何時何が来るか分からない」という気持ちでいた方がいいでしょう。

なお,特に,「学校の運動会」あたりは,いろいろなタイプの犯罪者(無差別通り魔,性犯罪者,怨恨など)の標的になりやすいので,冗談抜きで注意が必要な時代となりました。まじめに学校だけではなく,地域あげて対応策を考えるべきです。この事件は,間接的にこのような危険性に対する警鐘を鳴らしたとも言えるでしょう。

物騒な世の中になったものです。

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スポーツ波瀾万丈

2008年06月08日 03時09分58秒 | スポーツ全般
昨日はスポーツ関係でいろいろとニュースがありました。
それぞれについて短評を述べたいと思います。

日本、オマーンと1─1で分ける…サッカーW杯予選(読売新聞) - goo ニュース

1 男子バレー北京へ
  おめでとうございます\(^^@)/
  正直,「男子の実力とこのルールじゃ今回も無理だろう」と思っていただけに,予想以上の試合展開に感動させてもらいました。
  初戦のイタリア戦のまさかの大逆転負けが,実は良い奮起材料になったのかもしれませんね。
  植田監督は,トーカ堂の北社長のような申し訳なさそうな声で「メダルを狙います」と言ってましたが,ここまで来たらもっと堂々とメダル宣言しても良いでしょう。
  とにかく,北京向けて頑張ってほしいものです。
  ただ,素朴な質問。「なぜ,バレーは日本で試合やっても誰も文句言わないの?」っていう点。特に韓国あたりはけち付けてきそうなのに,なぜOKなんでしょうか。まあ,日本有利なので特にいいのですが。

2 サッカーは引き分け
  前回楽勝だったオマーンは,ホームだったことと主力選手全員が戻ってきたことで,かなり苦戦しました。PKを押さえて引き分けにしたことだけでも良かったといえるでしょう。
  とはいえ,攻撃力は微妙でしたね。決定的場面がいくつかありましたが,ボールが結構浮いてしまいました。また,ディフェンスラインがかなり甘く,簡単に中央突破を許してしまうディフェンダーってどうなの?って感じもしました。
  ただ,今回の試合,一番翻弄された原因は,暑さでも湿度でもなく,「審判」だったと思います。どっちよりという意味ではなく,反則のタイミングと普段の立ち位置が結構おかしかったように思えてなりません。

3 水泳は今日もスピード社
  昨日も書きましたが,やっぱりスピード社ですね。「レイザーレイサー」ってどんな魔法の水着なんでしょうか。
  「水着フォー」っていう状態(ダジャレオチかよ!!)。

以上です。オリンピックやワールドカップに向けて,これからますますいろいろな活躍情報が飛び込んでくることでしょう。

頑張れ,日本

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契約を取るか,実績を取るか

2008年06月07日 02時25分40秒 | スポーツ全般
北京オリンピック壮行会をかねた水泳のジャパンオープンが開催されました。ここでは,今話題となっているスピード社製の水着を試着してレースに臨んだところ,5人がいきなり日本新記録を打ち出すなど,改めてスピード社の水着の威力が示された結果となりました。

北島ら、スピード社製で日本新=試着のレース、快記録続出-競泳ジャパンオープン(時事通信) - goo ニュース

結果は見えてきた

まず,北島選手のコメント,これが一番正論だと思いました。すなわち,「水着が泳ぐのではなく,人が泳ぐ。」ということです。オリンピックでいい成績を出すかどうかの基本は,「選手の努力」です。ところが,今はそこにほとんど光が当たらず,あたかも「良い水着着れば勝てる」という視点だけですべてが論じられている点に,北島選手は苦言を呈したといえるでしょう。
それは当然のことです。例えば,私がスピード社の水着を着たからといって,100%日本新記録は出せません。いや,小学生の水泳選手にすら勝てないでしょう。
ただ,オリンピックという高いレベルになると,話は違ってきます。実力は互角なわけですから,0.1秒の差を縮めるためには練習だけではなく「環境」も必要となってきます。水泳の場合,他の選手と違いは「水着」だけですから,ここにこだわるのは当然の助動詞「べし」です。

今回の結果を見ると,明らかにスピード社の水着の方がいい結果が出るということが分かったと言えます。ところが,日本水連は,オリンピックで使用する水着については国内3メーカーとのみ契約しているため,それ以外を使うことは契約上許されません。
しかし,オリンピックでいい結果を出すためには,「選手が使いやすいもの」を選ぶべきなのではないでしょうか。もちろん,水泳選手の中には,「スピード社は苦手」という人もいます。だから,すべてスピード社に切り替えるというのは乱暴な発想だと思いますが,逆に「選択したい」という人のためには,あえて契約違反でもこれを認める方向で検討するべきではないでしょうか。
もちろん,違約金は支払いますが,それで金メダルが取れれば安いものです。逆に,メダルが全く取れなかった場合,今の世論の雰囲気からすると,「選手の努力,実力不足」ということではなく「水着が悪い」ということで盛り上がりかねません。その盛り上がりが進むと,「なぜスピード社と契約しなかった」ということで水連批判や,「国内3社の水着は使えない。」というスポーツメーカー批判に拡がりかねず,スポーツメーカーの売り上げにも影響を与えかねません。

契約を遵守するというのが本来的なルールではありますが,商売の世界では,あえて契約違反をするということはあります。今回も,契約を尊重するのか,それとも実績を尊重して契約違反をするのか,水連も早めに腹を決めた方が良いでしょう。そして,契約を尊重するのであれば,もし成績がふるわなかったときの腹の切り方まで考えておく必要がありそうです。当然,メーカー側も契約を維持するとなった以上,本番までに「限りなくスピード社と同じ性能」の水着開発を進める必要があります。実績が出なければ,商売全体に影響が及びかねません。

あとは,北島選手のいうとおり,「選手の努力」が大切です。とにかく,北京向けて最終調整に勤しんでください。

頑張れ,日本!!

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やっぱり発砲基準を緩和した方がよいのでは

2008年06月04日 01時46分10秒 | 裁判・犯罪
埼玉県川越市で,銀行強盗容疑の男2人が拳銃を持って自動車内に立て籠もるという事件がありました。1人は間もなく車から出てきて出頭しましたが,もう一人はそのまま8時間以上立て籠もり,最後は持っていた拳銃で自殺をしてしまいました。

埼玉・川越の立てこもり男死亡 92年には医師誘拐事件も(共同通信) - goo ニュース

犯人確保のための発砲もありでは

この事件,なぜ8時間以上も警察がにらめっこしていたのか,という点に疑問を感じた方も多かったのではないでしょうか。今回は,特に人質を取っているわけではなく,拳銃を持って1人で立て籠もっているわけですから,すぐに取り押さえることができたのではと思うかもしれません。
しかし,今回の場合,ちょっと問題がありました。それは,「犯人が拳銃を持っている」ことと,「車に立て籠もっている」こと,そして「発砲してこない」ということです。
まず,拳銃を持っているため,下手に突入すると警察官の生命身体に対する危険があります。「警察官は命をかけて仕事をしているのでは」という意見もあるかと思いますが,下手な突入は,警察官の命を無駄にするだけです。いくら警察といえども,やはり殉職者を出さないように考えるのが普通の発想ですし,この事件の場合,命を落としてまで突入させる必要性は乏しいでしょう。軍隊とは訳が違います。
そうすると,まずは突入のタイミングを見ていたといえます。
次に,立て籠もり先が車というのがまた問題でした。建物やバスなどの場合,余裕スペースがあるため,突入計画が立てやすいです。また,前述の警察官の安全も,余裕スペースから確保することが可能です。
しかし,乗用車の場合,余裕スペースがありません。つまり,突入すると犯人が乱射してくる可能性が高く,余裕スペースがないことから,警察の逃げ道がないのです。前述のとおり,本当に「命がけ」になってしまいます。
では,先制攻撃として警察から発砲するというのはどうでしょうか。実は,これも難しくて,今の警察の内規では,威嚇射撃も可能になりました(これでも近年かなり緩和されました。)が,あくまでも他に手段がない場合や,危険性が高い場合に限られています。しかも,射殺は特別な理由がない限り認められず,あくまでも急所を外してうたなかればなりません。
つまり,このケースでは,犯人が警察官到着後も積極的に発砲を続けていたとか,車で逃走しそうな場合であれば,警察から発砲は可能ですが,どうも逃走途中に発砲してからは拳銃を持っているだけだったため,その内規に合致しなかったようです。それゆえ,積極的な発砲ができませんでした。
もっというと,車にこもっている間は,発砲するにも上半身しか出ていないため,「発砲=射殺」という結果になることから,安易に発砲ができなかったものと思われます。
よって,長時間のにらめっこになってしまったのです。

しかし,今回の場合,結果的に犯人が自殺してしまいました。むしろ,早めに確保できれば,犯人も死ぬことなく逮捕することができたかもしれません。また,周辺住民はこの事件のために避難生活を余儀なくされました。周辺住民の影響も大きかったと言えます。
以上のことをふまえると,やはり「もう少し警察が早く発砲できればよかった」といえます。
そのためには,やはり内規を見直して,もう少し警察官の発砲基準を緩和するべきではないでしょうか。もちろん,発砲基準の緩和=射殺の容認ではありません。あくまでも制圧のためという前提は変わりません。
今回の場合,ずーっと車内にいたのではなく,途中表に出てくる場面もありました。ここは,「急所を外して発砲」が十分可能だったはずです。また,車内にずっといた場合は,例えばガス弾を使用するなどの対応も可能だったと思われます。
いずれにせよ,銃器犯罪が増加している今,やはり発砲基準は見直すべきでしょう。もちろん,だからといってバカボンのお巡りさんみたいなのは御法度です。西部警察も微妙でしょう。
犯人の身の安全のためにも,そして周辺住民のためにも,この類の事件は短時間での解決が望まれます。まして,人質を取っていた場合はなおのことです。
「発砲緩和は警察の権力を増やしかねないためけしからん」という反論もありますが,無意味な発砲は今まで通り処分対象にすれば良いだけのことですし,そもそもそれは正当な職務行為ではないので,犯罪になるとして対処すれば足ります。警察が動きやすい状況を作ることが,治安維持の第一歩といえるでしょう。

それより,「拳銃所持」を一網打尽にすることが重要です。これは,引き続き警察の捜査力を期待しましょう。

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減反政策見直しは「三方良し」

2008年06月02日 23時10分30秒 | 政治・選挙
一連の食料価格高騰を受けて,町村官房長官が米の減反政策の見直しを示唆しました。
これに対し,自民党内部から早くも「減反政策維持」の声がでており,今後党内外からの反発も予想されます。

世界的食糧価格高騰、官房長官「コメの減反見直し必要」(読売新聞) - goo ニュース

実は米価も密かに上がっている

減反政策見直しについては,私も以前から「小麦が一気に30%値上げへ,こうなったら減反政策も見直そう」の中で主張してきたとおり,このままでは日本はいずれ食糧難に陥るおそれがあるため,減反政策は根本から見直す必要があるといえます。いわば,「農業の自由化」です。その方が,農家の方がも生産意欲がわくのではないでしょうか。
もちろん,そのためには「農協一元主義」の見直しや,農地取得資格の緩和(大規模農地経営の可能性),農作物の多角的栽培などいろいろと考えなければならない問題も多いですが,とにかく「作りたい物が作れる」という体制が大切と言えます。また,農業後継者問題や,荒廃農地対策,宅地農地問題なども検討する必要があるでしょう。

これに対し,早くも農業族議員が牙を剥いてきました。彼らは口々に「米の需要が伸びていないので,減反止めると米余りとなり,米価が下落して,農家生活がかえって苦しくなる」と主張します。
しかし,本当にそうでしょうか?むしろ,作りたい物を作らせない現状のシステムの方が,特にやる気のある農家が儲けるチャンスをつぶしているのではないでしょうか。また,現在の農業補助金はバカになりません。実は,土木事業に負けず劣らず,「農業補助」も税金の無駄遣いの要素が含まれています。財政再建のためといいつつ,この分野は今まで「アンタッチャブル」になっていました。ここにもメスを入れる時期が来ているでしょう。
事実,米価はここへきて実は上がっています。これは,表向きの理由としては,「小麦の高騰に伴い,米や米粉が見直されてきたことによる需要増」ですが,裏の理由としては,「なぜか突然政府備蓄米の備蓄量が増えてきた」という点によります。つまり,今やっていることは徳川吉宗とそんなに代わらないのです。

ちなみに,農業補助は,何も今農家の手元に来ているお金を止めろということではありません。「謎の中間搾取」や「トンネル事業費用」,さらには「道路事業との二重払い」など「農家の手元に行かないよく分からないお金」が多いという意味です。
減反政策の補助金も,この「謎の中間搾取」が行われているといわれています(ここは,調査不足なので,正確には何とも言えませんが。)。
減反を止めると本当に困るのは,「農家の人」ではなく,「中間にいる人」と「そこから支持をもらっている政治家」なのです。この構造は実は土建屋選挙と非常に似た部分があります。

まとめますと,減反政策の見直しとは,単に「米をたくさん作れ」という単純なまずではありません。「農家がやりたい農業経営を自由に行えるようにする」という農業版楽市楽座を目指そうというものなのです。その結果として,米や他の農作物を他国に輸出できるようになれば大成功です。これで外貨を獲得することで,日本経済の復興の礎になりえます。

減反政策の見直しは,「農家が喜ぶ」「消費者も喜ぶ」「日本国も喜ぶ」という三方良しの可能性を秘めたものであるということを理解してほしいと思います。選挙対策だけのために無意味に「反対」ということだけは止めてほしいものです。反対するのであれば,単なる危機感だけではなく,具体的に農家の人たちが困るという事由を指摘するべきでしょう。当然,それをたたき台に議論することは大切ですし,そのプロセスが一番重要なのです。

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岡田ジャパン,ようやくエンジンがかかった

2008年06月02日 22時27分17秒 | スポーツ全般
サッカーワールドカップアジア第3予選のオマーン戦は,3対0で日本が快勝しました。
現在のところ,バーレーンに次いで2位ですが,今後の3戦如何では,まだまだ1位通過も可能な状態です。

中沢・大久保・中村俊、日本3発でオマーンに快勝(読売新聞) - goo ニュース

攻撃力出てきたなあ

今日の試合,久々に得点シーンがみられたと思い,ちょっと安心しました。得点パターンもしっかりと形になっていて,安心してみられる試合展開でした。
ただ,欲をいうと,「あと2,3点は取れたなあ」っていう感じもしました。しかし,これは贅沢っていうもの。まずは,これでいいパターンができたので,この勢いで次から始まるアウェイでの戦いを乗り切ってほしいと思います。
個人的には,若手の香川選手にいろいろ経験を踏んでもらえれば,ワールドカップ出場できたときに大きな戦力になりうるのでは,と思います。

頑張れ,日本。頑張れ,岡田ジャパン!!

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ランキングジャパン



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