毎月28日は不動明王の縁日です。
大日如来の命を受け、憤怒の形相で衆生を救い、仏教に帰依しない者を教化する「動かざる尊者」です。
動かざるとは、ゆるぎない信条、境地、いかなる煩悩にも動揺しない、ということですね。
人はこうはいきませんね。
不動明王は、開いた右目で天をみ、閉じたあるいは半目にした目で地を見る天地眼の容姿。
⇒仏像ワールド
両目を開いている不動明王も空海を祖とする真言宗の寺に見ることができます。
⇒醍醐寺
歌舞伎成田屋の市川海老蔵が「にらみ」をしますが、これは不動明王を表しています。
初代市川團十郎が成田山新勝寺と関係が深いことから、成田屋という屋号が付いたようです。
市川團十郎と成田山のお不動さま
⇒大本山成田山
昨年の1月に「にらみの奉納」を行った市川海老蔵
この後に、十三代目市川團十郎白猿を襲名しています。
⇒成田山新勝寺
お不動さんと親しまれる不動明王ですが、人間でいえば父親のような存在ですね。
柔らかで慈悲深い表情をしている仏と比べて、その顔は特徴的です。
優しい顔では救えない人の担当が不動明王ということになりますね。
できれば優しい顔でみんなと接し、仲良くしながら救えれば、本人も気持ちが安らぐでしょうが、怖い顔ばかりしていると、皆に嫌われ煙たがられる。
それでも「動かざる尊者」ですから、自らの信条に従い、怖い顔をする。
衆生をを救うため、人のための憤怒の顔です。
時には、私たちにも必要なことですね。
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