お盆は、ご先祖様の精霊をお迎えし供養しお送りする行事ですが、
お盆の時期はご先祖様だけが帰って来るのではありません。
お盆の由来は目連とお釈迦様の話でした。
このたびは、 阿難 (あなん)とお釈迦様の話です。
⇒仏教講座 法聖
阿難はいつものように修行を続けていた。
ある日瞑想中に餓鬼が現れ、「お前は三日以内に死んで餓鬼道に墜ちるだろう」と、
阿難に言い放った。
阿難は驚き恐れ、お釈迦様に教えを請う。
お釈迦様は答えた。
「多くの僧や餓鬼に食物をを施し供養しなさい。その功徳によって、餓鬼も救われお前も救われる」と。
こうして、先祖供養だけではなく、餓鬼道で苦しんでいる人たちのために
また、三界萬霊(さんがいばんれい)のすべての霊に供養するというのが
施餓鬼会(せがきえ)と呼ばれる仏教の行事です。
三界とは
欲界・・・食欲、性欲、睡眠欲などの欲の世界
色界・・・欲の世界は超越したが、(物質の世界に束縛されている世界
無色界・・・色のない世界。欲望も物質的な世界から離れた精神だけの世界
を指します。
萬霊とは、この世の生命があるすべてのものをいいます。
無色界は、精神だけの世界ですが、まだ悟りを開いていないので、仏の世界には到達しない六道輪廻の中の世界です。
迷いの世界ですね。
餓鬼草紙(がきぞうし)
飢えと渇きに苦しむ餓鬼道の世界を描いた絵巻です。
⇒東京国立博物館
施餓鬼会は、盆とは異なるものですが、お盆の前後に行われることが多いです。
三界萬霊塔はこの世の一切の命あるものへの供養を目的として建立されたものです。
⇒北海道茅部郡森町
お盆は、もちろんご先祖様への感謝と共に供養ををしていくのですが
同時にあらゆる命に対して尊び供養する気持ちも持ちたいものです。
今の自分の系譜をたどっていけば、一体何人の先祖がいるのでしょうか。
切れ目なく続く命のバトンです。
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