大寄せ茶会については
これまでも何度か
ブログに記事を書いてきましたが
本来の「茶の湯」とは
本質的に似て非なる物と
私はとらえてきました
しかしながら
現代の茶道にとって
また未来に続く茶道にとっても
大寄せ茶会の意義が
大きなものであることには
誰も異論は無いと思います
「茶の湯」と「大寄せ茶会」
今回の懸け釜では
この二つの妥協点を
私なりに探ってみることにしました
(玄庵の水屋にて)
「茶の湯」においては
待合や外腰掛
そして薄茶席とお帰りの際の待合にも
その都度よく熾った炭を入れて
お客様をもてなします
「大寄せ茶会」においても
本来はどのお席にも
赤く熾った炭を
入れておくのが本当かと思いますが
今回はまだ
火入れ炭を入れ替える余裕は
ありませんでした
ただ二席目に入られたお正客様が
火入れに手をかざし
その温かさを
大層喜んでくださったことは
嬉しいことでした
さて今回は
三度目の懸け釜ということで
これまでの反省をふまえて
工夫・徹底したことがいくつかありました
その一つは
お運びさんが持ち帰った茶碗を
洗い場へ移す以前に
予めティッシュで拭っておくこと
これは
前々回の時に
お伝えしたつもりだったのですが
茶会当日は忙しさに追われて
忘れられていたようでしたので
今回はあらためて
気を付けていただきました
こうすることで
洗い場の桶の湯が
緑色になることは無く
お茶碗を綺麗に
清潔に洗えると思います
二つ目の工夫は
点て出しのお茶碗の温め場所を
洗い場付近から
点て出しの机へと移したことです
曙会の水屋は
洗い場とこちらの部屋が
少し離れています
前回は
洗い場の近くで
全てのお茶碗を温めて
こちらの点て出しの場所へ
運んでいたのですが
せっかく温めたお茶碗が
冷めてしまったりして
連携がなかなか難しかったようです
そこで
今回はこのような形で
やってみようと思ったのですが
前日の準備の際
一つのコンセントから
二つの電気器具を繋ぐことは
できませんと
言われてしまいました
建物が古いためか
「ヒューズが飛ぶ」
というのがその理由でした
それで当日は
延長コードを用意していただき
隣の部屋のコンセントから
電気を取りました
こうして
点て出しの場所では
I・H器具で茶碗を温めた後
すぐに
ポットのお湯を入れて
お茶を点てられるようにしました
お陰様で
「お茶が熱々で美味しかった(^-^)」との
嬉しいお声かけを
大勢の方からいただきました
(玄庵でのある日の迎え付け)
三点目は
社中の一人に
待合の辺りに立っていただき
お出ましになったお客様をお迎えし
お帰りには
お送りの挨拶をしていただいたことです
本来の茶事では
必ず亭主が迎え付けに出て
最後は名残惜しく
お見送りをいたします
大寄席茶会では
そのようなことは
実際にはなかなか出来ません
しかし
私が客としてお茶会に参会した時など
そのお茶会のお手伝いに入っている方が
私の姿に気づいて
水屋からわざわざ出てこられて
出迎えて下さったり
見送っていただいたりした時には
心より嬉しくて
満足感が倍増いたします
(*^_^*)
さて最後にもう一点
それは
お客様が席入りなさって
いざ一席が始まる時
大寄せ茶会では
まず最初に
お菓子が持ち出されることが
多いのではないでしょうか
その後お点前さんが入室し
蓋置きに柄杓をひいた頃
愈々席主が襖を開けて登場し
お客様に御挨拶をされます
この大寄せ独特の形に
私は以前から何となく
違和感を覚えていました
そこで今回は
お客様が席入りをされたら
まず私が襖を開けて
正客様始め皆様方のお顔を
一人ひとり見て
御挨拶をさせていただきました
その後
お菓子を運んでいただき
お点前さんに続いて
私も再度入室させていただきました
私にとっては
この流れの方がしっくりくるので
これからも
このやり方でいこうと思います
以上今回の懸け釜を振り返って
思うところを書きましたが
大寄せ茶会のやり方は
もちろんそれぞれの席主にとって
一番やりやすい形で
なさるのがベストです
ここに記したことは
大寄せ茶会初心者の
私の個人的な好みであって
まだこの先変わるかもしれません
条件が調えば
今後も縣釜を経験させていただき
少しずつ修正しながら
茶の湯と大寄せの谷間を埋めて
私なりの大寄せ茶会を目指し
精進して参りたいと思います