松下啓一 自治・政策・まちづくり

【連絡先】seisakumatsu@gmail.com 又は seisaku_matsu@hotmail.com

★若者と議会のワークショップ(御宿町)

2023-07-09 | 市民まちづくり集会

 御宿町で若者と議会のワークショップがあった。

 今年の2月に講演会をやったが、その延長線で、これをやることになった。

 この日の参加は、若者18人と議員8人で、5つのグループに分かれて、町の未来を考えた。人口7000人強のまちである。高齢化が著しい。こうした体験もほとんどない。その中で、主催の議員さんや事務局があちこちに、声をかけてくれた。

 前半は、町の魅力や課題、後半は、若者が参加する仕組みを考えるである。高校生も4人参加した。

 御宿には、高校がないが、土井議長さんたちは、御宿の子どもが通っている近隣の町の高校に依頼に行ったようだ。高校によっては、校長先生が、御宿町在住の学生を校長室に集め、こういう会議があるから、参加すようにと、声をかけたところもあるらしい。いろいろ体験しているが、ここまでやってくれる高校は聞いたことがない。おそらく、土井さん直々の依頼に、学校としても、精一杯答えたのだと思う。

 会議のほうは、最初はぎこちなかったが、徐々に、くだけてきて、談論風発の会議となった。成功かどうかは、会議が終わった後に、逃げるように会場を去るか、いつまでの会場に残って、話をつくれるかであるが、参加した若者たちが、会場に残り、いつまでも、話に興じていたのが印象的だった。いろいろ反省点はあるが、若者ニーズにあった企画だったのだと思う。

 いくつか印象的な発表があった。その中で、大事だと思ったのは、御宿にも、スタバやコメダがみたいなちょっとした、場所が欲しいというものである(これは私の意訳)。御宿の若者はスタバのために蘇我まで行くという。たまにはモーニングで、お茶を飲みたいという女性もいた。

 この点は、とても大事な点で、町の計画をつくるとき、審議会などをつくるが、その年齢層は、おおむね60歳前後である。むろん、委員になれば、若者にも思いを巡らして発言するが、どうしても、自分の暮らしや体験に縛られる。すると、静かな環境、きめ細かな福祉という意見になる。

 それも大事なのは、むろんであるが、なかなか、スタバまでは思いつかない。要するに、一生懸命考えるより、その当事者たちの声を聞いた方が、簡単だという話である。その中で、みんなが共感できる意見を探していけばよい。

 スタバは、御宿には簡単には来ないので、みんながつくる居場所は、スタバ的なものだということである。今は、どこでも、コーヒーを入れるのがうまい、パン作りが得意というのは、いくらでもいる。そういう人たちの出番をつくって、居場所づくりをしたらよいのではないかという提案だと思う。

 参加した若者も、よく聞くと、実は多種多様である。会が終わった後、残って雑談になり、ちょっと日焼けした背中のきっと伸びた若者(女性)がいたので、気になって聞いてみた。すると、仕事はプロサーファーだという。松永莉奈さんで、昨日、海外の遠征から帰ってきたばかりである。

(出典)千葉日報

御宿は、サーフィンのまちで、御宿に生まれ、サーフィンに親しみ、世界に出ていく若者である。若者は、囲い込むのではなく、世界に出て行ってなんぼだと、常々言っているが、世界から戻ってくると、こうした町の小さな集まりにも参加する。これが若者だと思う。

 松永さんは、世界選手権にも出るオリンピック強化選手ということであるが、こういう姿勢を見ると、絶対応援したくなる。

 この日は、ゼミのももちゃんが、全体ファシリをやってくれた。大河ドラマにはまっていて、本多忠勝ファンということであるが、御宿の隣町の大多喜町は、忠勝の城があったところである。お墓もある。午前中、議員の北村さんと議会事務局の方たちが、案内してくれた。ずいぶんと楽しかったようで、ももちゃんから、みなさんによろしくとのことで、この場を借りて感謝申し上げたい。

 有意義な一日だった。

 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ☆「福祉を産業に」福祉従事者... | トップ | ☆福祉を産業に・問われる自治... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

市民まちづくり集会」カテゴリの最新記事