松下啓一 自治・政策・まちづくり

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◇閑話休題・父の日(三浦半島)

2014-06-15 | 5.同行二人
 今年の父の日はとりわけ嬉しかったので書いておこう。閑話休題。

 わが家では、母の日と比べて、父の日は影が薄い。それはきっと、信頼度の違いなのだろう。

 以前、松本サリン事件の河野義行さんに大学に来てもらい、授業で話をしてもらったことがあった。
 松本サリン事件は、今ではオウム真理教の事件であることははっきりしているが、事件発生当時、警察のリーク情報で河野さんが怪しいと疑われ、ワイドショーなどで犯罪扱いをされた。その時の異常さを覚えている人も多いだろう。

 警察は、河野さんを犯人に仕立てるために、河野さんの長男を攻め立てる。「認めたらどうだ、お父さんはすでに自白しているぞ」。河野さんにも言う。「息子は親父がやったと言っているぞ」。しかし、長男は、言い続ける。「おやじは絶対そんなことはしない」。河野さんも言う。「息子がそんなことを言うはずがない」。

 わが連れ合いは、子どもたちが事件に巻き込まれても、「私のこどもは絶対そんなことはしない」と言い続けてくれると、子どもたちからは信じられている。たしかに、「もしかして」と、一瞬たりとも考えずに、最後の最後まで信じるだろう。

 北朝鮮の拉致被害者のお父さん、お母さんに大学に来てもらって、授業で話をしてもらったことがあるが、ここでも、同じ体験がある。お母さん方は、子どもの生存を心から信じていることがよく分かった。

 男は、全体に、あきらめが早く、脆いと言えるが、そこが、信頼度の違いになって現れるだろう。たしかに、私の信頼度は落ちるかもしれないが、それでも、子どもたちが気を使ってくれるのが何よりもうれしかった。

 息子のおごりで、上町に国産天然ウナギを食べに行った。絶滅危惧種であるので、私(男)は、食べない方がいいと考えたが、連れ合い(女)は、これが最後になるかもしれないから食べようという。信頼度とは別に、こうした現実性も、女の強みなのだろう。
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