ゼミのなっちゃんが茅ヶ崎市役所の採用試験に受かった。これでゼミ生全員の就活が終わった。みんないいところに入った。
このブログで、何度も書いたが、茅ヶ崎市の試験方法では、普通の公務員試験のような問題はでない。簡単にいうと、協働型の公務員を求める試験方式である。茅ヶ崎という町がどれだけ好きなのか、その町のために何ができるかが問われる試験である。数的処理のような問題が出ないために、受験者が多く、競争率は極めて高く、エントリー1000人で30人くらいの採用となる。
なっちゃんは、茅ヶ崎大好き女子で、茅ヶ崎のアロハ委員会などにも参加しているほか、行政関係者の知り合いも多い(私の茅ヶ崎市の研修でも、なっちゃんを連れて行ったことがある。すでになっちゃんのことを知っている職員もいる)。茅ヶ崎大好きの端的な例は、退路を断っての受験である。もし、落ちたらどうするのかと聞いたら、臨時職員で入って、また受けますとのことであった。
3次面接で、大要、こんなやり取りがあったようだ(聞いた私のほうが、うろ覚えで正確ではないが)。まずは、財政事情が厳しくなるなか、茅ヶ崎市の自治経営の在り方的な質問である。この質問に対する松下ゼミ生の回答は、「野球は9人でやろう」である。つまり、市民も存分に活躍する社会である(『協働が変える役所の仕事、自治の未来』(萌書房))である。
それは分かったが、それでも、費用がかかるではないか。どうするのかというのが二の矢である(いい質問である)。ここでなっちゃんの回答は、コミュニティビジネスである。今度、開設される道の駅に絡めて、地域の人たちによる新たな事業を発掘し(つまり市民自らも稼ぐことで)、それを自分がコーディネートしたいといった趣旨の回答をしたようだ。松下ゼミ生ということで、難問が出されたようだ。
最終面接で落ちるとは思わなかったが、唯一、私が心配したのは、前日にサーフインをやって、沖合まで波に流されてしまって、試験に間に合わないこと、あるいは前夜の泥酔で、朝起きれずに、試験に遅れてしまうことである。注意したら、「這ってでも行きます」ということだったが、私が、注意したのは、「這ってでも行け」ではなく、「飲み過ぎ注意」だったが・・・。
合格直後のゼミのラインで、なっちゃんから、「辛いときに、みんなの励ましがあって、頑張れました」という発信があった。人は一人では生きらない。支えあって生きているというのが、地方自治の本質であるが、これを理解するのが、地方公務員の第一歩である。これは公務員だけではなく、「市民」としての基本でもある。それを学ぶのが大学であり、ゼミでもあるが、ゼミ教員としては、うれしかった。
茅ヶ崎市は、3年前のK.Sかぁに続いて、いい職員を採用したと思う。