松下啓一 自治・政策・まちづくり

【連絡先】seisakumatsu@gmail.com 又は seisaku_matsu@hotmail.com

★自治体法務入門(奈良県)

2008-08-27 | 2.講演会・研修会
 この研修の対象者は、入って3年目の県職員である。今年は少人数ということで、おそらく相当、勉強して、激烈な競争をして、試験を受かってきた人たちなのであろう。そこで縛る法務と創る法務について話をした。
 一般には法務は、自治体職員を縛る法務であるが、私の関心は創る法務である。ただ、創るといっても簡単ではない。それだけの努力とリスクがともなうからである。基礎自治体における創る法務は、事務室にいるだけでは創れない。条文をいじるだけでは創る法務にならないのである。そのコツは、実際に活動をしている市民の人たちと議論をすることであるのいうのが私の体験である。そのためには、ときにはまちに出なければいけない。
 まちに出るということは、勤務時間中に、市民の集まりにいって、ときにはそのまま喫茶店に流れて、話の続きをするということでもある。最も効率的で実践的な方法であるが、そこから、私は多くの知恵や自信をもらってきた。
 私の職員時代には、上司からも大いに薦められたこの手法も、今日のように、行政や職員が守りに入っている時代にあっては、リスクがともなうことになってしまった。内部通報の時代、時には、後ろから弾が飛んでくることだってあるだろう。
 たくさん勉強して、ようやく役所に入る今の時代にあっては、「リスクを気にせずに」というのは、酷なのだろう。創る法務をどう創っていくのか、その創り方を考え直す時期に来ていると改めて感じた。
 帰りは、西大寺に送ってもらった。長谷寺へ行こうと思ったからである。長谷寺はこれまで4,5回行ったが、今回は20年ぶり位になる。長谷寺では、有名な牡丹、秋の紅葉、冬の雪景色も見ている。舞台造や登廊も立派であるが、私は門前町の風情が好きであった。ただ、今回、しばらくぶりに行ってみると、あちこちが歯が抜けたように駐車場になっていた。茶店で饅頭を食べながら、おばちゃんとの長話になったが、代替わりがあって、取り壊され、そのまま駐車場になった由。残念である。
 西大寺まで、ほぼ同世代というセンター職員の方に送ってもらった(本当だろうか。私よりもずっと若々しい)。朝の迎えのときに大いに弁じた油阪等の話を覚えていて、その思い出をめぐりながらの見送りをしてくれた。いつもながらの気遣いに感謝したい。
 
 
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ◇パーセント条例(ハンガリー) | トップ | ☆自治体政策づくりの道具箱(... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

2.講演会・研修会」カテゴリの最新記事