神奈川県中井町における自治会研修会である。
大学があった相模原市は、関西方面の人に、そこの場所を説明するのが難しかったが、中井町は、さらに難しい。地元の人は、どのように説明しているのだろう。東名高速で、秦野中井インターや中井PAがあるので、名前を聞いたことがある人は多いが、「さて」そこはどのあたりという説明は難しいと思う。
東名高速で、中井PAは何度か立ち寄ったことがあるが、山に囲まれているという印象で、中井町はそんなイメージだった。しかし、今回は、東海道線の二宮駅からバスで行ったので、ぜんぜんイメージが違った。中井町に入ると、水田が広がり、里山の風景だった。ここも、丹沢の伏流水・地下ダムの町で、水道は地下水である。
自治会の研修会は、いつものパターンで、「元気な自治会のつくり方~新しい仲間を増やすためのちょっとしたヒント~」とした。前半は簡単に話をして、後半にグループワークでみんなで話をしながら、元気な自治会をつくるいくつかのヒントを解説するというやり方でやった。
自治会長さんたち23名と町長さん以下の役場の人が、5グループに分かれて、演習となった。前半の講演は、ややアウエー感が漂い、参加者も緊張気味であったが、後半のグループワークになると、一挙にくだけて、多いに盛り上がった。事前アンケートで、やってほしい支援策として、「他の自治会と話し合う機会」が高位に上がっていたが、その実践になったのだと思う。
私の話の基調は、昭和20年代につくられた自治会の原型が、令和の今もバージョンアップされずに残り、そのギャップに苦しんでいるというものである。自治会は日々の暮らしと密接に関係しているのか、今までと180°転換して、これまでのことを無しにはできないので、改革はどうしても漸進的になる。その中で、できるところから、成功体験を積み重ねながら、少しずつ変えていくしかない。
発表では、私の研究にヒントになるような提案があった。
(1)自治会の活動に目的別の活動を取り入れたらよいのではないか。
自治会は地縁を基盤とする活動であるが、その地縁性が希薄になったので、運営が難しくなった。それに代わって生まれてきたのが、NPOなどの目的別の活動である。自治会は地縁組織であるが、こちらは知縁組織である。地縁と知縁の強みをあわせることで、住民のニーズや暮らしにあった自治会を目指すというものである。
趣味の活動は侮っていはいけない。人のつながりを基盤とするのは、自治会と同じであり、趣味の活動も公共活動と隣り合わせである。自治会活動だって、ある意味趣味の活動ではないか。義務ではなく、楽しいというのが、令和時代の自治会の方向性なので、目的別活動を取り入れるのは、ひとつの方向性である。この点は、さらに考えていこう。
(2)防災や福祉に特化した自治会
自治会というのは、役場の仕事と同じようにフルセットが通り相場であるが、本当に必要だと思えることに絞った自治会もあっていいのではないかというものである。
昭和20年代は、フルセットが求められた。しかし、令和の時代は、行政サービスも充実し、住民ニーズも変わった。令和の時代にあわせた自治会のあり方ともいえる。フルセットではあまりに重装備のため、とても担いきれなくて、自治会をつぶすという動きがあるが、それよりはずっといい。
この特化型自治会づくりでは、自治会の仕事の棚卸と事業仕分けが必要になる。同時に、役所からの依頼業務の削減もセットである。これらについては、本にも書いたので参考にしてもらいたい。
いつも思うのであるが、グループワークをやると、やや斜に構えているように見える自治会長さんたちが、実は、さまざまな模索をしていたり、少しでも良くしたいと思っているのだと気がつくことができる。でも、どこから手を付けてよいのかという諦め感と、少しでも良くしようという気持ちが、発言のあちこちに出てくるが、こうした「少しでも良くしたい」という気持ちに寄り添い、それを後押しするのが、自治体の仕事である。その気持ちを活かさなかったら、もったいない。人手が足りず、お金も足りず、さらには課題がむずかしいなか、たじろいでしまいがちであるが、ひと踏ん張り、できるところから、少しずつ、前に進めてもらいたいと思う。
今回も、町長さんはじめ、担当の方々にさまざま気を使っていただいた。感謝申し上げたい。本来ならば、講演先の町内で食事をし、そこでお土産を買って帰るのが、私の流儀であるが、今回は、バスの関係で二宮で食事をしたため、中井町への経済効果は、皆無であったことを報告しなければならない。今度は、せめて、中井PAで食事をして、中井町への経済効果に寄与することにしよう。
大学があった相模原市は、関西方面の人に、そこの場所を説明するのが難しかったが、中井町は、さらに難しい。地元の人は、どのように説明しているのだろう。東名高速で、秦野中井インターや中井PAがあるので、名前を聞いたことがある人は多いが、「さて」そこはどのあたりという説明は難しいと思う。
東名高速で、中井PAは何度か立ち寄ったことがあるが、山に囲まれているという印象で、中井町はそんなイメージだった。しかし、今回は、東海道線の二宮駅からバスで行ったので、ぜんぜんイメージが違った。中井町に入ると、水田が広がり、里山の風景だった。ここも、丹沢の伏流水・地下ダムの町で、水道は地下水である。
自治会の研修会は、いつものパターンで、「元気な自治会のつくり方~新しい仲間を増やすためのちょっとしたヒント~」とした。前半は簡単に話をして、後半にグループワークでみんなで話をしながら、元気な自治会をつくるいくつかのヒントを解説するというやり方でやった。
自治会長さんたち23名と町長さん以下の役場の人が、5グループに分かれて、演習となった。前半の講演は、ややアウエー感が漂い、参加者も緊張気味であったが、後半のグループワークになると、一挙にくだけて、多いに盛り上がった。事前アンケートで、やってほしい支援策として、「他の自治会と話し合う機会」が高位に上がっていたが、その実践になったのだと思う。
私の話の基調は、昭和20年代につくられた自治会の原型が、令和の今もバージョンアップされずに残り、そのギャップに苦しんでいるというものである。自治会は日々の暮らしと密接に関係しているのか、今までと180°転換して、これまでのことを無しにはできないので、改革はどうしても漸進的になる。その中で、できるところから、成功体験を積み重ねながら、少しずつ変えていくしかない。
発表では、私の研究にヒントになるような提案があった。
(1)自治会の活動に目的別の活動を取り入れたらよいのではないか。
自治会は地縁を基盤とする活動であるが、その地縁性が希薄になったので、運営が難しくなった。それに代わって生まれてきたのが、NPOなどの目的別の活動である。自治会は地縁組織であるが、こちらは知縁組織である。地縁と知縁の強みをあわせることで、住民のニーズや暮らしにあった自治会を目指すというものである。
趣味の活動は侮っていはいけない。人のつながりを基盤とするのは、自治会と同じであり、趣味の活動も公共活動と隣り合わせである。自治会活動だって、ある意味趣味の活動ではないか。義務ではなく、楽しいというのが、令和時代の自治会の方向性なので、目的別活動を取り入れるのは、ひとつの方向性である。この点は、さらに考えていこう。
(2)防災や福祉に特化した自治会
自治会というのは、役場の仕事と同じようにフルセットが通り相場であるが、本当に必要だと思えることに絞った自治会もあっていいのではないかというものである。
昭和20年代は、フルセットが求められた。しかし、令和の時代は、行政サービスも充実し、住民ニーズも変わった。令和の時代にあわせた自治会のあり方ともいえる。フルセットではあまりに重装備のため、とても担いきれなくて、自治会をつぶすという動きがあるが、それよりはずっといい。
この特化型自治会づくりでは、自治会の仕事の棚卸と事業仕分けが必要になる。同時に、役所からの依頼業務の削減もセットである。これらについては、本にも書いたので参考にしてもらいたい。
いつも思うのであるが、グループワークをやると、やや斜に構えているように見える自治会長さんたちが、実は、さまざまな模索をしていたり、少しでも良くしたいと思っているのだと気がつくことができる。でも、どこから手を付けてよいのかという諦め感と、少しでも良くしようという気持ちが、発言のあちこちに出てくるが、こうした「少しでも良くしたい」という気持ちに寄り添い、それを後押しするのが、自治体の仕事である。その気持ちを活かさなかったら、もったいない。人手が足りず、お金も足りず、さらには課題がむずかしいなか、たじろいでしまいがちであるが、ひと踏ん張り、できるところから、少しずつ、前に進めてもらいたいと思う。
今回も、町長さんはじめ、担当の方々にさまざま気を使っていただいた。感謝申し上げたい。本来ならば、講演先の町内で食事をし、そこでお土産を買って帰るのが、私の流儀であるが、今回は、バスの関係で二宮で食事をしたため、中井町への経済効果は、皆無であったことを報告しなければならない。今度は、せめて、中井PAで食事をして、中井町への経済効果に寄与することにしよう。