松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆水道料金の値上げと市長選挙

2021-07-01 | はじめての条例づくり
 横浜市の水道料金が20年ぶりに値上げということである。

 それを聞いて、「あ」っと思った。最後の仕事が、水道局の企画だったので、この料金値上げはよく分かる。日本の水道事業の先達である横浜市では、水道管などの施設の老朽化は、待ったなしである。地下に埋まった水道管の取り換えは簡単ではない。でも、取り組んでいかなければならない。

 「あ」っと思ったのは、8月には、市長選挙があるからである。

 いつも講義で言っているのは、市民に負担をかける条例は、市長選挙の2年か3年前になるという理論である。市長選挙前に出すと、これが市長選挙の争点になってしまって、できもしない「水道料金の値上げ凍結」を訴える市長候補者が出るからである。冷静に判断しなければいけないことが、バイアスがかかって、決定される(もちろん、選挙に不利という市長の事情もある)。

 したがって、ほとんど例外なく、市長選挙の前に、値上げ提案がされる場合はない。本件のケースが、もし、この理論の例外ならば、政策法務論的には大変なことになる。私はテキストを書き換えなければならない。

 ただ、例外的に、市長選挙の前に、水道料金の値上げ条例を出したものがある。それは、その市長が、次の選挙に立候補しない場合である(冷静な議論を求めるという理由ならば、出さないのが正当だと思う)。

 今度の市長選挙では、自民党においてIRの推進を行ってきた国会議員が国務大臣をやめて市長選挙に出る。その際、横浜市には、IRは導入しないと言っている。それに対して、IRを推進すると明言している現市長が、選挙に出る構えを示しているといった報道がなされている。

 ということは、市長選挙前に、不利益条例を出すと決めた現市長は、結局、選挙に出ないというのが、この理論の帰結になる。この理論が正しいか、理論が敗れるか、今後の市長選挙の動向が注目される。

追伸
 水道料金の値上げの決裁をして、それで、選挙に出たとしたら、現市長は、すごい人である。自分の利益など考えずに、大局的に判断したということだからである。もしそうならば、この市長さんの言うことは、信頼できるということになると思う。
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