”作品は手を離れてしまえば私には何もしてあげる事が出来ません。
そうなった時に作品が独り立ち出来るように丁寧に作ってやりたいんです。”
ミニチュア家具の作家の方がそんな事を言っておられた。
こういう気持ちで物作りをされていらっしゃる方が居る事を知るのは嬉しい。
静かに納得するし、私も私なりに・・・と思える。
自分の体の一部でありながら、中々思うようにコントロール出来ない手。
そのトレーニングと様々なデザインを素早く創り出す訓練の目的で作り続けている物。。。
ミニチュアの花器たち~
手のひらサイズ。私は全部ロクロで挽く。
スピードと力の抜き具合、道具選びが出来を作用するのよね。
小さいから簡単だと思われる方がほとんどで、
時々、『小さい物は手がかかりますから大変でしょう?』
などと声をかけていただくと、嬉しくなってしまう。
大きなものを作る時と違って、勢いとかダイナミックさは無いけれど、
気がつけば息を止めたままという事も多い繊細な作業です。
大きな作品では試しきれない込み入ったデザインの試作や、
釉薬の具合を見る為に使う事も有る。
私のミニチュアは、全部ちゃんと使えるよ。
王様と散歩の途中で摘んだ草花や、庭のハーブを飾ったりするの。
仕上げた作品にサインを入れる時、
肩の力がスーッと抜けて、ホッとする瞬間です。