カリフォルニア便り ーFROM OQ STUDIOー

~南カリフォルニアから~
陶芸家の器と料理、時々王様の日々

うつわ冥利

2011年02月21日 | Ceramics

言わずと知れた芸術性の低さを別にしても、

私の作る器は眺めて楽しんでいただける種類の物ではないと思う。

なぜなら使い手によって使われて始めて完成される器だから。

どんな花も、どんな食材も受け入れる事が出来るように、

どんなインテリアにも、どんなお洋服をお召しになった方にも似合うように、

それが私の思い。


私の器を幾つかお使いいただいている日本画家の女性から、

とても嬉しい言葉を頂いた。

” 貴女の器が我が家にやって来てから、

私は毎日貴女の器の為の一品を作るようになりました。

貴女の器がテーブルに出ていない食卓は寂しいのです。”

こう言っていただくと、陶芸をしていて良かったと心から思う。

きっと器も、うつわ冥利につきているに違いない。

少々手荒でも構わない、とにかく使っていただきたい。

それが私の心からの願いなのです。

 

 

くるんと巻いた耳の付いた浅鉢を作った。

外側は光沢のある天目で、フチと耳は赤。内側はベージュ。


同じお料理(お手製ミートソースね)を違う器で比べてみると・・・・

これは、来客用に沢山そろえてある市販の陶器の洋皿。

で、こちらが私の新作。

どちらの器がしっくり来るかのお好みは、もちろんそれぞれなのだけれど、

器の違いで同じお料理が違う表情を見せてくれると思うのです。


色とりどりのカラートマトを盛ったり、

お庭で採れたグレープフルーツを使ったツナサラダを盛ってみたり。

スープボウルやカレー皿にもちょうど良い大きさです。

どうかどうか、この器達も誰かに愛されながら使っていただけますように

 

この器を作ってしばらくして、美術館に行ったら、

こんな物を発見しちゃった。

当然私の器より、かなりアーティスティックだけれど、

なんとなく『あれ、気が合うね』と嬉しくなった