最後に雪に触れたのは何時だろう?
子供の頃は一緒に暮らしていたのにね。
粉雪をかぶったような、白いコーヒーカップを作った。
コーヒーカップって器類の中でも、使う人の目に一番近づくもの。
だから至近距離で見たときに、ちょっと楽しい物を作りたい。
この ” 雪のコーヒーカップ ” にはハンドルの上下にエンブレムを付けたよ。
そこだけ雪が溶けていて、
『この下にはちゃんと土が有りますよ』って伝えられるようにね。
私には他の作家さんがお作りになった作品を見る時、
その作品が仕上がるまでの行程を数えるクセが有る。
例えばコーヒーカップは、シンプルな物だと本体とハンドル、その組み立て作業で3工程。
その後、シンプルに釉薬を掛けて焼く。
そういうスピード感の有るものも素敵
それに比べると、私の作る物は信じられないほど行程が多い。
大量生産には到底向いていない。
特にコーヒーカップ。本体のロクロはたった5分。
なのにその後マグの形になるまで、行程は数えたくない程多い。
12個程仕上げるのにほとんど一日かかって、疲労困憊。
一日百個もの器を仕上げておられる職人さんが見たら、呆れられてしまうだろうな。
でも、私はコレからもこうやって作って行こうと思う。
忙しい日々の中での、せっかくのコーヒータイムだもの、
少し余分な仕事をして、使う方にちょっと楽しんでもらえたら嬉しいし、
なにより作っている私自身が楽しい。
美味しいコーヒー、飲んでますか?