カリフォルニア便り ーFROM OQ STUDIOー

~南カリフォルニアから~
陶芸家の器と料理、時々王様の日々

雪のコーヒーカップ

2011年02月07日 | Ceramics

最後に雪に触れたのは何時だろう?

子供の頃は一緒に暮らしていたのにね。


粉雪をかぶったような、白いコーヒーカップを作った。


 

 

コーヒーカップって器類の中でも、使う人の目に一番近づくもの。

だから至近距離で見たときに、ちょっと楽しい物を作りたい。

この ” 雪のコーヒーカップ ” にはハンドルの上下にエンブレムを付けたよ。

そこだけ雪が溶けていて、

『この下にはちゃんと土が有りますよ』って伝えられるようにね。


私には他の作家さんがお作りになった作品を見る時、

その作品が仕上がるまでの行程を数えるクセが有る。

例えばコーヒーカップは、シンプルな物だと本体とハンドル、その組み立て作業で3工程。

その後、シンプルに釉薬を掛けて焼く。

そういうスピード感の有るものも素敵

それに比べると、私の作る物は信じられないほど行程が多い。

大量生産には到底向いていない。

特にコーヒーカップ。本体のロクロはたった5分。

なのにその後マグの形になるまで、行程は数えたくない程多い。

12個程仕上げるのにほとんど一日かかって、疲労困憊。

一日百個もの器を仕上げておられる職人さんが見たら、呆れられてしまうだろうな。


でも、私はコレからもこうやって作って行こうと思う。

忙しい日々の中での、せっかくのコーヒータイムだもの、

少し余分な仕事をして、使う方にちょっと楽しんでもらえたら嬉しいし、

なにより作っている私自身が楽しい。

 


 

美味しいコーヒー、飲んでますか?