自分の中の弱気や不安が頭をもたげた時や、
これから超えようとしている山の高さに怖じ気づきそうな時、
私を励まし、一喝してくれる一枚の写真が有る。
カレッジの卒業式の写真。
私は同世代のほとんどが少なくとも進むべき道を見つけ、
ある人は既にその道で頭角を現し、
ある人は親として命を育むという一大事業も山場を超える頃に、
もう一度ゼロからのスタートを切る事にした。
未来の事など何も判らず、具体的な計画も、多分夢さえも曖昧だったな。
言葉も生活習慣も自分の年齢も、何もかも不安だらけでスタートした学生生活。
人より多くの努力を必要とする事は承知で始めた事だから、
苦労話をするつもりは無いけれど、
いつまでたっても毎朝学校の門をくぐるたびに今を夢の中のように感じた。
ほんの少し前、日本で仕事をしていた自分と、
今の自分が全く一致しないまま年月が流れた。
けれども、もがきながら生きていたら、ちゃんとこの日はやって来た。
卒業式は未だに馬鹿な人生を歩んでいる私の唯一誇れる一日になった。
自分が決めて始めた事は必ず終わらせる。成し遂げる。
この写真を見るたびに、それが決して不可能ではないと思い直す事が出来る。
人生の中で出会う事の出来る素晴らしい景色の中に、
自分の決めたゴールを自分の力で切った人にしか見る事の出来ない世界が有ると思う。
それは他人から見た輝かしい成功でも、ましてや地位や名声とも違う。
もしかしたら自己満足という名の幻かもしれない。
でもそんなワンシーンが自分を支えてくれる事も有るのだから、
心にゴールを持つ人達に、その清々しい景色を見て欲しいと願い、
静かにエールを送り続ける。
あっ、自分にもね。
ひとつのゴールを切れば、また次が有るってこと。・・・・
私が学生時代も今も聴き続けている大好きな曲
この歌の歌詞は、そのまま私の心なんだ。
Frank Sinatra - That's Life