カリフォルニア便り ーFROM OQ STUDIOー

~南カリフォルニアから~
陶芸家の器と料理、時々王様の日々

◯ ◯ ◯しか無い時のタイ風サラダ

2011年11月14日 | Food

予定外の来客が入った場合や、どうしても足りない食材が有れば、

近くのマーケットに出掛けることは勿論有りますが、

私の食品のお買い物は、基本的には週一度となっております。

お勤めをしている訳でも、子供がいる訳でもないので、

買い物など毎日でも行かれる暇人ですが、

これは私が食材を完璧に使い切ることに執念を燃やしているのが理由です。

次々と食材を買い足して行くうちに、収集の着かない混沌とした冷蔵庫になって行き、

それは私自身の心が雑然と見苦しいものになって行くことの象徴だと心得ております。

 

前もって一週間分の献立を立てて、必要な食材を買いそろえるプラン型ではなく、

その時に私を呼んでいる食材をバランスを見ながら買い集める、ノープラン型です。

無計画に買った食材を頭に入れておいて、

その日の天候、健康、気分によって、献立を考えます。

買い物直後は献立もよりどりみどり。ですが次のお買い物直前は頭を使わなければ、

とんちんかんな食卓になってしまいます。

 

そのようないきさつから、冷蔵庫を覗きますと、何とも貧相。

キャベツだけ、白菜だけ、大根だけ、キュウリだけ・・・・なんて事もございます。

そんな◯◯◯だけしかない時に作るタイ風サラダをご紹介。

どんな野菜でも美味しく、苦肉の策とは思わせず、食卓にアクセントを添えてくれる一品です。

この日の私はキュウリクィーン キュウリばかりが冷蔵庫に残っておりました。

使用する調味料は、

おろしニンニク、ライムの絞り汁、刻んだ赤唐辛子、砂糖、ナンプラー、桜えび。

タイ料理好きの方でしたら、ここでピンと来ることと思います。

タイの代表的なサラダ、ソムタムやヤムテンクワーを手に入り易い調味料で作ります。

 

あっつそうだ!ナンプラーLOVEの皆様に、

私がベトナム人の知人から教えて頂いた秘策をお授け致しましょう!

ナンプラーはバルサミコ同様、年代物ほど美味しゅうございます。

ナンプラーを未開封のまま瓶を立てた状態で、

直射日光の当らない場所に常温で保管しておきますと、

次第に塩分が結晶し、ザラメのように瓶の底に溜まって参ります。

この上澄みの部分がじつに素晴らしい

塩分ではなく旨味だけが抽出された、例えるなら年代物のワインの様な上質さです。

これには最低2~3年掛かりますが、お試し頂く価値大有りです。

写真のナンプラーは5年もの。我が家の家宝でございます。

今回はキュウリでしたので、キュウリを叩いて味の馴染みを良くして使いました。

キャベツや白菜なら、包丁を使わず手でちぎってお使い頂く方が断然美味です。

食べ易い大きさにしたお野菜に全ての調味料を加えて、もみ込むように馴染ませます。

よく馴染みましたら、お皿などで平に蓋をした上から軽く重しを乗せます。

ちなみにこのブルーの瓶はお砂糖の入れ物。その程度の重さで充分です。

お漬け物では有りませんので、15分程度置けば完成。

ソムタムなどは、本来大きな木のボールにお野菜と調味料を入れまして、

木の棒でトントンと叩くように混ぜて味を馴染ませて作ります。

盛りつけて、白ごまを振りかけて出来上がり。

もしもピーナツがございましたら、細かく刻んで白ごまの代わりに振りかけますと、

尚更タイの味に近付けます。

こんな風に、小皿にお行儀よく並べてお出ししますと、

何か特別なお料理の様に感じられます。

 

食材を使い切る。これは料理の基本中の基本でございますが、

ただ余り物として使うのではなく、最後まで食材に工夫と愛情を注いで調理することが、

命有るものを食べて生きる私の使命だと思っております。

 

では