カリフォルニア便り ーFROM OQ STUDIOー

~南カリフォルニアから~
陶芸家の器と料理、時々王様の日々

鶏団子のあっさり鍋

2011年11月28日 | Food

今の季節、こちらでは夕方5時にはとっぷりと日が暮れます。

ついうっかり、スタジオに長居をしてしまい、暗くなった部屋に戻ってビックリ!

電気も点いていない部屋に王様がぽつん。 ごめ~ん。

今夜の御飯何にしよう 等と焦ってしまういうことも有ります。

気温もぐんぐん下がって参ります。

予定を変更して今夜は鍋物が良いな、などと思いついた時によく作る、

鶏団子のあっさり鍋をご紹介。

鶏ひき肉です。私は買って参りましたらその足で、写真のように冷凍してしまいます。

2枚のラップの間にひき肉を挟んで薄く伸ばします。

それを菜箸などを使って上から押して小さめに等分。

そのままビニール袋に平らに入れて冷凍庫へ。


ひき肉は、肉類の中でも素晴らしく応用範囲の広い食材です。

ほんの少しの量で、美味しいスープがとれます。

沸騰したお湯の中に、ひき肉と塩少々を入れて、

鍋がはしゃがない程度の火加減で10分ほどアクを取りながら煮込みます。

強火でぐらぐらと煮立てますと、スープが濁ってしまいます。

スープをとり終わったひき肉は、王様の御飯の素晴らしいトッピングになります。

これを牛ひき肉で致しますと、見事なコンソメベースが出来ます。

こんなことを塊肉でするのは大変なことですが、ひき肉ならあっという間。

そのような使い方には、沢山の量は必要ないのです。

ですので写真の様な冷凍の仕方がとても便利。

このように、凍ったままのひき肉をパキパキと割って必要分だけ解凍出来ます。

平にしてあるので、解凍時間もとても早いです。

鶏団子を作ります。

刻んだ干し椎茸、ネギ、片栗粉、塩、コショウ、酒、醤油、ごま油少々、卵、ショウガ汁。

これをスプーンでサクッと混ぜ合わせます。

ひき肉はよく練るという方も多いかと思いますが、私は練らない派。

理由は簡単、手の熱を加えることで肉の風味が変わるからです。

餃子もハンバーグも練りません。


こんな風に全体的に混ざったら、今日のお鍋の第一の主役は準備が整いました。

さて、白菜。私はこのように芯と葉を別の切り方で使います。

白菜は、鍋物の添え物扱いをされる傾向に有りますが、実はしみじみと味わい深いお野菜です。

芯の白い部分には甘さが、葉の部分にはさわやかな風味とデリケートな食感があります。

これを、小学校の家庭科で教わった様な削ぎ切りで処理してしまいますと、

芯の甘みが出て来る頃には、葉はトロトロ、そして白菜特有の臭みが出て参ります。

ですがこの切り方ですと、それぞれの部位を時間差で調理出来、

白菜本来の旨味を味わい尽くすことが出来ます。

芯は繊維に沿ってやや斜め切り、葉は、繊維を断ち切るように切ります。

第二の主役、白菜の準備も整いました。

本日の出汁は、昆布、塩、酒。常夜鍋のようにお酒はたっぷり使います。

鶏団子からも美味しい旨味が出ますので、あっさり仕上げます。

あっさりとは申しましても、テーブルでポン酢などの調味料を足すお鍋では有りませんので、

スープまで飲み干せる程度に、にきちんと味をつけて置く必要があります。

沸騰した出汁に、鶏団子を2本のスプーンを使って丸めながら落としていきます。

全量鍋に入って、出汁が再度沸騰しましたら白菜の芯を加えます。

その後、鍋が再度湧き始めましたら、お豆腐、春雨を乗せます。

春雨は戻す必要は無く、乾燥したままのものを半分の長さに切って使いますが、

ほぐれ難い場合は、流水に当てて、水を含ませると扱い易いです。

お豆腐が入りましたので、鍋の温度が下がります。再度沸いて来るまでしばし待ちます。

出汁の温度が上がったことを確認して、最後に白菜の葉を山盛りに乗せて蓋をします。

蓋をすることで、白菜の葉は直接出汁に触れるのではなく、出汁で蒸されます。

これが、白菜の葉を美味しく頂く秘訣です。

2~3分して蓋を開けると、この様な感じ。

白菜は暖まってはいますが、煮えてしまっては居らず、

シャキシャキとした食感が残っています。

さ、鶏肉団子のお鍋が出来上がりました。

 

こちらのお鍋、途中で具材を足しながら頂くのではなく、

それぞれの火の通りを考えながら時間差で具材を全て入れてしまうお鍋です。

ですので鍋奉行様の出番は有りませんが、ゆっくりとお話ししながら頂けます。

柚子こしょうやスダチなど、お好きな香りを添えて。

 

では